以前、ちらっと当ブログでも触れたことにあるかもしれませんが、ヨーロッパには「環境ゾーン」なるものがあります。これは、大気汚染への貢献度合いが高い一定の車が入れないようになっているゾーンのことですが、ドイツなどが有名ですよね。と思っていたら、ここオランダでもありました。しかも意外と多いんです。
無知は罪
環境ゾーンの存在は私も日本にいる時から知ってはいました。ですが、正直申し上げると、まさか自分がそこに直面する事態になるとは思っていなかったこともあって他人事でした。
ですが、オランダにも環境ゾーンがあることにようやく気づきました。遅い!というご指摘もあるでしょうが、そもそも知識としてはあって、しかもそれに引っかからないようにディーゼル車の購入を見送ったという経緯もありますのでご勘弁ください(笑)。
さて、なぜ私が今まで環境ゾーンに気づかなかったのか?そもそもオランダの標識ってすごくわかりにくかったりします。走行中で中々写真が撮れませんが、制限速度の標識なんて低いところにあって、しかも小さいので読み取りにくいです。ヨーロッパ車で標識を読み取って制限速度を表示する機能が流行っているのも宜なるかな、という感じです。
言い訳はこれくらいにしておいて、実は環境ゾーンというのがどのように表示されているのか知りませんでした。最近はだんだんと運転にも慣れてきまして、色々な表示を見る余裕が出てきたのですが、その中で一つだけ、よく見る割に意味がわからないものがありました。
ある日、オランダの交通法規を1回読んでみようかと思い立って、ネットで読んでいた時のことです。なにやら長い条文の箇所がありまして、よくよく読んで見ると、コレコレのディーゼル車は入ってはいけないよ、などと書いてあります。そこでようやく環境ゾーンのことだということに気づき、その文言を探していくと・・・
Milieuzone
オランダ語がわからない私にとってはこれが環境ゾーンだということなど知る由もありません。なんでも、ここに入れないクルマで入ってしまうと罰金になります。罰金の金額は明示されていませんが、隣国ドイツでは€80とのことですので、結構罪が重そうです。
それ以前に、環境を守ろうとしているところに、そうでないクルマでのこのこと入っていくのは気が引けますよね。本当に、無知は罪です。
表示方法が・・・
私も自分の車が入れるかどうか調べてみました。ナンバーを入力して調べるようになっていますが、以前申し上げたように、オランダのクルマは持ち主が変わってもナンバーはそのクルマとともに一生変わりませんので、車種なども判明してしまうわけです。でもこれって、ちょっと考えると恐ろしいですよね。国が全て把握しているということですから。
それはいいとして。
調べてみたのはこのページです。
最初の単語は「へメーンテ」と読みます。基礎自治体のことです、要するに「市」ですね。そう、ヘメーンテというと、通常は役所のことを指します。つまり、ここはアムステルダム市役所のHPです。私はアムステルダム市民ではありませんが(笑)。
出てきた結果は・・・
もちろん、これはGoogle先生に翻訳してもらった結果です。元のページはオランダごと英語が切り替えられるようになっています。私のクルマは、環境ゾーンにもアクセスできますし、アムステルダム市内の環境ゾーンの駐車許可証も発行される、ということですね。
ここで、「駐車許可がいるの?!」と思われた方、いらっしゃると思いますが、基本的にはオランダでは駐車はフリーです。が、都市部では住民といえども駐車許可が必要な場所もあります。本当に市内の中心の方ですけどね。ちなみに、私の自宅の周りは必要ありません。そして不思議なのが、駐車許可が必要なエリアでも、クルマを購入する時に日本でいう車庫証明的なものは必要ありません。どうするんでしょうね、空きがなかったら。
まあ、駐車事情に関してはまだ私も研究中ですので、後日その成果をお伝えしたいと思います。
環境ゾーンに話を戻しましょう。上記のような標識が立っているとわかりやすいのですが、実は大抵の場所に標識が立っておらず、道路に表示されています。でも、目立ちます。だって、青の点線で囲って「MILIEUZONE」って書いてあるんですもん。
・・・写真は?とお思いの方、すみません。流石に運転中になりますので撮影できていないんです。駐車はフリー!と言っておきながら、何でさh芯がないんだ!と突っ込まれそうですが、環境ゾーンは市内でも結構中心近いところかビジネス街にあり、オランダは車道本線は厳に駐車禁止のようですので、撮る機会がないんですよね。なんとか撮影出来次第ご紹介します。
そして、最近気付いたのは、私の通勤先のオフィス近辺が環境ゾーン内部だということ。いやー、古ーいディーゼルとか買ってたら入れないところでした。実際、古そうな大型車は手前で曲がって行ったりしています。
一旦気づくと、「ここも!」「あ、ここも!」と意外に多いことに気づきます。というか、細かく設定してあるだけなんでしょうけど、意外に多いな、という印象です。
でも実効的な取り締まりってできるのかな?
環境ゾーンに進入可能と言っても、私のクルマは特に何も表示してありません。ついでに言うと、日本のような車検ステッカーもないので、フロントガラスはスッキリしたものです。いや、そういうことを言いたいのではなくて、環境ゾーンに入れるクルマであることを示す手段がオランダではないんですね。
ですが、隣国ドイツにはあります。さすがと言うか、いかにもと言うか・・・まあ、ドイツらしいですよね(笑)。環境ステッカーといって、三色(赤・黄・緑)のステッカーです。このうち、自分のクルマが何色かで、どこまで入れるかが決まってきます。しかも貼る位置も決まっているようで、フロントウィンドー内側から見て右下に、外から見えるように貼らなければいけません。貼っていても見えなければ罰金と言う・・・容赦ないですね、本当に。
これはわざわざドイツまで行かなくても購入できます。それはそうですよね、だって陸続きの隣国なんて、すぐ行けちゃうのに事前に購入できないようでは不便で仕方ありません。
オランダでは、ANWBという団体(?よくわかりません)で購入できます。日本でいうJAFみたいなもので、会員になっていると、万が一の際にロードサービスが受けられるというので、私も会費を払って会員になろうと思っています。はい、まだなっていません、思っているだけで(笑)。
このANWB、オランでは実店舗をよく見かけます。グッズを売っているのですが、ヨーロッパで欠かせない「ブルーカード」(特定の場所での駐車の時に使います)などを売っていたり、あとはなんだか普通にTシャツとかも売っているんですよね。本当に一見は普通の店でして、クルマ関係の店だとはわかりません。ここでドイツの環境ステッカーを購入できますが、もちろん、オランダにいながら、です。もっと言えば、通販もあるので自宅にいながら買えます。
最も近い隣国ですし、BMWミュージアムやメルセデスベンツ博物館やポルシェ博物館など、いついくかわからない(笑)けどすぐにでも行きたい箇所があるので購入しました。
私のクルマでゲットできるステッカーは・・・
一応一番環境にいいというステッカーでした。これを発注しましょう・・・と、€18?!た、高すぎませんかねぇ、幾ら何でも・・・。
ついでに、こちらは家内の要請でいつでも行く可能性があるフランスでもステッカーが必要なようですので、こちらも買っておきますか。これもANWBのHPから行けます。各国の情報が乗っているページでフランスを調べると、環境ゾーンのリンクが貼ってあって、その記事の中から購入しに行けるんですね。
フランスでは・・・がーん、シミュレーションの結果、六段階の上から3番目です。でも、なければ都市部へ入れなかったりするので購入しかありません。フランス登録ではないので入力する事項がいっぱいありますが、途中で何を入力すればいいのかわからなくなってきたところで、はたと気づきました。日本語訳していると、項目Eとか書いてあるのですが・・・これって、あのKANTEKENBEWIJS(カンテケンべワイス、車両登録証明)の裏面のことではないか、と。
さて、ようやく手に入れたオランダでのマイカー、早速乗ってみたくなるのは人情というものです。しかも日本では経験できない「クルマでの国境越え」をしてみたくて、ベルギーのアントワープまで行って来ました。あ、その前に何を買ったかですが・・・。 走[…]
ここでは表面しかご紹介しませんでしたが、実は裏にも色々と書いてありまして。
スペックとかもわかってしまうという・・・車検証でもここまで詳しくないでしょう。そんなことより、この項目名と同じ部分を入れて行けばいいと気づいてからはもう楽勝ムードです。スイスイ進んで支払いに行くと・・・あれ?€4.21?随分お安いですね・・・というかドイツが高すぎです。で、これでクレジットカードで支払って注文しました。
フランスのステッカーもドイツと同じところに貼らなければ行けないんですよね。並べて貼っておきましょうか。
他の国は、今の所は大丈夫なようです。届くのが楽しみですね。
それに比べて日本は・・・なんてお思いの方、日本でも同様の規制ありますよね。
こういうのを聞くと、「さすが環境先進国!」という声が上がりそうですが。。。ちょっとお待ちください。日本でも同じような規制がありますよね?
東京にお住まいでないとちょっと思いつかないかもしれませんが、「環七以内は土曜19:00-日曜7:00までは大型車進入禁止」というものです。
これはもちろん、大気汚染を防ぐためのものではなく騒音公害対策のためですが、発想としては似ています。しかも同時に、目標としていなくても排ガスによる大気汚染の抑止にはなっていると思います(少しは、ですが。)。
でも日本でも乗用車のディーゼルが増えているじゃないか!という声もあると思いますが、日本で走行しているディーゼル乗用車は、いわゆる「クリーンディーゼル」で、こちらでいうEURO6です。EURO6であれば、ディーゼルといえどもヨーロッパのどの都市でも環境ゾーンOKです。現在、規制強化が検討中でmオランダでは現在はEURO4以前は入れないのをEURO5に引き上げる動きもあるやに聞いていますが、それでも余裕でクリアできます。
というわけで、ヨーロッパ的観点では、日本で走っている乗用車はほとんど規制に引っかからないものばかり、ということになります。
時々私の勤務先のオフィスビルの前に、アイドリングしたまま止まっているタクシー(大抵ディーゼル)がいまして、きっと車種(ジャガーXF)からするとEURO5なのだと思いますが、排気ガスがツンときてかなり臭いですよ。EURO5とEURO6はだいぶ違うようですね。あの臭いからすると、日本でEURO5のディーゼル車が輸入されなかったのは正解だと思います。数値的に排ガスのクリーンどがアウトだったというのもそうでしょうけど、日本でのディーゼルアレルギーに拍車がかかったでしょうからね。それでも日本の規制に適合させて輸入したメルセデス、W211のE320CDIのことですが、これはさすがメルセデスという他ありません。本気で日本でディーゼルを売ろうと考えていたのでしょうね。
当ブログをお読みのあなたなら、きっと一度はドイツを訪れてBMWをレンタルし、アウトバーンで思う存分性能を発揮させたいという願望をお持ちでしょう。ドイツで借りたレンタカーであれば環境ステッカーが貼ってあると思いますが、他国で借りてドイツへ陸路入国する場合には、この環境ステッカーのことを頭に入れておかないと、思わぬ罰金を払わされる羽目になるかもしれませんのでご注意ください。
では、今回はこの辺で失礼します。ありがとうございました。