40代子持ちのクルマ好きが、愛車のBMW 320dツーリングを評価するとともに、ちょっとだけ日々を楽しくするクルマのある生活の話題をお届けします。

BMW3シリーズのシート、疲れないのはどっち?スポーツシート?標準シート?

BMW

F30系には2種類の形のシートがあります。スポーツシートと標準シート。カタログの写真などを見てもイマイチ違いがわかりませんよね。一体どちらが「良いシート」なのでしょうか?

選べるシートは4種類

現在、F30/F31にはスポーツシートと標準シート2種類の形が用意され、かつそれぞれ布と本革があるので、4種類のシートが選べますね。

ちょっとどうなっているのか、整理してみましょう。

現行型(F30/F31後期型)から行きますと、

SE 標準シート
デザインライン スポーツ スポーツシート 布(本革シートはオプション)
デザインライン ラグジュアリー 標準シート 本革
M Sport スポーツシート 布(本革シートはオプション)

そうなんです。今現在、標準の布シートを選択しようと思ったら必然的にいわゆる素の状態のグレードを選ぶしかないんですよね。

個人的にはこれはちょっと改悪だと思うのですが・・・私の行きつけのディーラーのToto BMWでなぜか伺ったところ、

「ラグジュアリーを選択するする方の本革シート装着率が高かったからのようです。」とのご回答をいただきました。

実は前期型では違ったんですよ。

SE 標準シート
デザインライン スポーツ スポーツシート 布(本革シートはオプション)
デザインライン ラグジュアリー 標準シート (本革シートはオプション)
デザインライン モダン 標準シート 布(本革シートはオプション)
M Sport スポーツシート 布(本革シートはオプション)

違うところをハイライトしましたが、このように標準シート+布シートの選択がもっとできたんですよね。

標準シートとスポーツシートの違いって?

これは購入前、実際にディーラーで乗り比べるまで最後までわかりませんでした。カタログを見てもあまり違いがないように見えるんですよね。

スポーツシートに追加されている機能

実際に座ってみると、だいぶ標準シートとは違います。私の愛車の320dツーリングスポーツはスポーツシートですが、これに魅かれてスポーツにしたと言っても過言ではありません。

サイドサポート

まずはこれですね。写真ではそうでもないように見えますが、結構張り出して、体側を支えるようになっています。どのくらいかといえば、Toto BMW主催のMシリーズ試乗会で、M3/M6のバケットタイプのシートに座っても違和感を感じなかった、といえば伝わるでしょうか。

しかもこのサイドサポート、電動で幅の調整ができるんですよ。細身の方から大柄な方まで、どなたにもフィットするように調整できます。

IMG_0289

すっ、すみません・・・ホコリだらけで・・・。この、一番左側の左右にぽっちがあるスイッチですね。

サイサポート

「サイド」ではありません。「サイ」サポートです。タイポではありません。「サイ」とは太もものことですね。

これは、いわゆる巷のスポーツシートのように太ももの横が盛り上がっているというのではなく、座面が延長できるんですね。これは電動ではなく、座面前端にあるレバーを引きながら調整します。

IMG_0286

この中央にあるプラスティックのレバーをつかんで上に引き上げると・・・

IMG_0287

座席前の部分に少し隙間が空いているのがお分かりでしょうか?この部分が前にスライドします。

スポーツシートのメリット・デメリット

まずはメリットから。

メリットは「しっかり体を支えてくれるので、リラックスできて疲れない」、これに尽きます。

サイドサポートが思ったより効果的でして、これが緩いカーブならあえて踏ん張らなくてもしっかりと体が倒れないように支えてくれるんですね。これは長距離乗ると効果絶大です。

また、力を抜いてリラックスしても姿勢が崩れませんので、これも疲労軽減に効果ありだと思っています。

これはどういうことかというと、よく見かけますが、力を抜いて中央のアームレストに寄っかかっているのか、真ん中寄りに体が倒れている方、多いですよね。あの体勢は一見楽そうですが、実は体に結構負担がかかります。その結果腰が痛くなったりするんですよね。スポーツシートはまっすぐ座るようにできているので、そのようにはなりません。

また、サイサポートの効果も見逃せません。上の写真でお分かりかと思いますが、私は若干出しています。この「若干」がすごく効くんですよ。

椅子に浅く座るよりも、深く座る方が疲れませんよね?試しに家具売り場などで座面が浅いソファと座面が深いソファを座り比べてみてください。座面が深いソファの方が体が包み込まれるような感覚がして、体重をうまく分散して預けられていることが実感できるでしょう。

サイサポートも同じです。膝裏に当たらない程度に前に出すことで座面が深くなり、体をシートに預けられるようになるんです。この時、シートポジションが前下がりになっているとずり落ちていきますので、前上りに設定して、腿の裏全体と腰、背中の下部までに体重を預けるようにするとすごく楽です。

もちろんデメリットもあります。

そうはいっても標準シートはサイドサポートがない分、やはりゆったりしていますよね。試乗などで久しぶりに乗ると、やはり開放感に包まれます。さらに、サイドサポートは結構張り出しているので、乗り降りの際には正直言ってちょっと邪魔です。

そして、いくら「力を抜いてもまっすぐ座れる」と言っても、やはり長時間乗っていると、特に渋滞の時などには体勢を変えたくなりますよね。これがあまり自由にはできません。

また、運転者はそのようにバッチリ支えられていても、後席に乗る家族はそのようなサポートがないので、その分を考慮して早め早めに休憩を取ってあげなければいけませんね。

どっちが「良いシート」か?

私のオススメはズバリスポーツシートです。ですがこれは本当に好みの問題ですので、何回か試乗してお好きな方を選べば良いと思います。ですが問題はシートで選ぶとグレードまで必然的に決まってしまう点。中古で前期型を購入される方の方がまだ選ぶ余地があるなんて、変な話です。

ですので、1時間くらい乗ってみて、窮屈だとか体が左右にぶれるとか不満がなかったら、それで十分だと思いますよ。基本設計がしっかりしているので、標準シートだって快適です。サイドサポートだって、スポーツシートほどではありませんけどありますし、座面も十分な深みがありますから。

個人的には、適切なドライビングポジションを取ることが結果として疲労も軽減すると思っていますので、試乗の際にはしつこいくらい微調整をしてポジションを合わせてから評価されるといいですよ。

ドライビングポジションが大事!

「腰が痛くなるんですけど・・・」

それでも腰が痛くなる!という方は、どちらのシートにしても少し深めに座って、シート後端下げ・シート前端上げにして背もたれをちょっとでけ立ててあげるといいかもしれません。腰が痛くなるという方の座り方を見ていると、大抵ちょっとずり落ち気味になって、腰が曲がっているんですよね。深く座って骨盤を立てて、上でも申し上げた通り腿の裏と背中の下の方に体重を分散させることを意識してみてください。

私自身、昔椎間板ヘルニアをやってしまった腰痛持ちなのですが、少なくともこれを意識して座ると痛くなりませんよ。夏の東京〜出雲大社間のドライブでも全然平気でした。

ランバーサポートというオプションもあるにはありますが、個人的には値段が高すぎると思いますし、在庫車では中々ついていないようです。なので注文になってしまうのですが、そうするとお値引きにも影響してくるので避けたいですよね。どうしても腰の後ろの隙間が気になる方は、これを挟めばいいのではないでしょうか?

・・・高いですね。さすがテンピュール。ですがもっと小さい、腰に挟むだけのものもあります。

これ、実は私も一時期使用していました。別件で腰を痛めたときに運転席で使いましたが、今はクルマの中では使用していません。これ単体で当てる位置の高さも調節でき、ゴムが付いているのでシートからある程度はずれないようにできます。テンピュールのぬる〜っと沈む感触が気持ちいいですが、少し大きかったですね。で、一番オススメはこれです。

ですがこれだけだと固定できませんよね?ご安心ください。ちゃんとクルマの中で使えるようなのが売っているんです。

このくらいのお値段なら、ランバーサポートをオプションで選ぶよりずっと安くつきますし、クルマを乗り換えても使えますからいいですよね。

最後に

現在の私の愛車が納車された時、Toto BMWのご担当のUさんがぽそっとつぶやきました。

「pontaさん、前もデザインラインのスポーツでしたけど、やっぱりこれが一番疲れないですよね。アシは固まってないから乗り心地よくって、シートはスポーツシートだから体はしっかり支えられて・・・」

恐らく、デザインライン スポーツの売上比率が思ったより低いことを念頭に置かれた発言だったと思いますが、私も全く同感です。

では、今回はこの辺で失礼します。ありがとうございました。