「BMWは直進性が低い」とよく言われますよね。「高速安定性は素晴らしい」と言われるのに、一見矛盾しているようにも思えますが、これは何故なんでしょう?その秘密は、もしかしたらドライビングポジションにあるのかもしれません。
やっぱり左ハンドル基準
以前も当ブログで話題にしたことがありますが、右ハンドル仕様があるのにあえて左ハンドルを選ぶ方は一定数いらっしゃいます。そしてその理由は、自然なドライビングポジションを求めてのことであることもお話ししました。
いきなり挑発的なタイトルで申し訳ありません。クルマなんぞブランド名以外に興味ない妙齢の女性にかつて聞かれたことがあるのが、このタイトルの通りの言葉なんです。もちろん、そんなんことはありませんよね。ちゃんと理由があるのですが、意外とネット上で[…]
輸入車の右ハンドル仕様ではペダルのオフセットが一番メジャーな問題ですね。微妙に、というか明らかに左にオフセットしているので、右足で踏むべきアクセルペダルが中心よりになることが多いです。
ですが、実はそれだけではありません。ステアリングも左にオフセットしているんですよ。試しに、この2枚の画像を比べてみましょう。
・・・ちょっとわかりにくいですかね?すみません。
上の写真はALPINA B3に試乗した際の写真で左ハンドル、下の写真は我が愛車320d右ハンドルの写真です。
上の写真では少しステアリングが左に切れた状態で、ステアリングスポークの下向きの部分が、少しだけ私の右足の内側にかかっています。ですが、下の写真では、ステアリングはまっすぐなのに、下向きのスポークはすでに左ありの太ももの内側に被っていますよね。
これはステアリングを切っている・いないに関係なく、ドライバーズシートに対するステアリングの位置自体が正対しているか左に寄っているかの違いなんです。
BMWを購入する方は大抵右ハンドル
日本の様に左側通行では、右ハンドルの恩恵は圧倒的です。
右折時の対向車確認に始まり、片側1車線で追い越し可の道路での対向車確認、その他にも、最近は左ハンドル対応も増えてきましたが各種料金所など、日本ではあらゆる施設が右ハンドル前提に作られています。
一方で、日本の様に左側通行というのは少数派です。過去にイギリスの影響を受けた国が左側通行ですが、世界的に圧倒的多数なのは右側通行の左ハンドル。右側通行になれば、当然のごとく日本に置ける右ハンドルのメリットはそのまま左ハンドルに置けるメリットになりますので、世界的には左ハンドルが前提のクルマ作りをしています。
数少ない左側通行の国、イギリスのメーカーであるジャガー・ランドローバーなども基本設計の段階では左ハンドルが前提だと聞いたことがあります。左側通行仲間の我々としてはちょっと寂しくなる様な話ですが、多数派に合わせないと商売的にはアウトですので仕方がないですね。
この点、日本のメーカーは右ハンドルでもペダルやステアリングのオフセットのない、自然なポジションを実現しています。当たり前といえば当たり前ですけど、逆に左ハンドル仕様ではどうなのでしょうね?日本車の左ハンドル仕様に乗ったことがないのでわかりませんが、やはりオフセットしているのでしょうか?
余談が過ぎました。右ハンドルの話ですよね。
日本で購入できるBMWのほとんどは右ハンドル仕様となっています。そうすると、やはり右ハンドルの方が運転しやすいこともあって、大抵の方は右ハンドルを選びますよね?私もわざわざ左ハンドルを選ぼうとは思いません。
するとどうなるか?
大抵の方がこのペダルとステアリングのオフセットに戸惑うと思うんです。いえ、もっと正確にいうと、「なんとなくポジションが決まらない」「なんだか運転しにくい」「なんだか直進していない気がする」という違和感を覚えるものの、オフセットまでは気づかないかもしれません。
むしろ日本車から乗り換えの型の方が気づくかもしれませんね。今までの感覚で足を下ろしても、そこにアクセルがないのでそれと気づくはずです。
ステアリングの直進を保つとき、どうしていますか?
オフセットしていても、左右のステアリングスポークが水平になっているかどうかをみていれば問題ない・・・と思いますよね?ですが、この左へのオフセットを意識していないと、結局は斜めから見ることになるため、水平だと思っても水平ではないことがままあります。具体的には、右に少し切れている状態を水平と認識するでしょう。
じゃあ、ステアリングスポークが直立しているかどうかで判断しよう!と思われると思います。個人的にはこちらの方がオススメですが、それでも「直立」を判断するときに、無意識に両足の真ん中にくる様に・・・と考えていると左に寄っていくことになります。
じゃあどうすればいいの?!と思われるでしょうね。正直、私もステアリングで見るときには自分の中で「補正」してみている、つまり左足の太ももの内側あたりにステアリングスポークの下向きの下端が来る様に意識しているのですが、それでも時々wからなくなり、それ以上の方法を見つけ切れていません。
むしろ、高速道路などで遠くをみている時の方がいいですね。そういう時は意外とステアリングの向きなんて気にしないで、車自体が直進している、というか、人間は見ている方向に向かう様に車を操作するので(だから脇見運転をするとそちらの方向にクルマが寄って行きます。)、自然とリラックスして運転できます。
まあ、あまりステアリングの舵角なんか気にしない!という方も多いと思いますが、BMWのステアリングって、Standard以外は下側に銀色の花色がありますよね?M Sportであればステアリングスポーク全体にシルバーの加飾が入っています。
これが視界の端に入ることでステアリングの向きを教えてくれる効果がある、というのは以前お話ししましたが、これが逆に仇になって、視界の端では「ちょっとステアリングを右に切っている」と錯覚するんですよね。
M2特集の最後の記事は、当ブログのタイトル通り、「M2に乗って家族みんなでドライブ」編です。スパルタンなM2の我が家での評判はどうだったのか?ご報告します。 元々息子はM2が好き(なはず)。 多分にボディカラー(ロングビーチ・ブルー)の[…]
そうすると、実際には直進しているのに左にステアリングを修正するのでクルマは左に寄って行きます。そしてしばらくしたら今度はステアリングを右に修正して今度は右に寄っていく・・・というのを繰り返すことになるんですよね。
実は私もF30系にクルマを買い換えた当初、これに悩まされました。どうしてだろう?F30になってからステアリングが軽くなったから?それとも本当にステアリングセンターがずれている?
E90の時は全く気にならな買ったんですよね。E90はF30よりもはるかにステアリングが重く、その不自然なまでの重さが歩兵の一つとなっていましたが、そのぶんステアリングインフォメーションはかなり豊富で、ちょっとでもステアリングを切っていると手に前輪が微妙に横Gがかかっていることが伝わってきたほどでした
F30では相変わらずステアリングインフォメーションは豊富ながら、そこまでは感じ取れなくなっています。ですので、私も最初はわからなかったんですね。試行錯誤するうちに気づいたのが、右ハンドルが故のオフセットです。これに気づいてからは、どっしりと直進を保つのが容易になりました。
時々車線内を右に左に行っているBMWを見かけます。
特に私が今週お休みをいただいて、首都圏の高速道路を走る機会が多かったからだと思いますが、時々車線内をゆーっくりと右に・・・左に・・・と走っているBMWを2回ほど見かけたんですね。そこではたと思いだしたんです。私も最初は「??」と思っていたことを。
そして、意外とまだまだお気付きではない方がいらっしゃるのではないか、と思い、今回記事にしたというわけです。
いかがでしたか?ご自身の運転中のステアリング位置をチェックして見てください。1回1回の動きは勘付かないほどのものでしかありませんが、長時間走行していると、微細な横Gを連続して感じているので以外に早く疲労がきていると思います。私の場合は肩に出ていましたね。肩が凝って凝って仕方がありませんでした。まあ、現在の320dを購入した直後も、アライメント調整をするまではかなりステアリングの反応が過敏で直進を保つのに苦労し、肩が凝っていましたが・・・。
実は私の320dツーリング、購入当時は直進性が悪くて大変疲れがたまるクルマでした。前の320iと余りに違うのでさすがにおかしいと思っていましたが、あることで劇的に改善されました。 なんだか直進しない… 購入してすぐの頃の話です。[…]
気のせいか1年点検から帰ってきてから若干ですが高速での直進安定性が良くなっていたような気がしていたので、長距離旅行から帰ってきてからにしようかどうか迷ったのですが、結局行く前に済ませておくことにし、今日、国道246号沿いの「タイヤ館Pado[…]
さて、今日は私、出雲大社に行って参りました。東京から約750km、アライメント調整の結果どころか、ドライブ自体を堪能しました。もちろん、観光もですよ。 全てはこのために! アライメント調整にしろ何にしろ、全てこの日のこの長距離ドライブのため[…]
「あ!ステアリングが直進じゃない気がして動かしてました!」と言う方ほど、チャンスです。もしかしたら、格段に高速の運転が楽になり、行動範囲が飛躍的に伸びるかもしれませんよ?!
では、今回はこの辺で失礼します。ありがとうございました。