40代子持ちのクルマ好きが、愛車のBMW 320dツーリングを評価するとともに、ちょっとだけ日々を楽しくするクルマのある生活の話題をお届けします。

M5現行型、いよいよ最終型です。

BMW NO IMAGE

いよいよF10の5シリーズも最終章にはいりました。既に新型G30のスパイフォトやレンダリング画像も出回っているので新型に期待する気持ちも大きいのですが、ちょっと寂しい気もしますね。

最終型はコンペティション・パッケージ付き。

BMW M5、現行型に最終モデル…5年の歴史に幕

BMWを代表する高性能サルーン、『M5』。同車の現行モデルに関して、最終限定車が登場した。2011年のデビューから約5年。現行M5が、その歴史に幕を下ろす。これは7月22日、BMWが明らかにしたもの。「F10型M5のモデルライフの終わりを記念する『M5コンペティションエディション』を、世界限定200台発売する」と発表している。

最終モデルに相応しく、直噴4.4リットルV型8気筒ガソリンツインターボエンジンを強化。最大出力は560hpから600hpへ、最大トルクは69.3kgmから71.4kgmへ、40hp、2.1kgm上乗せされた。

トランスミッションは7速のMダブルクラッチ。M5コンペティションエディションは、0‐100km/h加速を4.4秒から3.9秒へ、0.5秒短縮。最高速は250km/hでリミッターが作動する。

この他、Mコンペティションパッケージを標準装備。外装には、Mパフォーマンスパーツが追加される。20インチのアルミホイールは、ジェットブラック。内装には、ブラックのメリーノレザーが奢られている。

(レスポンス 森脇稔)

クルマに興味のない方から見ると、「ただのビーエムのセダン」なのに0-100km/hが4秒を切るって・・・すごい世の中になったものです。これが販売されなくなるっていうのがにわかには信じられないですね。今でも、いや、これから5年くらい先も第1線級の高性能車として通用すると思います。

いつまでこのような肉食系のクルマが存在できるでしょうかね?

次世代に向けた取り組みがクルマ業界でも活発しており、特にBMWは積極的に推進していることは当ブログでもなんどもご紹介してまいりました。

このような燃費もさほど良くなく、二酸化炭素排出量も多いという環境負荷の高いクルマの存在は、今の所「M」というブランドを掲げることによって免罪符を与えられていると思います。

私が危惧するのは、以前の記事でも申し上げた通り、こうしたモデルが「過剰なパワー」「必要のない速度域まで出せるクルマ」と捉えられ、世間から弾劾されるようなことにならないか、ということです。

ご批判を覚悟で私見を述べさせていただきますが、日本人の民族性として、極端に走り、かつ出る杭は打たれるという全体主義的な傾向があると思っています。

そして「1億総プリウス」のような風潮になった時に、こうした自動車文化としての象徴ながら古典的なクルマの楽しみを追求しているモデルが叩かれるようなことになりそうな気がしているんです。

もちろん、M5の値段を見てもおわかりのように、こうしたクルマのオーナーはそれ相応の代償を払っています。そして排気量に応じ、高い自動車税も払っていますので、私が危惧するほどの極端な事態は起こらないかもしれません。

こうしたことを考えると、今の日本のような自動車税制はちょっと旧態依然としすぎているような気がします。環境負荷に応じた税制に変更すれば、例えばPHVなどの環境負荷の低い車に乗っている方は税負担を低く、高性能車に乗っている人の税負担を重くすることで不公平感を少しは払拭できるのではないでしょうか?

問題は、何を基準にするかですよね。ヨーロッパのように二酸化炭素排出量を基準とすると、昨今の燃費不正のような事態が起こり、二酸化炭素排出量を少なく見せかけて税負担が少ないことを売りにするメーカーが出てくるかもしれません。もちろん、そんなことはないと信じたいですが。

ここはお役所の縦割り行政を改め、国交相と環境省の連携が必要となるでしょうが、これこそ夢物語かもしれませんね。

ノスタルジー。

そう、私はこの記事に一種のノスタルジーのようなものを感じています。

私のようなクルマ好きの感覚というのは、そうでない方とはだいぶ違うということは自覚しています。私はこの記事を見て、「おーM5もいよいよ最終型かー。それにしてもすごいパワーだねー。乗ってみたいなー。」と思うだけですが、一般の方からすれば、「日本で何でこれが必要なの?!」と思うに違いありません。

これに対する答えは以前ご紹介した荒選手の言葉が最善のものではありますが、一方でこうした意見にも一理あることは確かです。

BMW GROUP Tokyo Bayで開催の「BMW 100th アニバーサリーツアー」に行ってきました!

そういう意味で、こうした超高性能車の未来を案じ、存続していくためにはどのようにすればいいのだろう、と考えてしまうんですね。

私は最近、Mシリーズの試乗会に行きましたが、前まででしたら正直言って尻込みしていけませんでした。ですが積極的に参加するようになったのは、この「このようなクルマにいつまで乗れるだろうか」という想いがあるからなんです。だって、オランダではもうすぐガソリン車は新車で買えなくなりますしね。それに、逆立ちしたって自分では所有できないお値段ですしね。

オランダ自動車事情 ~ EV天国

もちろん、個人的にはいつまでも古典的なクルマの楽しみがあるクルマに存続して行って欲しいと思っています。

では、今回はこの辺で失礼します。ありがとうございました。