ショッキングなタイトルですが、これは「日本の常識に照らして考えると」ということであって、ヨーロッパにおけるクルマ文化の成熟度合いを示していると個人的には思います。ですが選ぶ方にとってはたまったものではなく・・・今日はどういったことなのか、ご紹介したいと思います。
思い描いた夢は幻想だった!
私も、オランダ転勤と聞いて「じゃ、ヨーロッパ車は安いでしょ♪」と浮かれていましたが、それが異常なまでの生菌の高さにより幻想に終わったことは前回記事でも触れました。
じゃあ中古車は?流石にそう高くはないでしょ?と思って、それこそネットでオランダで中古車を購入した方のブログを拝見したりしていましたが・・・うーん、どうやらこちらも幻想に終わるのかな・・・という嫌な予感がしていました。
そして、本格的に探し出したのが、以下のサイトです。あ、当ブログの読者様ですとリンク先でそのまま長時間見続けて当ブログにお帰りにならないのでは・・・という心配があるのですが・・・戻ってきてくださいね。
まあ、他にも中古車サイトはあるのですが、情報過多になってもかえって選びにくいだろうと思い、一つに絞ったわけです。ちなみにこの記事のトップ画像はこのサイトのトップのスクリーンショットです。
ですが全編オランダ語。これはGoogle先生の力を借りて翻訳しながら見なければさっぱりわかりません。どうやら「Automaat」というのがATのことのようだくらいは最初からわかりましたが。
あと、個人的に面白かったのが、「Elektrische ramen」ですね。「Electrische」はなんとなくわかります。何かが電気的なんですね。でもその次の「ramen」って?電気ラーメン?!いや、ラーメンだけ訳してないだろ、と自分に突っ込みつつ調べてみると・・・「ramen」は「窓」、つまりパワーウィンドウのことなんですね。ほっ。一瞬、食べるとビリビリと電流の刺激が走るラーメンを想像してしまいました。
それはいいとして。
€1=130円で換算するのが面倒な方に、€15,000が大体2,000,000円くらいとお考えください。あ、あと数字の表記で、「.」がコンマで「,」がピリオドに相当します。つまり、一万ユーロ(あえて日本語表記にします)は「€10.000」と書いてあります。
いかがでしょう?あなたが「おっ!これならいいな」と思ったクルマ、おいくらでしたか?そもそも、「おっ!」と思うクルマ、ありました?
このように聞くのは理由があります。私が特に衝撃を受けた点2点をご紹介しましょう。
半端ない走行距離
BMWなどを探していると、とにかく走行距離がいったクルマが目立ちますよね。しかも、日本的スケールでは測りきれません。100,000kmオーバーなんて当たり前、200,000kmも普通、300,000kmや400,000kmオーバーのクルマもあります。
日本なら確実に廃車になっていますよね。しかも、過走行車ということで中古車としての値段がつかないくらいまで行くのでは?なんて思ってしまいます。
そして、こうした「半端ない走行距離」のクルマに、新車時に低価格帯に属するクルマがほとんどないような気がします。つまり、メルセデス・BMW・アウディといった、いわゆる高級車や、アルファなどの趣味性の高いクルマが多いです。ルノーメガーヌなどもありますが、そのようないわゆる「下駄グルマ」はあまり目立たないという以下、極端な低価格になっています。
私は限られた滞在期間なので当然中古車を狙おうとしていましたが、買ってからお金がかかることを暗示しているほどの低価格車はさすがに勘弁です。
ここで遅ればせながら私の中古車選びの候補の考え方は、
- できればBMW3シリーズ、F31
- でなければ、それに匹敵する大陸移動の実力と余裕を兼ね備えているクルマ
- 日本から両親などがきた際に、大型スーツケースを余裕で積みこめるクルマ
- ボロくても赴任期間として見込まれる2年持てばいい!
ということです。
まあ、中古車相場を見ていると、1.の条件は到底無理なことが見えてきました。そもそもF系ですと200,000km行ってないとなると€20,000でも中々いいクルマがありません。
うーん。どうしましょう。
じ、事故車でもそんな値段がつくの?!
もう一つ、私が驚いたのは、このタイトル通り、「事故車でも値段がついている」ということです。
ちょっといまは探せませんでしたが、私が必死で中古車探しをしていた時は、レンジローバーの、フロント部がザックリと逝ってしまったクルマですら€12,000くらいの値段がついていました。他にもプジョー208とかでもありましたね。
事故車買ってどうするの?!
いや、当然修理して乗るんでしょうけど、それにしても驚きです。普通はオーナーが自分の保険か何かで修理して乗りますよね?ですが、こちらの自動車保険の制度というか習慣を考えるとさもありなんと思いますね。これはまたの機会にご紹介します。私はこれで随分と苦しめられました。いや、直接保険のことではないのですが。
まあ、ですがこの事実は私にとってはある意味で一縷の望みを抱かせました。要するに、私がある程度のボロを買って2年間乗り回しても、ある程度のクルマを買っておけばまた帰りに売るときにそれなりに値段がつくことが期待できる、ということです。
閑話休題:こちらでよく見るクルマ
まだこちらで暮らし始めて2週間くらいしか立っていませんが、それでも街中を走るクルマを見ていて色々と気づいたことがあります。閑話休題ですが、この経験も中古車選びに大いに寄与しましたのでご紹介しておきますね。
おっきな体でちっさなクルマ
よく、オランダで生活する方のブログを見ていると、「世界一平均身長が高いオランダ人なのに、みんな小さなクルマに乗っている」と書いてあります。
これは、半分本当で半分嘘だと思います。思うに、こういう方は日本でも都市部でしか暮らしたことがないのでは?と思います。
少なくとも、オランダでも大きなクルマはそれなりに人気です。特にレンジローバーが日本に比べると多い気がします。イヴォーク、スポーツ、無印レンジローバーなどなど、本当によく見ます。
小さなクルマも多いです。スマートやVW Up!やポロ、ルノークリオ(ルーテシア)なんかが多いですね。他にもVWグループの別ブランド、SEAT(セアト)やSKODA(シュコダ)なんかもよく見ます。
ですが、これは通勤用もしくは奥さん用というのが一般的なようです。
その証拠に、高速道路に乗ると、確かにそのまま小さいクルマも走っていますが、基本的には日本と同じくらいのクラスの車が目立ちます。それが欧州車になるので、アルファのジュリエッタやVWゴルフ、ジェッタ、パサート(多いです)、それにアウディA4(多いです)、A6、メルセデスA/C/E(CとEはめちゃめちゃ多いです、一番多い)/GLA、BMW3(多いです)/5といったクラスのクルマが多いです。
古いクルマでも綺麗にしてる!
こちらで見るクルマは、日本で見る同じクルマよりも格段に綺麗にしています。
例えばE90の3シリーズ。日本だとくたびれた感じのクルマも見かけますが、こちらではE90なんてまだまだ新車です。ぴっかピカにして走っていますよ。それだけに中古でも激高ですけど。
これは、オランダ人がクルマを非常に大切にする方が多いのだと思います。私も、「そういえば洗車とかどうするんだろう?」と思って調べて見たところ、洗車場があって、流れ作業で綺麗にしてくれるところが一般的だそうです。例えばこんなところ。
私も所用でオフィスの前からタクシーを拾ったら、運転手さんが「今そこのLoogmanで洗車してきたばっかりなんですよ!」とニコニコしていました。確かにシルバーのメルセデスEクラスは眩いばかりに輝いていました。まあ、最新のW213だったのでさもありなんですが(笑)。
総合すると「クルマは丁寧に整備し、まめに綺麗にして、大事に乗る」
これがオランダの方々のクルマに対するスタンスのような気がします。上でご紹介したAutoscout24でもそうですが、基本的に整備簿はきちんとついているクルマばかりですし、パーツ交換などはまめにやっているようです。
そしてカーウォッシュですよね。安い値段ではないものの、そこまで綺麗になるのであれば試して見たいと思わせるほどです。
そうして手塩をかけて手入れした車を乗り倒す!いや、乗り倒すというと聞こえが悪いですが、本当にオランダの人は陸地が続いている限りはクルマで走っていくそうです。場所によってはヨーロッパで発達しているLCC(easy jetとかTransaviaとか、本当に安いです。夜行バスかというくらい)の方が安上がりなんじゃないかと思うのですが、それでも現地での足とかを考えると、高速がタダな分、クルマが一番経済的な移動手段なんでしょうね。
クルマ社会の真髄のいったんに触れた気がします。
で、何を選んだの?
上記のことを考慮して、悩みに悩み抜いた・・・というか必然的に選択肢が少なくなってしまったので逡巡しただけですが・・・まあ、これかな、という1台を選びました。
で、何か?それはまだ秘密です(笑)。
実はまだ私の手元に来ていない・・・というか受取りに行けてないんですよ。保険だとか色々な問題を乗り越えるのに時間がかかっていまして。
間も無く受取りにいけるはずですので、その時は撮影した写真とともにご紹介したいと思います。
さて、次回の記事はオランダでクルマを買おうと思ったら意外と面倒だった!という顛末をお伝えします。次回はまた、レンタカーが登場しますので、少しその印象もお伝えしつつ、実際に買うときにどうだったかをお伝えしてまいります。それ以外に、クルマを所有するにあたって準備したことも少々。
では、今回はこの辺で失礼します。ありがとうございました。