40代子持ちのクルマ好きが、愛車のBMW 320dツーリングを評価するとともに、ちょっとだけ日々を楽しくするクルマのある生活の話題をお届けします。

自動車メーカーが次々提携している”Uber”ってなんだ?!

最近、トヨタ以外にもフィアット・クライスラーもUberと提携したというニュースが報道されています。なぜこんなにUberとの提携が相次いでいるのでしょう?

とりあえず、日本では今はタクシーとハイヤーの配車サービス。

Uberのサービスはネットで調べればいくらでも出てきますが、一言で言うと、現状の日本ではタクシー・ハイヤーを指定した場所まで配車してくれるサービス、と言えます。ですが、これだけですと、普通のタクシーの配車アプリと何が違うの?というところですが、Uberではドライバーがランク付けされていたりしている部分がユニークといえばユニークです。

Uberは2009年3月に創業されたばかりの企業ですが、すでに世界58カ国、300の年でサービスを展開しています。

上でご紹介した時に「日本では」と言いましたが、各国でサービスの適用の形態は異なっており、一般人が乗り合いの感覚で顧客を迎えに行って料金をもらうというようにしているのが特長です。日本でも福岡で台数限定でトライアルが行われています。

日本では既存のタクシー会社と提携してビジネス展開しているのでトラブルはないようですが、このような乗り合いサービスを提供している国では、もちろん、タクシー会社から猛反発を受けているそうです。

なんでそういう会社とクルマ会社が提携するの?

これはネット上では、将来的にUberが自前のクルマを個人にレンタルする形でこうした乗り合いサービスを始めた時に、自社製品を多く使ってもらえるように、ということだと言われています。

確かにクルマ会社も潤いますし、Uberもクルマの安定供給を受けられるのでメリットはありそうです。でも、そんなに単純な話なんでしょうか?これだけだと、既存のタクシー会社と変わらないですよね?

Uberが本格的にサービスを始めると起こることは、「自動車ミニマル社会」になっていくのではないかと思います。つまり、クルマの所有ということ自体が廃れていき、例えばカーシェアリングも個人で利用するのではなく、行き先が似通った複数人で利用するとか。実際、アメリカ、というかロサンゼルスでは、複数人が乗っているクルマのみ走れる優先レーンがあって、通勤ラッシュの時などは渋滞を横目にスイスイ走っていけるそうです。こうした環境では、Uberのメリットが生かされますよね。

この例でもわかるように、複数人で乗り合いをすることによって確実に走っているクルマの数は減ります。つまり、環境にも優しいと言えますよね。

 Uberが普及した後の将来像

ここからは私得意の妄想ですので話半分に聞いてください(笑)。

自家用車がなくなることはないと思いますが、非常に少なくなるでしょう。その代わりに現れてくるのが、ほとんど公共交通機関と化した、自動運転の乗り合い車です。といってもバスのようなサイズではなくて、せいぜい今の乗用車くらいのサイズをイメージしています。

これに乗って、方向が同じ人が乗り合いしていくわけです。今まで一人で自家用車で通勤していたとしたら、同じビルにある違う会社に勤める近所の人と相乗りしていく、というイメージですね。こうすれば、今まで4人の人が通勤するのにクルマが4台走っていたのに1台で済むことになります。

当然そこまでクルマが減れば渋滞はなくなりますし、ガソリンなどの資源も今までよりもはるかに消費量が少なくなってくるでしょう。

なんだかSFの世界ですね。ちなみにトヨタが提携したのはまさにこの分野、「ライドシェア」の分野です。

効率の良い社会にはなりますが。

これは特に公共交通機関が発達していない山間部などで特に威力を発揮することになるでしょう。高齢化する日本のことを考えると、むしろ導入が必須ともいえる仕組みかもしれません。

ですが、資本主義というのは多くの無駄から成り立っています。環境や資源という観点だけにスポットを当てると、自家用車というのはある意味では非効率の極みです。でもそれが、趣味性のあるクルマというものが存在する原点にもなっています。

トヨタがUberと提携したのも、Uberのサービスの普及で将来的な自動車の需要減少が起きた場合でも企業として生き残れるようにという観点と、そうした中でトヨタが低環境負荷車を供給し続け、自動運転の分野で安全性を確保し続けるという社会的な責任を果たすためと、私は好意的に考えています。

この動きにフィアット・クライスラーが参入したことで、これからも提携する自動車メーカーが出てくると思います。願わくは、BMWもそうしたサービスが開始した際にクルマを供給して期待に応える企業であってほしいと思いますし、また、我々クルマ好きがたまには自家用車の運転を自ら楽しめる余地は残しておいて欲しい、そう思っています。

では、今回はこの辺で失礼します。ありがとうございました。