もうネタとしか思えないのですが・・・といきなり言ってもわかりませんよね?そうなんです。BMWがピックアップを開発することを検討しているというニュースが・・・。でもこれ、本当なんですかね?
うっそぉ。
さすがに私もこの記事を読んだ時には全力でつぶやいてしまいました。
今度こそ本気らしい、BMWのピックアップ計画!!
ただ、M3がベースとなるわけではなさそうなので、期待もほどほどに…。
アメリカ人やオーストラリア人が、ピックアップトラック好きなのはよく知られています。
また、高級車メーカーとして有名なドイツのBMWは、投資家向けの文章でしょっちゅう「成長」という単語を使っていますが、その割にはアメリカ市場で本当に「成長」に貢献すると思われるクルマだけは、まだ造っていません。
ここでのテーマとなるのは、BMWのピックアップです。
もちろん、これまで実際にはそんなクルマはありませんでした。
ただ、2011年に同社は、アメリカ市場に「M3」(当時のE92型)ベースのピックアップトラックを「おふざけで」提案し、一部のファンを喜ばせました。
これに触発されたBMW「3シリーズ」のオーナーたちが、自車の屋根を切ってピックアップに独自で改造するという、冒険的な行動に出たことも話題となりました。
結果的におかしなクルマになってしまった例も、けっこう存在したようですが…。www.carbuzz.comwww.carbuzz.comwww.carbuzz.com
マニアとは言え、そこまでするのか?とも思ってしまいますが、これには訳があります。
BMWの情報筋が、ちょうど1年ほど前に、「会社としては、ピックアップタイプの車種を量産する意向はない」という内容を漏らしたことに端を発しているようです。
これに反応した個人ユーザーたちが、それならば自分で、と愛車を改造してしまったのでしょう。
しかしながら、BMWのオーストラリア担当取締役Marc Werner氏が語った内容が本当であれば、その決定が変更になったというのです。
豪『モータリング』誌のインタビューに応えたWerner氏は、向こう数年間でピックアップ部門の動向を慎重に見極めると述べました。
以前もお伝えしたように、メルセデスベンツが先手を切って、フォード「F-150」が独占しているオーストラリアのピックアップ市場に殴り込みをかける決断をしていますが、BMWもそれを無視してはおけない様子です。
BMWでも別の役員が「ピックアップは開発しない」と述べていたことに触れると、Werner氏は「Never say never…つまり、絶対に有り得ないとは言い切れないものさ。」と答えたということです。www.carbuzz.comwww.carbuzz.com
本当にBMWのピックアップが登場したら、それは興味深いものです。
すでに「X3」や「X5」といった魅力的なSUV(BMWではSAVと呼称)をラインナップしている同社ですが、それらはオフローダーとしてトップレベルのSUVであるとは言い難いものでした。
むしろ、ホットな「X6 M」に代表されるように、オンロード用のスポーツカー的要素を持ち合わせたSUV、という印象の方が強いものです。
ところで、トラック型の車両に関しては未経験なBMWですが、その点についてはトヨタからノウハウを提供してもらえそうです。
トヨタなら、北米専売の「タンドラ」「タコマ」といった人気のピックアップを造っている一方で、スポーツカー分野ではBMWとも共同開発を進めています。
次期「Z5」と「スープラ」が両社の共同作業で生み出されることになるのは、周知の通りです。
メルセデスは、同じくパートナーとなっている日産の「フロンティア」「タイタン」といった、主に北米用のピックアップトラックを参考に、自らのモデルを設計することが出来ます。
さらにアウディにも目を向けると、フォルクスワーゲンが「アマロック」(日本未発売)というSUVを製造している関係で、その気になればそのアウディ版を造ることも可能でしょう。
このように、ドイツのメーカーとアメリカのビックスリーの対決が、いよいよ本格化しそうです。
今や、アメリカのブランドがヨーロッパ市場で成功を収めるために、ディーゼルに進出し、ドイツ勢がアメリカ・オーストラリア志向のクルマを真剣に考える時代になりました。
いやはや、グローバル化の波が、このような形で展開していくとは、数年前には誰が想像したでしょうか。www.carbuzz.comwww.carbuzz.comwww.carbuzz.comhttp://www.carbuzz.com/news/2016/7/22/BMW-Admits-It-Could-Soon-Dip-Its-Toes-Into-The-Pickup-Truck-Game-7734599/https://ancar.jp/
ドイツ御三家がピックアップ対決?!
でもまあ、わからない話ではありません。そもそもメルセデスはMLクラスでアメリカ市場をターゲットにしたSUV市場の開拓に成功しましたよね。まあ、「アラバマ品質」と言われてクルマ自体はひどい出来でしたが・・・。
今度はメルセデスは同じ過ちは犯さないでしょう。最初から現在のアメリカのピックアップ、それこそフォード F150を凌ぐマッチョで品質感の高いピックアップを仕上げてくるに相違ありません。
そうするとBMWとアウディも追随しなければ会社としては後塵を拝してしまいますから、開発しないわけにはいかない、というのが本音なんでしょうね。決して自発的な意志で参加するようなものでもないようです。
ただこのピックアップという分野、日本では不人気なので日本市場には導入されない可能性が高そうですね。
消耗戦
なんだかドイツ御三家の争いが消耗戦の様相を呈してきているような気がします。メルセデスは原点に立ち帰って、「Das Beste order Nichts(最善か無か)」を標榜しているんじゃありませんでしたっけ?BMWは「Efficient Dynamics」を実現して「Mobility Sastainability」を標榜しているんじゃありませんでしたっけ?それを考えると、アメリカでガス・ガズラーと呼ばれるこの分野に進出するのはちょっとお門違いのような気がしなくもないのですが・・・。
正直、ピックアップって、半端ない大きさですよ?だからこそBMWが誇る次世代ボディCLARが強力な武器となるであろうことも否定できない事実ではありますが、本当にペイするんでしょうか?
ただこの記事、本当かどうかちょっと疑わしいと思っています。というのは、ちょっと視点が狭すぎる気がするんです。アメリカ市場で売り出すのに、いくら一定の成功を収めているとはいえ、また提携しているとはいえわざわざ日本メーカーの車両をベースにすることもないんじゃないかと思うんですよね。これは記者さんの視点なのかもしれませんし、確かに私もそこには一定の合理性はあるとは思いますが、そこはやはりアメリカのメーカーと提携するか、あるいは独自開発するんじゃないでしょうか?
もし本当に提携しているトヨタや日産のフルサイズ・ピックアップをベースに開発するのだとしたら、結構安直ですよね。消耗戦を少しでも有利に戦えるようにするしかにないのでしょうが、それなりにしっかりと作らないと、それこそメルセデスのMLクラスのようにブランドイメージを下げるだけになっちゃいますよね。
まあ、見守りましょう。
ピックアップって、まさにアメリカンなクルマです。トヨタも日産もアメリカ市場では日本では発売していないフルサイズSUVを販売していますが、そのアメリカ市場ですら、ヨーロッパと同じくコンパクトSUVが人気だというのに、そこまでのリスクを背負って開発するのは、個人的にはもろ手を挙げて歓迎しかねますね。
そんなリソースがあるのだったら、現在の商品ラインアップの強化をした方がいいのでは、と思ってしまいます。
さて、ここは経営には滅多に口を出さないけれどもクルマの開発には口を出すというクルマ好きの大株主、クヴァント家がGoサインを出すかどうかが見ものですね。メルセデスに対抗するには必要だといういことであればOK!となってしまいそうな気もしますが・・・。
では、今回はこの辺で失礼します。ありがとうございました。