40代子持ちのクルマ好きが、愛車のBMW 320dツーリングを評価するとともに、ちょっとだけ日々を楽しくするクルマのある生活の話題をお届けします。

BMWの「ドライビング・パフォーマンス・コントロール」〜みんな戸惑うモードの選択

BMW NO IMAGE

現在のBMWにはATのモード切り替えとシフトレバーを左に倒すことで切り替わるモードがありますが、どのように組み合わせたらいいのでしょうか?先日知人と話したらそんな話題になりました。

まずはモードを整理。

私が冒頭で申し上げたモード切り替えですが、ちょっと整理してみましょう。

シフトレバー横のボタンでのモード切り替え

これはよくご存知ですよね。あの、「ECO PRO」「COMFORT」「SPORT」、あとM SportとデザインラインのSportには「SPORT+」が付いている、アレです。

ここで一応機能を簡単にまとめておきましょう。

ECO PRO

その名の通り、最も燃費良く走れるモードです。

ATのロックアップ領域を多くしてトルコンによるロスを最小限に抑えたり、補機類も制御してエンジンの負担を抑える、燃費至上主義のモードです。おかげでエアコンの効きもイマイチ悪いです。まあ、ここは設定で制御対象外にできるので、これからの暑い季節にはその様にすることをオススメします。やり方はまたの機会にご紹介しますね。

ここまで燃費至上主義のこのモード、COMFORTに比べて10%ほど燃費が向上します。ここら辺は以前記事にしましたね。

BMWのECO PROモードは本当にエコか?

 COMFORT

まあ、いわゆる普通のモードです。ECO PROほど燃費至上主義ではありません。

エアコンは普通に効きますし、ECO PROの様にスロットル(BMWはバルブトロニックの導入以来スロットルはありませんが)が線形ではなく非線形なので、出足もかなり良く感じます。

私は普段ECO PROばかりで乗っているので、たまにCOMFORTのまま走り出すと、「このクルマ、こんなにパワフルだったのか!」と錯覚します。

SPORT、SPORT+

スポーティに走りを楽しみたいときのモードです。って名前のままですね(笑)。

このモードにすると、恐らくそのクルマが一番早く走れる回転域を積極的に使います。あえて「高回転域」と言わなかったのは、ガソリンエンジンはその通りなのですが、ディーゼルエンジンではこのモードでも5000まで回さないで、トルクカーブが落ち込み切る前の4500-4600回転くらいでシフトアップするからです。ディーゼルにとっては高回転域ですけどね、これでも。

シフトレバーを左に倒した時のモード切り替え

「え?マニュアルモードになるんでしょ?」と思われたあなた。はい、そうです。ですがもう一つモードがあるの、ご存知ですか?

「DS」モード

シフトレバーを左に倒した「だけ」の時のモードです。「Drive Sport」ですね。この時はまだATとして振舞いますが、高回転域までシフトアップしなくなりますし、アクセルを踏み込んだ時のキックダウンのレスポンスも早くなります。

メーター内のシフトインジケータの表記が「DS」になります。ちなみに上記シフトレバー横のボタンでSPORTやSPORT+にしても、シフトインジケータの表示はあくまで「D」のままで、横にモードの表記が出ます。上にもご紹介した過去記事の中で写真でご紹介しましたね。

 

マニュアルモード

上記のDSモードの時にシフトレバーまたはシフトパドルを使用してシフトアップまたはシフトダウンを行うと、そのままそのポジションで固定されます。これがマニュアルモードですね。

マニュアルモードとはいっても、レッドゾーンまで回すとシフトアップするATが多い中、BMWは自動でシフトアップせずにホールドします。速度が下がった時はさすがに自動でシフトダウンしますが。

第一の疑問 COMFORTの存在意義は?

こうしてみると、というか実際でもそうですが、 COMFORTで走ることってあるの?と思いませんか?だって、ECO PROにしておけば燃費はいいし、踏み込めばCOMFORTと同じ様な加速をするのに。

ごもっともです。私もそう思ってました。というか、大抵の方がそう思うようです。その証拠に、ネットで溢れているショップでのコーディングの施工事例でも「ECO PROモードデフォルト化」ってよく出てきます。かなり人気のある、定番のメニューのようです。

ですが、いきなり言ってしまうとCOMFORTで走っていた方が本当に快適なんですよ。

というのは、ECO PROモードでACCをセットしないで自ら操作して発進する時、必ず1回2000くらいで回転上昇が一瞬止まり、そこからまた加速していくんです。必ず2段階加速になるんですよ。これは恐らく2000回転でロックアップしようと頑張っているけど、もっとアクセルを踏んでいるのでロックアップクラッチが解放されてトルコンのトルク増強作用を使用して加速しているのではないかと思っています。

COMFORTではそんなことはありません。踏めば踏んだだけ、素直に速やかに加速していきます。

さらに、COMFORTの方が音も振動も少ないです。本当にわずかな差ですが、体感できるほどの差で違います。これはディーゼルだからということではなく、ガソリンの320iでもそうでした。

ECO PROのように燃費至上主義で低回転ばっかり使わず、適度に高い回転を使うので、むしろその辺りの回転域の方がエンジンの回り方がスムーズなんでしょうね。

COMFORTで320dで走っていると、「ウチのクルマ、こんなにパワーあったっけ?」の他に、「ウチのクルマ、こんなに滑るように走るクルマだっけ?」とも思います。

きっと、トルコンが適度にスリップしているので、駆動系からの小さな騒音や振動が低減していると踏んでいますが・・・。

いつもECO PROで走っている方、一度お試しください。全てがすごく滑らかに感じると思います。

第二の疑問「SPORT」と「DS」の違い

「両方ともスポーティなんでしょ?何が違うの?」と思われますよね。ごもっともです。先に言ってしまうと、私もこの二つのモードはキャラがかぶり気味だと思います。

強いて言うなら、SPORTはアクセルに対するツキがよくなり、DSですとそれに加えてシフトを固定する傾向があります。繰り返しになりますが、強いて言うなら、ですよ?はっきり言ってそこに有意な差はありません。

Mアダプティブサスやサーボトロニックが付いていればまた違うんでしょうね。この場合はSPORT、つまりシフトレバー横にスイッチでモードを切り替えるとサスペンションの硬さやステアリングの重さが変わるので。あいにく私の320dツーリングには両方とも装備されていないので、差がないということになります。

時々320dの試乗記で、Mアダプティブサスもサーボトロニックも装備されていないと言っているにも関わらず、SPORTにしたらサスペンションが締まったような気がする、とかステアリングが重くなった気がする、と書いてあるのは完全にプラセボです。

まとめ

というわけで、意外と長くなってしましましたが、いかがでしたでしょうか?個人的なおすすめは、「街中COMFORT、高速ECO PRO」ですかね。実はこれ、逆の方が燃費は良くなります(笑)。ストップ&ゴーの多い街中の方がECO PROの恩恵を多く受けますし、低速走行が主となる高速道路ではCOMFORTでもあまり燃費が変わらないからです。

ですが、一番ストレスなく走れるのがCOMFORTであるのは間違いありません。うまいネーミングにしたものですね。

常にECO PRO派の方も、せっかく切り替えできるのですから、たまには燃費至上主義を脱してみるのも楽しいですよ。

蛇足ながらこの記事、途中まではあのカーナビタイムで絶賛大活躍中のiPad mini 4で、途中からMacBook Proで書き(打ち?)ました。途中は林檎ならではの機能(AirDrop)を使用して作成作業を引き継ぐという、濃厚な林檎印の記事です。あ、どうでもよかったですね。全てiPad mini 4で書いた(打った?)記事が既にありますので、初の純林檎印記事ではありません。失礼しました。

では、長々とおつきあいいただきありがとうございました。今回はこの辺で失礼します。