40代子持ちのクルマ好きが、愛車のBMW 320dツーリングを評価するとともに、ちょっとだけ日々を楽しくするクルマのある生活の話題をお届けします。

BMW3シリーズのM Sportなどに装着されているスポーツシートを合わせるには・・・。

当ブログで以前、ノーマルのシートとスポーツシートの比較をしましたが、その時に「スポーツシート、いいですよ!」とオススメしました。ですが、読者様から「どうしても合わないんです」とのお悩みをご相談いただきましたので、どのように私がシートを合わせているか、ちょっと以前の記事と内容が重複するかもしれませんが、詳しくご紹介したいと思います。

今や私はクルマのシートが一番体にフィットします。

以前、スポーツシートとノーマルシートを比較した記事はこちらです。

BMW3シリーズのシート、疲れないのはどっち?スポーツシート?標準シート?

そして、ドライビングポジションの重要性についてもお話させていただきました。

ドライビングポジションが大事!

コメントをいただいた読者様はM Sportにお乗りだそうですので、スポーツシートですね。コメントを拝見すると、BMWドライバートレーニングのチーフインストラクター、菰田さんのアドバイスを参考にしてもどうしてもしっくりこないとお悩みの様子。

シートが小さいのかともお考えのようです。

今ではお出かけしてクルマのシートに座ると心底リラックスできる私ですが、当初は同様に考えていたことを思い出しました。

シートは大きい?小さい?

私は、特別大きくもないけれど、小さくはないと思っております。

その証拠と言ってはなんですが、身長175cm(公称値)の私が運転席に座っても、シートバックは肩の上まで来て完全に背中全体をサポートします。あ、サポートと言っても背中をべったりとくっつけているのではありませんよ。

そして、ヘッドレストは全く曳き出さなくてもナチュラルに頭の中心の後ろにヘッドレストの中心が来ています。

この二つを満たす日本車って中々ないです。もっとも3シリーズはそのおかげで室内が狭いと思われて損をしていますが、十分な居住性を持っているのは以前もご紹介した通りです。

BMW3シリーズの居住性って、結構真面目に煮詰めてあると思います。

ですが、前席のシートに関してはちょっと幅が足りない気がしていました。なんとなく窮屈な感じを受けていたといいますか・・・。

ところがノーマルシートの3シリーズに座ってみるとそう感じないんですよね。そこで窮屈に感じる犯人に思い当たりました。

サイドサポートですね。

サイドサポートが正しい姿勢で座ることを「強制」する。

このサイドサポート、見た目ではRECAROなどのスポーツシートに比べたらまだまだ軟弱な感じに見えますが、意外と張り出しが大きくてしっかりしているんですよ。

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いかがですか?全然そんな風には見えないと思いますが、ちょっとでも真ん中からずれて座ると、これが結構わき腹に入るんですよ。

ですので、きちんとシートの真ん中に座ることが大事です。では、どうすればシートの真ん中に座れるでしょうか?

ペダルはオフセットしていると考えて、一旦目安とするのをやめましょう。

以前の記事でこれもご紹介しましたが、右ハンドル車の宿命として、ペダルは左側にオフセットしています。

なんで右ハンドルの設定がある輸入車なのに左ハンドルに乗るの?ただの見栄はり?

ですので、ここは一旦目安にするのをやめましょう。

では、細かくドライビングポジションを合わせる前準備をご紹介します。これは私がいつも行なっている方法ですので、ご参考までに。

最初に申し上げておきますが、調整の時は、基本的に視線は必ず正面、つまり運転している時と同じ視線で調整してください。

1. まずはサイドサポートは全開に開き、シートを十分後ろに下げる。

まずは、サイドサポートが全開の位置に来るように調節し、ペダルに足が届かなくてもいいので、シートを十分後ろまで下げます。ハンドルも届かなくなると思いますが、まずは気にしないで結構です。

シートの高さはそんなに気にしなくても構いません。一番下でも結構です。

ここで重要なのは、「骨盤を座面に垂直に立てて、深くに座ること」です。運転していて腰が痛くなるというと、たいていの場合は骨盤が寝ていることが原因です。また、深く座りすぎても窮屈で疲労が溜まります。

2. 次に、左足をフットレストにしっかりと乗せた時に、膝が軽く曲がるくらいまでシートを前に出す。

これでもまだ右足はブレーキを十分踏めない位置だと思います。ですが、まずはその辺で一旦止めてください。これには理由があるんです。

BMWって、ドライビングポジションが低いんです。レースでのオンボード映像などをみるとお分かりになるかと思いますが、ツーリングカーレースにしろフォーミュラカーにしろ、足をガバッと広げて運転しているドライバーっていませんよね?

BMWは、特にF30で感じたのですが、足元がタイトです。E90はまあまあタイトなくらいでしたが、F30はもっとタイトなんです。ですので、足は閉じ気味にして、太ももが座面の横からはみ出さないようにしましょう。そうすることで、体がちゃんと正面を向いている限りでは自然とシートの真ん中に座っているはずです。

そうなんです。最初から近づけすぎると自然と足が開いてしまうんですよ。ですので、一度ちょっと遠目で左足を乗せるんです。

3. その姿勢のまま右足をブレーキがきちんと深く踏めるところまで前に出します。

ここでようやくペダルを基準にします。

ブレーキペダルを思いっきり踏み込んでみてください。大丈夫です。壊れませんから。

この時に腰が後ろにずれてしまったら、座面に骨盤を垂直に立てて深く座れていなかったということです。

そして位置としては、力一杯パニックブレーキを踏み込んだ時に膝が曲がっていなければいけません。実際にパニックブレーキを踏むと、それでも腰が思いっきりシートにめり込んで足が伸び切るものです。ですので、調節している段階では思いっきり踏んだ時でも膝は軽く曲がる程度の余裕がないといけません。

ですが、このまま足を開かずに行くと、非常に窮屈です。まるでいい大人になって体育座りしているような感触になってきます。

そしてここで高さ調整の出番です。

4. 足を開かなくても窮屈じゃない程度に高さを調節する。

高さの調節は、地面に平行なまま前後を均等に上げて行くよりも、若干後ろが下がり気味の方がシートバックを使って体圧を分散できるので楽です。私は今は前端上げ、後端は一番下で調節しています。

「今は」というのは、最近変えたんです。そう、iDriveのアップデートでシートのメモリーなどもぜーんぶ消えたので、この機会にちょっと気分を変えようかな、ということで。

以前は後端も結構あげて、前面をそれよりもちょい上げくらいにしていました。

写真をご覧になって、「結構シート後ろだなー」とお思いになりませんでしたか?これは今のポジションです。ですので高さをもっと上げていた時は、当然シートはもっと前に位置するようになります。

5. ブレーキペダルとの位置関係を意識しつつ、サイサポートを調整

サイ「ド」ではなくサイサポートです。これを、膝裏がシートの端につかないくらいの範囲で前に引き出します。

この時、前端をあげすぎていると、腿の裏のサイサポートが当たる部分に圧迫感を感じる場合は、前端を上げすぎです。お尻から腿の裏まで、均等に圧力がかかるように前端と後端の高さを調節します。

そして、このように調節している段階で時々右足がブレーキを深く踏める位置にあるか確認します。前端の上げ下げで、右足がブレーキから遠くなることがありますので。

6. アクセルペダルとの位置関係を調整

そして、ここからアクセルペダルも目安にします。踏み込まないでくださいね。アクセルオフの位置で足を軽くのせてみて、必要以上につま先を持ち上げるような感覚ですと、運転するとあっという間に足の甲と脛が痛くなってきます。その場合も座面をあげすぎです。もう少し低くしましょう。

ここでもし、前につんのめるような感覚であれば、少しシートが前過ぎると思いますので、下げて、改めて少し後ろ下がりになるように調節します。

ここまでで前後位置をフィックスしました。

7. もう一息!シートバックの調整

シートバックを調整します。苦しいようでしたら少し寝かせ気味でも構いませんが、できるだけ立てましょう。この目安として、F30系はいいものがあります。

それはヘッドレストです。F30系のヘッドレストって、一番起こしても結構前に出ています。あ、ヘッドレストは後頭部につけてはいけませんよ?街中で輸入車に乗っている方で、ヘッドレストを異常に前に出して頭を完全にもたらせかけている方がいらっしゃいますが、路面の凹凸が全て頭に伝わって視界がぶれますし、何より不快です。いつもよく運転できるなあと思ってみているのですが、気持ち悪くないんですかね?

ま、それはいいとして、このヘッドレストが後頭部にくっつかない程度に立てるといいです。立てすぎると後頭部がくっつきます。

8. これで最後!ステアリング位置の調整

その状態で、ステアリングをチルト・テレスコさせて、リーチを調整します。

私は腕が短いのか、だいぶ前に引き出しています。この時の目安としては、「両肩の肩甲骨の下まではシートバックにつけた状態で、ステアリングの上部を手のひらで軽く押さえた時に、肘に余裕があるくらい」です。その位置まで引っ張り出してください。

肘が伸びきるとステアリングを切るたびに身を乗り出すので疲れますし、正確なステアリング操作ができません。ハンドルが近過ぎると、操作しにくくて緊急回避もできませんし、何より肩に力が入ってこれまた疲れます。

高さは、メーターが全て見えるように調節します。

これで終わりです!

サイドサポートは必要に応じて狭く調整してください。普段は開きっぱなしでもいいと思います。

この状態での運転姿勢

リラックスして座りましょう。意識して肩の力を抜いて、ステアリングは軽く手のひらで押さえ込むようにして保持します。決して横からガシッと握ってはいけません。

そして、体をシートバックに預けてみてください。背中はべったりとくっつけるわけではなく、肩甲骨から上は軽くシートバックから離れるくらい。

ここでうまく体圧がシート全体に分散していないと感じたり、好みのポジションでなかったりしたら微調整をします。

今までミニバンなどを運転した方には結構窮屈に感じるかもしれませんが、そのくらいでちょうどいいと思います。

長いので簡単にいうと

「体をリラックッスしてシートに預けつつも足を閉じ気味にして、窮屈に感じずハンドルが遠すぎず近すぎず」

ですかね。

もっと簡単にいうと「自然体」を取るということなんです。私は武道を少し嗜んでいましたが、全ての武道に共通するのは自然体で平常心を保つことです。

運転でも役に立ちますよ。急な変化にパニックにならず対応できるのは、精神面では「平常心」、体制面では「自然体」です。

そして何より、疲れないで運転できますので、どこまでも走っていけます。集中力が続く限りは、ですけど。

まとめ

ここまで考えて調節するの?!とびっくりされた方もいらっしゃるかもしれませんが、大なり小なりどなたでも無意識に意識していることだと思います。

ただ、リラックスを優先させすぎてシートを倒しすぎたりハンドルが遠すぎたり、というのだけはすぐにでもやめたほうがいいです。結局はステアリング操作の際に体を起こしたりするので、結果としては楽ではないですよ。

長くなりましたがここまで読んでいただきありがとうございました。今回はこの辺で失礼します。ありがとうございました。