過去の記事でも高速道路の一部区間で制限速度が引き上げられることを話題にしましたが、最近の事故の報道と、今回の長距離ドライブ旅行で改めて感じたことがありますので、御紹介します。
まずは2017年以降、試験的に110km/hに引き上げ。
Wikipediaを見てみると、なんだか最初に聞いた話と違ってきているようですが、まずは御殿場JCT〜浜松いなさJCT間の新東名の制限速度が110km/hに引き上げられそうです。
これでスピード違反の点数や罰金が減る!と喜ぶのは早計で、今度は違う違反が取られる可能性があります。
今回、私が帰路に新東名を走った時の話はすでに御紹介しました(「燃費も思うように伸びず、帰路は大変でした・・・。」)。この時のトラックと、追い越し車線を吹っ飛んでいく乗用車との速度差は、今思い返しても怖いです。本当によく事故が起こらなかったと思います。
昨今、トラックが渋滞車列の最後尾に突っ込む重大事故の報道が続きましたね。名阪国道と、第2神明の件です。
これは自然渋滞でちょっと違うのかもしれませんが、そもそも自然渋滞が起こるメカニズムって、ご存知ですか?
道路側の要因もありますが、一言で言うと、「渋滞の先頭付近で、走行しているクルマのスピードが落ちる」ということに集約できると思います。これは気づかないほどの上り坂で自然とスピードが落ちているケースや、遅いクルマに詰まってブレーキを踏んで車間を超世うすることにより生じます。前者は有名な渋滞スポットとなりますが(例えば東名高速大和TNや関越道花園IC付近など)、後者を原因とする渋滞は不規則にどこでも起き得ますよね。道路の原因ではないですから。
何を言いたいのかというと、制限速度が110km/hに引き上げられる→トラックとの速度差が大きくなる→追い越し車線を連なって走っていたクルマがブレーキ!→渋滞発生、となるわけです。先の申し上げた通り、これは特に有名な渋滞スポットでなくとも起こりますから、「いつもは渋滞していない」箇所で渋滞する→警戒していない→最後尾への追突が増える、ということが容易に予想できるんです。
上記は極端かもしれませんが、夏休みであることと、トラックが渋滞末尾に追突する重大事故が連続したのは無関係ではないと思っています。つまり、普段運転慣れしていない人が車間を十分取らずにブレーキを踏んで渋滞発生→いつもは渋滞していないところでも渋滞が起きていることから無警戒で最後尾に突っ込んでいる、というわけです。
ですので、追い越し車線を流れに乗らずに走るクルマは渋滞の原因ともなり、ひいては事故の遠因ともなりうるわけですね。
そうすると、取締りの矛先は、「通行帯違反(高速道路で追い越しをしていないにも関わらず追い越し車線を走り続けてはいけない)」を犯しているクルマに向くわけです。
冒頭で述べた「違う違反」というのは、スピード違反ではなく、この通行帯違反のことです。
既に一部では厳しく取り締まっているようです。
私の知っている範囲ですと、東名高速などの混雑する高速道路では、この通行帯違反の検挙は厳しく行われているようです。
特に夏休みは、普段運転していない方が運転する機会が多いので、警察の方もパトロールを強化しているためでしょう、この違反で検挙される方がいるというのを耳にしますね。私も直接の知り合いがこれで捕まったことはありませんが、話には聞いたことがあります。
私が帰ってくるときも、新東名でようやく安住の地を見つけて100km/hで巡航していて、前後にしばらくクルマがいないという安全な状況を満喫している時に追い越して行くクルマの殆どが走行車線に戻りませんでした。はっきり言いましょう。違反だから戻れ、と言っているのではなく、上述の通り渋滞や事故の原因となり、迷惑なのでやめて欲しいんです。ドライバーとしては恥ずべき行為だと思います。
ただ、お気持ちはわかります。自分が圧倒的に早いのに、いちいち走行車線に戻るのが面倒くさい、あるいは走行車線を走って自分が遅いと認めるのはプライドが許さない、といった方もいらっしゃるでしょう。
ですが、よほど頻繁な車線変更をしなければいけない場合を除いて、ちゃんと走行車線に戻り、適正な車間距離を取って走れば渋滞も発生しないかもしれないんです。150km/hで吹っ飛んで行って渋滞するより、100km/hでずーっと走り続けた方が燃費もいいですし、何よりその方が結果的に早い上、疲れません。
私が走行車線に戻っている目安
十分な車間距離を確保できることが条件なのはもちろんですが、大体1台追い越して、走行車線に入ろうかとしたところから10〜15秒は次の車に追いつくまでにかかりそうだと判断したら走行車線に戻っています。たったの10~15秒?と思われるかもしれませんが、結構長いですよ、この時間。速いクルマに追いつかれて後ろで待っているとすると、このくらいでも結構イライラされます。まあ、私はバックミラーを頻繁に見ているので、速いクルマが来るのが見えた時に左が空いていれば、先ほどの10秒ルールにこだわらずさっさと左に避けて行かせています。
これ、アウトバーンで学んだんですよ。新東名も相当吹っ飛んでくるクルマが多いですが、正直言ってアウトバーンの比ではありません。200km/hで走っているのに後ろにピタリと付かれる時の恐怖と言ったら半端ではありませんでした。つまり、さっさとどかないと命に関わるんですよね。
これからは新東名もアウトバーンほどではないものの、似たような環境になるでしょう。ということは、きっちり走行車線を走らないと命に関わる事態になるんです。
車線変更が苦手なんであんまりやりたくないんです、と行って右側を走る方もいらっしゃるようですが、これまたはっきり言わせていただきます。冗談ではありません。しっかり車線変更ができるようになってから高速道路を、いえ、道路を走ってください。周りが避けてくれる、という考え方は絶対にやめてくださいね。
高速道路だからこそ。
高速道路って、本当に便利です。
今回だって、東京から出雲までずーっと高速道路が伸びているからこそ旅行を楽しめたのであって、もし米子道だけでもなかったら相当大変だったと思います。
高速道路って、急カーブもなければ信号もなく、歩行者や自転車などもいないので楽チンです。でも、一般道とは桁違いにスピードが出ているので、一度事故を起こしたら常に重大事故になるんですね。
そうはいっても私は高速道路では結構緊張感を持って運転しています。常に周りの交通に気を配り、自分の置かれたポジションを認識しながら、です。高速道路って、そういうところだと思っています。
そして、これは日本的な「移動リビング」のようなミニバンばかり作り続けた自動車メーカーにも罪の一端はあると思うのですが、運転に集中したくなくなるようなクルマが大半なのが現状です。「リビング」のような室内にいると忘れがちですが、クルマの運転って極めて社会的に責任の重い行為です。
ですのでこれはもう、逆にドライバーの方でモラルを高めていくしかないですよね。全員で協力し合って走行して、安全で楽しい夏休み旅行を満喫しましょう。
え?あんたはもう終わっただろうって?いえいえ、週末はまだまだお出かけしますよ。だって夏休みですから。ってもう出勤していますが・・・。
では、今回はこの辺で失礼します。ありがとうございました。