今年も年末の渋滞予想が数日前に発表されましたね。今から規制のことを考えて気が遠くなってらっしゃる方も多いのではないかと思いますが、私は今年の渋滞予想を見てちょっと違和感を覚えたんです。なぜかというと・・・
たったそれだけ?!
タイトルで書いてしまっていますが、私が渋滞予想を見て思ったのは「え?!たったそれだけ?」なんです。
実際にどう報道されているか見て見ましょうか・
年末年始 渋滞予報ガイド
あなたはどう思いましたか?これ、見にくいようでいて、自分の目的地別の渋滞予報がわかるので意外と見やすい部分もあるんですが、ざっと見渡して各区間の渋滞長を見てみると、最大でも渋滞の長さは1/2の関越道登り高坂SA付近及び東名高速大和TN付近の35kmです。
そして実際にニュースなどでもそう言っていました。それを耳にした時も「あれ?その程度?」と思いましたが、気に留めていませんでした。でも、よーく考えたらどう考えてもおかしいです。
だって、今度の年末年始って、結構日の並びが悪いですよね?サラリーマン的に見ると。私のようにカレンダー通りきっちり営業する職種ですと、30日が土曜日で儲けもの、というくらいで、大晦日が日曜日、そして月火水と休んだらもう出勤です。
こうなると、意外と年末年始の休暇に入るのも遅く、開けるのも早いのでもっと交通が集中するはずなんですよね。
と思ったらやっぱり!落とし穴がありました。
連休とかだとそのくらいはいつも渋滞している気が。
正直申し上げて、私のイメージですとちょっとした連休でもあの辺りってそのくらいは混んでいるような気がします。しかもちょっと私の感覚と違うのが、関越よりも東名の方が時間がかかっているということ。これ、逆では?と思ったくらいです。
そして、ここであえて私が一見見にくそうな地図でご案内しているかというと、訳があるんです。
先ほど上であげた、もっとも混雑する1/2の上りの東名高速をご覧ください。地図の脇に書いてあるピーク時間と渋滞長だけでは見えてこないことが見えてきます。
すると・・・先ほど私が申し上げた東名高速大和TN付近の渋滞は左上15の枠で説明されています。ですが地図の方を見ると・・・あれ?15・16・17って連なってませんか?17は新東名ですけど、枠の方を見ると御殿場JCT付近と書いてあるので、東名の方も影響を受けるはずです。
ということは。
仮に新東名から東京方面にアプローチすると、御殿場JCTの手前から大和TNを抜けるまで15・16・17とずーっと渋滞していることになりますよね?その渋滞長、それぞれの長さのピーク時を単純に足して見ると・・・なんと実に70km!一瞬、いや流石にそれはないだろ、と突っ込みたくなるほどの渋滞長です。
ですがこれ、ひとまとまりの渋滞として表示されることがないんですよね。経験あるかもしれませんが、カーナビで案内をしてもらっているときに、「渋滞5km」と言われて現場に到着して見ると、5kmどころではない渋滞に見舞われることって、ままあります。
渋滞の定義って、一般道と高速道路で違っていて、高速道路では「時速40km以下で低速走行あるいは停止発進を繰り返す車列が、1km以上かつ15分以上継続した状態」を言うそうなんです。高速道路で40km/hで流れたらもう渋滞ではない・・・これってドライバーの感覚と大分ずれていますよね?私は高速道路上では、40km/hをちょっと上回るくらいの状態でも「渋滞している中でちょっと流れた」くらいの感覚で、渋滞が終わったとは到底思えません。ですが現実問題として上記のように定義されているので、45km/hくらいで16分流れたらもうそれは渋滞ではなくなるんですよね。
そうなんです。少しでも流れている区間があったら一旦渋滞はそこで終わりとされてしまうんです。
だから渋滞末尾の追突がなくならない。
例えば、走行していて「渋滞5km」と言う表示を見たとします。すると、普通は「あ、この先渋滞しているんだ。じゃあ追突しないように気をつけなきゃ。」って思いますよね。そして5km走ったら「やったー!渋滞終わりー!」って加速しませんか?
はい、そこで周りにクルマがいながらも、みんな同様に加速したとしましょう。ですが、もし今回ご紹介した年末年始の渋滞予報が本当であるなら、またその先ですぐ渋滞しているんです。もし、そこが電光掲示板がない区間だったらどうします?感覚としては、「高速道路で渋滞が終わったから加速していたら、いきなり渋滞車列の最後尾が目の前に現れた」と思っても仕方ありません。
カーナビをつけていれば「この先、渋滞です」って教えてくれるじゃないか、と言う方もいらっしゃるかもしれません。ですが、さっきまで渋滞していたんですよ?帰省中ですよ?子供がいる方は、ぐずる子供対策としてDVDを見せたりしてカーナビを表示していないこともあるのではないでしょうか?
その結末としては・・・末尾にどかーん!ですよね。運転中は運転に集中すべし!と言う大原則がありますが、追突する方だって追突しようと思って運転しているわけはないんです。ちょっとくらいならDVDの表示のままで大丈夫、という軽い気持ちと、情報の曖昧さが相まって事故が起こるのだと思います。
私もかつては、「なんで渋滞末尾に追突するのか、意味がわからない」と思っていました。昨今の渋滞中の周りのクルマを観察していると、圧倒的にDVDやテレビを見ているクルマが多いのでそれが原因かと思っていましたが、それだけではない、渋滞表示の曖昧さも原因の一つではないか、と気づいたんです。
答えを知っている数学の問題はなんとなく解ける。
これも免許を持っている年齢の方であればご経験あるでしょう。先に回答だけ知っていれば、数学とかのわからない問題でもなんとなく回答の方から遡って解けてしまったりしませんか?
ですから、渋滞に関しても同じです。先に回答を渡してしまえばいんですよ。例えば、上記の東名高速の場合ですと、御殿場JCT手前で、「ここから大和TNまで断続渋滞70km 〇〇分」って。そうすれば、ドライバーは大和TNまでは、例え少し流れても、確実にまた渋滞する、ということを念頭に、追突に気をつけて運転するでしょう。
答えを知っていれば適切に行動できると思うんです。いかがでしょう?高速道路会社関係の方、ご検討いただけませんでしょうか?もしかして、渋滞長があまりに長くなると高速道路に乗る人が減って、周辺道路が混雑することで苦情が来る、とか或いは収入が減るから、とかそう言う理由があるのかもしれませんが、一応我々も高速道路を料金を払って利用している「お客様」だと思って、少しサービス向上のことを考えてはいただけませんでしょうか?そのほうが結果として事故も減って、高速道路会社の手間も減ると思うのですが・・・。
高速道路は順調に流れている時よりも渋滞の方が危ない?!
これは極端な言い方ですが、私の持論です。
高速道路らしい速度で流れている時って、やはりみなさん運転するにあたって最低限必要な緊張状態を維持し、周囲のクルマに注意を払っています。それはそうですね。その速度域で何かあったら対処は極めて難しいですから。
ですが、渋滞で低速になるとみなさん一様に気を抜くようです。私が今まで見た中では、思いっきりハンドルから手を離して頭の上で手を組んでいる方もいらっしゃいましたね(笑)。
いや、笑い事ではありません。あれだけ周り中にクルマがいて、しかもそれぞれ低速とはいえ動いていて、さらにさらに周辺のドライバーは高確率でイラついている状況で、よくあそこまで気が抜けるなと思います。
私なんかは疑り深いので、右前のクルマがちょっと左寄りを走っていたりすると、「ん?こっちの車線に割り込んでくるかな?」などと考えて、頭の中で処理する情報量が一気に増えます。その結果、渋滞ではかなり消耗するんですよね。そんな私ですから今の愛車に装備されているACCの存在は嬉しいです。前のクルマに続いて微妙な加減速を自分でやらなくていいだけですごく楽になりました。これだけでも相当疲れますからね。
これに比べたら高速巡航中なんて楽なものです。十分な車間距離さえ取っておけば、多少割り込まれても余裕ですし、前のクルマが微妙な加減速を繰り返したって自分はそう近づかないので、調整する必要がありませんし。
私が「高速道路は渋滞の方が危ない」と言う理由、なんとなくわかっていただけましたでしょうか?
渋滞の中でこそ気をつけなければいけないと言うドライバーの意識も大切ですが、それより何より、やはり情報を正確に持っていて先の見通しを建てられると言うのは長距離ドライブでは大切なことです。ここはやはり、どう言う事情があるにせよ、正確な情報開示が事故減少に繋がることを考慮して、各高速道路会社には渋滞表示の仕方を工夫していただきたいですね。
では、今回はこの辺で失礼します。ありがとうございました。