40代子持ちのクルマ好きが、愛車のBMW 320dツーリングを評価するとともに、ちょっとだけ日々を楽しくするクルマのある生活の話題をお届けします。

BMW3シリーズのボディサイズは日本で適切か?

年々ボディサイズが肥大化していくDセグメントですが、特に最近はその傾向が著しいですね。安全装備の強化や、ユーザーの室内拡大の要望などによりやむをえない事情もあるのでしょうが、このまま大きくなって行くと、それはそれでDセグメントの特徴である「扱いやすいサイズ」という美点を損ないます。

まずはボディサイズをおさらい。

本当はE30から比べると肥大化の傾向がよくわかるのですが、あまり昔のクルマと比較しても意味がないので、まだまだ街中で良く見かけるE46からの成長(?!)の軌跡を振り返ってみたいと思います。ここでは便宜的に、すべてセダンで、LCI前のボディサイズに統一します。また、M sportではなく、ベーシクな仕様です。

全長 全幅 全高
E46 4,470mm 1,739mm 1,415mm
E90 4,525mm 1,815mm 1,440mm
F30 4,625mm 1,800mm 1,440mm

全高はまあいいとして、全幅と全長の成長が著しいです。F30はE46と比較すると実に全長で+155mm、全幅で+61mmも増加しています。しかも、全幅は日本仕様だけ前席ドアハンドルを小さなものにすることによって抑えているので、本国仕様の正常な値(1,811mm)で比較すると+72mmということになります。

ドイツのライバルとの比較

ここでドイツ御三家のライバル、メルセデスCクラスとアウディA4と比較してみます。

全長 全幅 全高
Cクラス 4,690mm 1,810mm 1,435mm
A4 4,735mm 1,840mm 1,430mm

・・・こうしてみるとA4は本当に大きいですね。F30比で全長は+110mm、全幅は+40mmというと、最早Dセグメントを飛び出していきそうです。

あまり変わらないと思われるかもしれませんが、リアカメラがあってギリギリまで寄せられるようになっている中、全長で10cmの違いって相当大きいですよ。

日本車でいうとどのくらいの大きさ?

日本車と比べると大きさのイメージがつかみやすいと思いますので、比較してみましょう。

全長 全幅 全高
レクサス IS 4,665mm 1,810mm 1,430mm
トヨタ マークX 4,750mm 1,795mm 1,435mm
日産 スカイライン 4,790mm 1,820mm 1,440mm
スバル レガシィ B4 4,795mm 1,840mm 1,500mm
スバル レヴォーグ 4,690mm 1,780mm 1,490mm

レクサスISとF30はちょうど同じくらいですね。それにしても各車とも結構大きいです。レクサスISの他にも、この中ではレヴォーグが3シリーズと同じようなサイズ感ですが、A4なんかはむしろレガシィの方が近いですね。こうして見ると、3シリーズはコンパクトな部類に入ることがわかります。

では、ミニバンと比較してみましょう。この場合は全高を比べても意味がないので、路面投影面積、すなわち全長と全幅だけで比較します。

全長 全幅
トヨタ ウィッシュ 4,600mm 1,720mm
日産 セレナ 4,770mm 1,740mm
ホンダ ジェイド 4,650mm 1,775mm

中々いいサイズのクルマがありませんが、この辺りですかね。

どちらかというと、日本車はドイツ車に比べて「幅は狭く、全長を長く」とって室内スペースを稼ぐ傾向にあるようです。

ちなみに全長が全然違うので比較はしませんでしたが、F30の全幅1,800mmというのはクラウンと同じです。そういえば、3シリーズってレンタカーでもクラウンと同じクラスに設定されています。

オリックスレンタカー

まとめ F30は日本でも取り回しのしやすいサイズ

上記のように比較してみると、だいたい同じサイズのクルマは日本国内でも大きすぎず小さすぎず、大人4人がストレスなく移動できて旅行の荷物も積み込めるという、ユーティリティの高いクラスに属していることがイメージできますね。

また、大抵のタワーパーキングに入るように全幅を1,800mmに抑えている点は、賛否両論あるものの、たかが1cmの差で入れられないくらいならこの方がいいと思います。むしろ日本車の方があまり気にしていないように見えます。でもドアハンドルに仕込まれていたライトがなくなったのは惜しいですね。

F31型320dツーリングで気になるところ。オートライト・ウィンカーなど。

よく、「日本は道が狭い」という話を聞きますが、ヨーロッパだって道は狭いです。市街地の車線の幅は結構乗用車でギリギリのところもありますし、地方都市に行くと両側に家の壁が迫ってきていて、通れるのか?と不安になるようなところだってあります。

そういう背景ですので、このように大きくなりすぎずに済んでいるのでしょうね。それでも一番見えにくい左前が不安な方はこちらをどうぞ。

かつて、フェラーリ360モデナの記事で、絶対的には幅も広く大きな車なのですが、「何も考えずに作っていたらもっと大きくなっただろう、フェラーリの技術はすごい」と言っている記事を読んだことがあります。

なるほど。クルマをコンパクトにまとめるのも技術の一つなんですね。

ですが3シリーズは次も大型化するでしょう。A4ほどではないにしても、Cクラスと同じサイズ感くらいでしょうか。

では、今回はこの辺で失礼します。ありがとうございました。