当ブログのタイトルを見て。「え?家族で3シリーズ?狭いんじゃない?」と思われるかも知れません。ですが、3シリーズセダン・ツーリングに限って言えば、Dセグメント随一とも思える快適性と実用性を兼ね備えているんですよ。
BMW=「駆け抜ける喜び」だけじゃない!
BMWのキャッチフレーズといえばあまりに有名な「Freude am Fahren(フロイデ・アム・ファーレン=駆け抜ける喜び)」というのがあります。
これがBMWのスポーティかつ都会的なイメージとマッチしすぎていて、ともすれば享楽的で実用性は二の次と考えられがちなBMWですが、実は実用性の点でもピカイチなのは知る人ぞ知る?!特徴だと思います。
結構真面目に煮詰められているんですよ。
後席居住性
ドイツ御三家のライバルと比較してみましょうか。まず、前提としてボディサイズの全長は
3シリーズ | 4645mm |
Cクラス | 4690mm |
A4 | 4735mm |
ちょっとA4は大きすぎですよね。
もちろん、後席の居住性がこの順に高いのは当たり前のことです。特にA4はこの中では最後発だけあって、非常に上質な室内でした。が、私がショールームで後席に座った限りでは、シートの座面が低いので、座った時にその分足元スペースが狭く感じました。
BMWはというと、これはE90でもそうでしたが、後席は全席よりも若干高めの位置に座るようになっており、結果として足元のスペースが不足しません。さらに座面も深め、かつ背もたれの角度も立ちすぎず寝すぎず、ちょうどいいですね。そのおかげで窮屈だったり、前に頻繁にずり落ちるといったことはありません。また、表面は適度に柔らかいのにコシがしっかりしているという、非常に座り心地の良いシートです。
全長が短い分、座面を上げることで足元の広さを稼ぎ、数値以上の快適性を実現しています。私は知人の運転する320d M Sportの後席に座ったことがありますが、本当に居心地が良かったですね。
メルセデスは、新型Cクラスは試したことがないのでわかりませんが、先代Eクラス(W212/213)では座面が浅くて比較的低い位置に座り、しかも背もたれが立ち気味なので、体が無理やり折りたたまれるような感じを受け、窮屈です。数値的にはEクラスの方が足元は広いはずなのですが、全くそう感じません。さらにシートはメルセデスの特徴としてあくまでも硬く、本当にどこまでも硬いので、ちょっと私の好みではありません。もしかしたらその方が疲れないのかもしれませんが・・・。
天井高は、大きなドイツ人に合わせているので、大抵の日本車よりも高くて開放感があります。強いて言えば、アウディは若干低めに感じましたが、それでもまあ、無視し得るレベルです。
トランクスペース
これが一番の驚きなんですよね。多分、世間一般的なイメージとしてはCクラス>3シリーズ=A4だと思うのですが、ボディサイズだけあって、A4が一番広いんです。アバントで505L、セダンは480Lあります。
そして次点はCクラス・・・ではありません!3シリーズなんですよ。ツーリングの荷室容量は495L(セダンは480L)。ボディサイズの割に健闘しています。
そして実は一番狭いのがメルセデスなんです。ステーションワゴンで490L(セダンは480L)と、若干ですが3シリーズに劣るんです。
まあ、セダンでは3車とも同じ容量、ツーリングはA4が頭一つ抜けているとはいえ大きな差ではないと考えると、全長が一番短く、かつFRと考えると3シリーズはかなりいい線いっているんですよね。まあ、以前記事でも書いたように、アウディのスペース効率が悪過ぎるのではないかというのはありますが・・・。
そしてこの中で唯一3シリーズだけがリアシートが40:20:40の3分割の可倒式なのもポイントが高いですよね。細かく調整ができますし。4人乗って真ん中だけ開けて長尺物を積むとかもできますから。
※2016/9/3追記:メルセデスのCクラスも40:20:40の分割可倒式である旨ご指摘を受け訂正致しました。桂様、ありがとうございます。また、間違った情報を記載したことを深くお詫びいたします。
また、リアウィンドウだけを開けられるのも3シリーズだけです。ラゲッジルームの使い勝手の良さと実力はこちらでも記事にしているのでご参照ください。
その他のポイント
電動テールゲートとガラスハッチ
これはツーリングに限った話になってしまうのですが、以前乗っていたセダンからツーリングにして良かったと思うのが、この電動テールゲートです。
セダンでもあの、バンパーの下で足を振ってトランクを開ける「スマートオープン」はありますが、ゴムパッキンとトランクリッドが固着して結局開かないということが多々ありました。今は改善されてちゃんと開くようですね。
これがツーリングですと、電動ですので「必ず」開くんですよね。ちょっとコツは必要ですが・・・。こちらで100%成功する方法を記事にしていますのでご参照ください。
また、一応テールゲートの開度も調整できます。調整の仕方は、まず「設定」ボタンを押して「メインメニュー」ー「設定」を選んで・・・
「テールゲート」を選びます。わかりやすいですね。
デフォルトではこのように100%オープンの設定となっています。
半分くらいに設定したところです。
これはスマートオープンで開けた時や、リアナンバープレートの上にあるオープナーを手でぐりっとつかんで開けた時、運転席右側足元近くにあるオープナーで開けた時で、途中で手で止めるようなことをしなければこの図のところまで開きます。
逆に途中で手で止めることもできます。・・・というわけでイマイチ私はどういう時に使えばいいのかわかりません(汗)。だって、半分くらい開いたって荷物にアクセスできないじゃないですか?強いて言えば後ろに積んだ荷物の中にしまったはずのものを探しているんだけど雨が降っていて・・・という時ですかね?その時だって100%オープンでいいと思うんですけど・・。後ろが狭い時ですか?それならガラスハッチだけ開ければいいですし・・・。
一応このように調整できるのは評価できるのですが・・・どなたかいい使い方教えてください(泣)。私は頭をぶつけてしまうのでいつも100%に設定しています。ぶつけると相当痛いですよ。
まあ、いずれにしてもボタンひとつで自動で開閉するのは気持ちいいものです。セダンは3シリーズですとオプションですら選べないんですよね。ちなみに5シリーズはオプション、7シリーズは標準ですが。
リアウィンドウが全開になる。
これは私がE90で初めてBMWに乗った時に大いに感心したところで、今回声を大にしてアピールしたところです。
今のクルマって、リアウィンドウが全開になる方が珍しいですよね?私は後席に座ることはないとはいえ、すごく気になっていたんです。そう、それこそ後席に座っていた子供の頃から。
なぜなら、私、ここでカミングアウトしますが、子供の頃クルマに酔う子だったんです。高速道路とかは大丈夫なのですが、山道はダメでした。
酔った時にせめて窓を開けて風に当たれば、と思っていつもそうしていたんですが・・・下にちょこっと開かないで残っている窓が邪魔で邪魔で仕方なかったんです。死ぬかと思うくらい気持ち悪い中だったので、もう腹が立って腹が立って仕方ありませんでした。クルマを作る人は私のような子供のことは考えていないのかと恨めしかったです。
このようなトラウマがあるので、この「リアウィンドウが全開になる」というのは、今や自分では使わないとはいえ、すごく嬉しかったんです。結局ウチの子供は酔わないのでメリットがあるかと言われれば、現状ではありませんが、酔いやすいお子さんのいる家庭では結構大事なポイントだと思います。
もうちょっと頑張って欲しいところ
今までは褒めてばかりですが、それでももうちょっと・・・というところはあります。
前席ドリンクホルダー
別に場所的なものとかはいいんですが・・・後期型では改良されていますが、前期型では蓋を外さなければいけないんですよね。この蓋、グローブボックスの上面にわざわざネットがあってそこにしまうようになっているのですが、超絶邪魔です。車検証だけで精一杯のグラーブボックスなのに、何かの拍子に車検証入れを出してまたしまうときに99%引っかかります。大体、ドリンクホルダーなんて必ず使うのに、蓋いらなくないですか?小物置きになるように気をつかったんでしょうけど・・・スライド蓋になっている後期型が羨ましいです。
蓋をしていても、ペットボトルであればドアポケットにいれられるようになっていますが、れは必要ないですね。だって、一々ペットボトルの蓋を閉めなければいけないじゃないですか?
よく言われる「小物入れが少ない」
確かにそうです。センターコンソール・グローブボックスなど、もう少し要領を大きくしてもらえると助かります。
が、私は慣れてしまいました。むしろ置くところがないことを前提に、肩がけバッグに整理して入れてから乗り込むようになりましたね。
あとこれもよく言われる「赤外線カットガラスじゃない」
これは代替手段としてリア3面はグレーのフィルム、前席横は透明の紫外線カットフィルムを貼っているので、個人的には気になりません。赤外線カットガラスだと、せっかくのお気に入りのカーナビタイムのGPSの感度が悪くなってしまいますしね。
むしろエアコンはもうちょっと強力なものを入れてもいいのではないでしょうか?猛暑日に限って言えば、効きが十分ではありません。まあ、当たり前なんですけど。
総合的には「さすが」の居住性と快適性です。
さて、ここで冒頭に掲げた命題に戻りますと。「家族で3シリーズ?ちょっときついんじゃない?」という疑問に対して、家族で使用しても十分快適かつ実用的、というのはわかっていただけたかと思います。
以上、ミニバン全盛のこのご時勢、Dセグメントはともすれば冒頭のように思われがちなので、主に居住性の観点からの快適性と実用性にスポットを当ててみました。
では、今回はこの辺で失礼します。ありがとうございました。