40代子持ちのクルマ好きが、愛車のBMW 320dツーリングを評価するとともに、ちょっとだけ日々を楽しくするクルマのある生活の話題をお届けします。

5シリーズ惜しい!今年のカーオブザイヤーには驚きました。

BMW

いや、完全に予想外でした。当ブログでは去年ほど触れませんでしたが、カーオブザイヤーの動向は追っていました。ですがあのクルマがカーオブザイヤーだなんて・・・正直申し上げて、全くマークしておりませんでした。

まずはノミネート車〜10ベストカーまで

まず、今年のノミネート車を見てください。

第38回 2017 – 2018 日本カー・オブ・ザ・イヤー ノミネート車

はっきり申し上げましょう。個人的にはあまりワクワクしないノミネート車です。これには本当に異論があると思いますが、エコカーにコンパクトSUV、クロスオーバー、そしてトールボーイと全く見栄えがしません。

この中から個人的にカーオブザイヤーを選ぶのは至難の技だと思っていました。そして、10ベストカーが選ばれた時点でまた度肝を抜かれました。

第38回 2017 – 2018 日本カー・オブ・ザ・イヤー 10ベストカー

ここでBMW以外のドイツ勢とが全滅。アウディが1台も残らなかったのにも驚きましたが、メルセデスがあんなに力を入れていたSUV勢が全滅したのは驚きました。個人的にはQ2やGLA、3008といったコンパクトSUVには大いに将来性を感じていただけに、惜しい気もしました。10ベストカーに残ったティグアンは確かに商業的には成功するでしょうけど、色気がないのが気になります。5シリーズはあの完成度ですから、まあ、残って当然でしょう。プリウスやSクラス・Eクラスといったところは、5シリーズと違っていわゆる「ブランニュー」の新型車ではないですからね。

ただ、ジュリアが残ったのは朗報でした。これはきっと、カーオブザイヤーがスイフトかカムリ、インポートカーオブザイヤーがジュリアか5シリーズだろう、と思っていたんです。

だけどカーオブザイヤーの栄冠はついにボルボの手に。

選考結果を見て驚きました。正直に申し上げますと、ノミネートされていたことすら忘れていたクルマでしたので、変なリアクションになってしまいました。

でも・・・選考結果を見るとXC60は混戦から頭一つ抜け出した感がありますよね。それ以外は5シリーズ・カムリ・スイフトが大混戦。なんとジュリアは以外にも結構沈んでいってしまっています。「なんと」なんて言っていますが、完全い個人的趣味でアルファロメオは好きなので、こういう言葉遣いになってしまっています。

今まで私はボルボには縁がありません。あまり興味を持ったこともないです。クルマとしてよくできていそうということは評価していますが、かつての「弁当箱」あるいは「レンガ」のように実直一筋なスタイルを捨て去ってオシャレ路線に、かつ、スリッパリーな路面では、FRでステアリングやアクセルに対する反応は鈍い方がいい、と言った哲学を捨て去ってしまったボルボに魅力を感じなかったというのが本当のところです。ボルボには頑丈さ・質実剛健さ・スリッパリーな路面での運転のしやすさで他メーカーとは一線を画した存在であってほしいと勝手に思っていました。

ですが、素直に捉えればその洗練されたデザインと雪国の路面で鍛えられた走破性がきっと時代にマッチしたのでしょう。しかも最近のボルボはPHVやディーゼルなどのパワートレーンの選択肢が豊富です。エンジンもモジュール化されていて、徹底した合理化を図っている点も評価されたのかもしれません。実際、受賞の理由にはそう書いてありますね。

ですが・・・なんか同じような話、昔聞いたことありませんか?そうです。我らがBMWですよ。エンジンのモジュラー化・PHVやディーゼルなどの豊富なパワートレーンの選択肢・・・正にBMWが辿ってきた道そのものではないですか!もちろん、今となってはドイツ勢は同様の特徴を持っています。

ではここで、何が抜きんでていたのか?ここはやはりまずは北欧デザインなのでしょう。個人的には、北欧デザインの特徴というと「清潔感」「透明感」「清々しさ」「飾り立てない」と言ったキーワードが思い浮かびますが、このXC60、改めて見ると非常にクリーンな外見をしています。白のボディカラーが眩しいほどに似合っていますよね。内装もそうです。薄いベージュとかの内装が似合いそうな気がします。

私はボルボには助手席や後席も含めて一切乗ったことはないので、運転してどうかということはわかりませんので語る資格はありません。そんなこと言ったら他のクルマもそうなのでキリがなくなりますが、少なくともボルボの運転が楽しいという話は聞いたことがありません。ですが、ここまで高評価を得るということはきっとそれなりに楽しいのではないかと想像しています。

私の中で、ボルボを見直すべきなのではないかという気持ちが湧き上がってきております。

ところで、審査員ごとの投票状況は?

このカーオブザイヤーの面白いのは、誰がどれに何点入れたのかまで公表されるところですね。

第38回 2017 – 2018 日本カー・オブ・ザ・イヤー 選考委員別配点表

ここで目につくのは5シリーズ・カムリ・スイフトでは「0点」にしている方が少ないことですかね。満遍なく得点を稼いでいます。一方で、ダントツに得点が低かったティグアンですが、数少ない評価している方の中に、私の愛読誌のCGや、CGTVでもお馴染みに松任谷さんが投票してらっいます。その松任谷さんはレクサスLCに10点を投票していますね。

私の今年の一押しは、何を隠そうアルファのジュリアだったのですが、10点を投じたお二人のコメント(嶋田智之氏と三好秀昌氏)のコメントが、やはり運転の楽しさを高評価の理由にあげています。

個人的に感じたこと

最近の高評価なクルマというのは、兎にも角にも「エコ」なクルマというのが相場でした。

いえ、エコが大切ではないと言っているわけではありません。ただ、もうすでにエコなだけではダメなんですね、何かとんがったところがないと。それがスタイリングだったり、走りだったり、乗り心地だったりするのは人それぞれだと思うのですが、そうした「エコだけではない付加価値」というものを備えた日本車が少なくなってきているような気がします。

今回のノミネート車を見ていて思ったのですが、なんだか日本車に関してははっきりとではありませんが2極化しているかもしれません。エコを突き詰めたクルマか、走りの楽しさを求めたクルマか。中庸をいくクルマはカムリくらいではないでしょうか?反論はあるかもしれませんが、スイフトは走りではコンパクトカー随一との評価ですし、CX-5だって、マツダははっきりと「走りを諦めない」と言っているくらいですので、2極化の埒外ではないと思います。

どうも、人間の欲というのは底知れぬものです。ちょっと前まではエコが大正義でしたが、今やエコだけでは物足りぬ、という感じでしょうか。ですがこの人間の願望が文明を作り出してきた原動力でもあるわけですし、私は否定するつもりは毛頭ありません。それどころか、むしろ私自身も「もっと、もっと」と自動車メーカーにより高い要求を求めていきたいと思いました。いますぐは思いつきませんけど。

厳しい環境の中、これからも各自動車メーカーが我々クルマ好きを喜ばせるようなクルマを作り続けることを祈りたいですね。そう考えると、この意外な選考結果に終わった今年のカーオブザイヤーも、私に改めてこうしたことを考える機会をくれて、なんとなくですが自動車業界の明るい展望を垣間見ることができた気がしてくるから不思議です。

では、今回はこの辺で失礼します。ありがとうございました。