40代子持ちのクルマ好きが、愛車のBMW 320dツーリングを評価するとともに、ちょっとだけ日々を楽しくするクルマのある生活の話題をお届けします。

BMW M2をフツーに乗ってみる(高速・軽いワインディング編)

BMW

さて、前回に引き続き、今回はM2インプレッション第3弾、前回の一般道編に続き、高速とワインディング(軽め)編をお送りします。

以外と小回りが効かない!

我が家の近くから、首都高速に乗るべく、Uターンしようとした時の事です。

ここは中央分離帯にUターン専用の切り込みがある箇所で、普段からよく利用する場所でしたが、いつもと同じ様にステアリングを切り込んで行ったところ、我が愛車の320dツーリングよりも大きく外側にはらみました。

あれ?ちゃんとロックまでステアリングを切ったのに。しかもホイールベースも短いから内輪差を気にせず切ったのに。

スピードが出過ぎていたのかなあ、とも思いましたが、そもそもUターン路に入る前に一旦停止しています。

その時はわかりませんでしたが、帰ってカタログを見て納得しました。わが320dツーリングの最小回転半径は5.4mなのに対して、M2は5.6m。数値にするとそこまで大きな違いには感じないかも知れませんが、実際に運転すると結構違いますね。

これはもちろん、245/35R19というファットなフロントタイヤのせいでしょうね。道理で我が家の駐車場に停める時も切り返しの回数が多いわけです。

首都高速へ!

いよいよ首都高速に足を踏み入れます。

実は、個人的にはこれを一番楽しみにしていました。都市間高速はToto BMWの高速試乗会で乗っていましたからね。

合流が楽!

料金所を通り過ぎて本線への合流て、いきなりM2の高性能のメリットの一端に触れました。

ご存知の通り、首都高速に限らず都市高速というのは、本線が混んでいるのに短い距離で合流しなければいけません。私が合流しようとした時も同様でした。

そこでまずは加速せずに合流できる箇所を見極め、一瞬で見つけて本線の流れよりもちょっと早めに加速して合流しようとしている箇所よりも少し前に出て、ブレーキングしながら本線の流れと同調して合流という、あの一連の流れがあっという間に完了します。

アクセルを踏み込めば簡単にキックダウン(M DCT Drivelogicでも「キックダウン」でいいのでしょうか?)して猛加速し、ブレーキングでは強力なストッピングパワーとコントロールのしやすさで速度を簡単に同調できます。320dツーリングよりも遥かに合流が楽ですね。320dの場合は、合流箇所を決定する判断にもう少し先読みの要素を入れないといけません。

首都高速の継ぎ目のいなし具合

そして、一番の注目どころは、首都高速の継ぎ目をどういなすか、ですね。ただ、正直申し上げて、これは予想通りの範疇でした。どういうことかというと、段差がタイヤ自体のダンピングでいなせる程度の場合は、直接的な突き上げは感じられません。ですが、時々ある大きめの段差では「ダン!」とショックがきます。一つだけ予想外だったのが、この「ダン!」の時もさほどキャビンがゆすられないこと。これはストロークしていないのではないかと思うほどの硬さのサスペンションでも、ちゃんと仕事をしている、ということです。

そしてこのサスペンション、いい仕事をするのはこの場面でだけもちろんありません。それは後ほどお話ししましょう。

コーナーではゴーカートフィーリング!

そして早速、首都高速特有の右に左に切り返す連続コーナーが現れました。

実は私、連続コーナーが気分的に苦手でした。もちろん楽しいのですが、一つ目のコーナーでロールした車体の揺り戻しがちょっと怖いんですよね。BMWでは全く何事もなく駆け抜けて行ける様になり、克服できた次第です。

ですが、M2はそうした次元を超えています。首都高速程度の流れでは、これが「オン・ザ・レール」という感覚なのか!と驚きました。ボディはあくまで剛性高くて塊感を保ち、ロールもせずに踏ん張って、素早くノーズの向きを変えて行きます。揺り戻し?なにそれ?みたいな感覚です。

そして、さらに驚いたのが、一度当ブログでご紹介したことのある、霞ヶ関IC付近の、例のうねりのあるコーナー。そう、両方向ともコーナー途中でうねりがある、あのコーナーです。

関連記事

冬支度として装着したMICHELIN X-ICEですが、少しだけちゃんとした距離を乗ったのでドライ路面での印象をご報告します。 さすがはMICHELIN。 前回装着した時は、交換を頼んだイエローハットから自宅まで、30分も乗りませんでしたが[…]

ここは逆に私の予想を全く裏切りました。もちろん、いい意味で、ですよ。

あの硬いサスペンションのことです、さぞや派手に跳ねるか浮くかするんだろうなあ、と思いつつ差し掛かると・・・なんと、今まで乗ったどのクルマよりもダイレクトかつ途切れることのない接地感を示したんです。

本当にサスペンションがいい仕事をしています。私の頭が古いのかも知れませんが、硬いサスペンションと、路面の荒れやうねりでも優れたロードホールディングというのは両立するものなんですね。ポンポン跳ねるものだと思っていました。

都市間高速へ!

向かうは東名高速です。Toto BMWの高速試乗会の舞台は関越で、路面がかなり荒れている箇所ま多かったので乗り心地の評価という点では良かったのですが、比較的キレイな路面の東名でどの様な挙動を示すのか、興味がありました。

もったいぶらずに結論を申し上げますと、「ハイウェイスター」です。って、何を言っているのかわかりませんよね(笑)。

直進安定性

速度域が上がると、MサーボトロニックのステアリングはCOMFORTのままでもずしっと重みを増します。そして、このステアリングに軽く手を添えているだけで矢の様に直進するんですね。

タイヤ自体のグリップに依るところもあるのでしょうけど、これは意外と長距離走行でも疲労が少なそうです。実際、私はこのドライブでは全く疲労感を感じませんでした。

俊敏な運動能力は高速でも相変わらず

空いている東名高速の流れ程度の速度域では、どの速度からでもアクセルを踏み込めば即座に背中がシートのバックレストに押し付けられる程の加速を開始します。1,400rpmという極低回転域から発揮する最大トルクに注目しがちですが、高回転域の伸びも気持ちいいです。「クオーン!」という快音をあげながらどこまでも伸びて行きます。

ですが、「息の長い加速」かというとそうではないと思います。100km/h時の回転数が1,900rpmという数値から分かる様に、比較的ローギアードなので、こまめにシットアップして速度を上げて行く感じです。ただし、そんな中でもM DCT Drivelogicはスムーズさを失わないので、全くショックはありません。極めてスムーズです。とは言っても、さすがにエキゾーストノートが大きめなので、いつシフトしたのかくらいは特に注意していなくてもわかります(笑)。

高速コーナーでの挙動

東名高速で東京方面から下って行く際に、乗っているクルマがスポーティですと例外なく楽しめるのが、大井松田IC〜足柄SA間の高速コーナーが連続する箇所でしょう。最後の方に比較的曲率のきついコーナーも出現するので注意が必要ですが、ここでM2は出色の安定性と回頭性を見せつけました。

普通にブレーキングしてコーナーに進入する限りでは、相変わらずオン・ザ・レール。狙ったラインに寸分の狂いもなく乗せて行けます。そこからアクセルをじわっと開けると、今度は感覚的にはノーズを巻き込んで行くほどの回答性の良さ。だらしなく外に膨らむ気配など微塵も見せません。

実は当初、この挙動に戸惑いました。だって、普通はコーナーからの脱出でアクセルを踏むと、少しアンダーステアが強まってアウト側にはらむじゃないですか?そこでノーズが内側に巻き込まれる様な感覚があって、予想より内側を向くんです。

恐らく、限界が高いからというのがまず一つの理由でしょう。つまり、高速道路の流れ程度の速度域では、タイヤのグリップや、シャシーに相当な余裕がある状態ということです。

そしてもう一つ、これは推測ですが、アクティブMディファレンシャルの効果ということはないでしょうか?私は今までLSDなどのトラクション強化パーツが付いているクルマに乗ったことはありませんが、カタログにはこう書いてあります。

アクティブMディファレンシャル:

勝負を決めるコーナーで瞬時にレーンを変え、荒れた路面でのハイスピードコーナリングやコーナー出口での加速を叶えるために、トラクションと走行安定性を最適化します。電子制御ユニットが左右のリア・ホイールのトルク差を制御し、空転を抑えることにより、常に両足で路面を捉えるかのような、最適なトラクション配分による最大限の加速性能を発揮できます。

これだけ読むと、「ふーん、要するにコーナーの脱出が早いのね。」で終わってしまいますが、それだけでしょうか?それだけなら「アクティブ」なディファレンシャルだはない気がするんですよね。

何が言いたいかというと、「クルマの向き」も考えたトラクション制御なのではないか、と。世間的には「トルク・ベクタリング」と呼ばれるものと似たような働きをしているのではないか?と思うんです。

私はリアの内輪が浮くほどのスピードは出していませんが、コーナーでは外輪に荷重がかかっているので、必然的にそちらの方がトラクションをかけられます。結果として外輪に多くのトルクが配分されることで、ボディにコーナー内側に向かう力(「ヨーイング・モーメント」と言います。)が発生したのではないか?とそう思います。ステアリングの舵角、ヨーレートセンサーなど、DSCでも使用しているデバイスを有効に利用すれば可能ですもんね。

何だかわけもなく挑みかかられるのに閉口しました

まあ、これはしょうがないですね。クルマ好きなら誰でも注目するクルマでしょうし。

実際、私も追越車線の流れに乗って前走車がいる状態で走っているのに、猛スピードで走ってきたクルマに後ろに付けられました。先をお急ぎの方の前をふさぐ趣味は全くありませんのですぐに走行車線に入ってスピードを落としたのですが、しばらく並走した後にようやく加速して抜いていく、という経験をしました。

そりゃあ、0-100km/h加速4.3秒の実力を発揮すればぶっちぎるのは簡単だったのでしょうけど、M2がその全開性能を発揮すべき場所はサーキット以外はないですからね。挑発には乗らないことです。

東名を降りてワインディングへ

御殿場まで東名を堪能し、一旦東名を降りました。時間もないので、帰路は国道246号線で大井松田ICに向かい、そこから東名に乗ることにします。途中、一瞬だけ脇道に逸れると国道246号線に沿った形でちょうどいいワインディングがありますので。

M2が苦手なシーン

東名でもそうでしたが、246に入ると、舗装がザラザラした箇所が何箇所かあります。こうした場面はM2が最も苦手とする場面です。ある程度速度が出ている状態で差し掛かると、路面のザラザラがボディに伝わって、内装からビビリ音が発生します。

M2の、サスペンションの剛性わ含めたボディ剛性の高さは、先にも申し上げた通り「塊感」が非常に高いのですが、内装の取り付けの剛性が負けている印象です。

剛性間の高いマシンには、全てのパーツの取り付け剛性も合わせて高くしないと行けませんね。特にM2はスパルタンなマシンですから、余計にそうです。

SPORTモードお試し

来るべき短いワインディングに備えて、まずはSPORTモードを事前に試してみました。

前回記事でご紹介した通り、SPORT走行の設定は「ドライブトレーン+シャシー」にしておきました。

信号待ちの最中に、3シリーズと全く同じドライビング・パフォーマンス・コントロールのボタンを押して切り替えると・・・偶々アイドリングストップしていなかったのですが、エキゾーストノートのボリュームが少し変わりました。

そのまま発進しましたが、今度は少しどころではありません。エンジンが吠えています(笑)。機敏に高回転まで周りたがり、エキゾーストノートは野太さを増しました。

そしてステアリングはずっしり。パワーアシストが切れているのではないかと思うくらい、ダイレクトな感覚になります。

マニュアルシフトの練習

ここで引き続き、マニュアルシフトの練習もしてみました。

M2にはもちろんシフトパドルが付いていますのでこれを使わない手はないですよね。ですが、我が320dとは少しルールが違います。

MではなくM Sportにお乗りの方などはお分かりかと思いますが、シフトパドルわ引いてシフトチェンジしても、しばらく何もしないとD、つまりオートに戻りますよね?M2でもそのつもりで何もしないでいたのですが、シフトアップしません。スピードが落ちるとシフトダウンはしてくれますが。

さて、困りました。目指すワインディングはまだ先。とりあえずここは一旦オートに戻しておきたいのですが・・・どうするのでしょう(汗)。

正直、本当に焦りました(笑)。しばらくシフトレバーでマニュアルシフトしながら走っていましたが、ふと思い立ってシフトレバーを右に倒して見ると・・・オートに戻りました!

ちなみに、オートの時は、シフトインジケーターには、数値の前に「D」が表示されます。

マニュアルモードでは数値だけの表示です。

ちなみに、シフトレバーでもわかるようになっていました。上がオート、下がマニュアルモードです。


マニュアルモードでは「+・−」も光るようになります。

さて、準備は整いました。SPORTモードとマニュアルモードでワインディングに挑みます。

怖いくらいの安定感と安心感

踏み込んだワインディングは交通量がいつも非常に少なく、そうタイトではない道です。見通しも比較的よく、舗装状態もよいので、私はこの道は246の渋滞を迂回する時に普段は使用しています。ですが、今回は渋滞もしていないのにあえて踏み込んで行きました。

早速、シフトダウンして加速開始!あっという間に流れる光景を処理する私の頭のCPUが限界に達し、踏み込めません。最初のコーナーに向けてブレーキング、そしてずっしりと重いステアリングを切り込んで行くと・・・あれ?拍子抜けするほどあっさりと抜けて行きました。「クルン」と回った、と表現するしかない回答性の良さです。

そしてブレーキが強力です。こんなにすごい剛性感とストッピングパワーを発揮し、かつコントローラブルなブレーキのクルマは初めて運転しました。一瞬でスピードを落としてくれます。

このブレーキ、このロードホールディング、この回答性。改めて、BMW Tokyo Bayでのイベントで、荒聖治選手の言っていた言葉を思い出しました。

「この高いパフォーマンスは、余裕につながる。したがって、M4の高いパフォーマンスを理性を持って制御すれば、これ以上の安全性能はないんです。」

関連記事

過去の記事でご紹介したBMW GROUP Tokyo Bayのグランドオープニングに合わせて行われていた「BMW 100th アニバーサリーツアー」に行ってまいりました!最近何かと用事が立て込んでいて今週末も暗雲立ち込めていたのですが、日曜[…]

それにしても、加速力もバツグンですので、本当にテンポよくコーナーを抜けて行けます。大体、ワインディングを走っている時って、次のコーナーが見えた瞬間に、先の状況まで予想してどのくらいのスピードで進入し、どの程度の舵角が必要なのか判断しますよね?もちろん、十分な安全マージンを取ってのことですが、言葉を選ばずに言えば、320dよりも遥かに「スムーズ」にコーナーの連続を抜けて行けるんです。

これはもう、快感です。世の中にこんなにコントローラブルなクルマが存在するのか!という感動を覚えます。と同時に、高いボディ剛性の恩恵をより感じることができ、非常にソリッドな感触ですので楽しくて仕方ありません。

M2は疑いもなく、クルマを操ることの根源的な喜びを体現していると私は確信しました。「刺激的」かつ「安全」、これを同時に味わえるのがM2です。

まとめ

M2での高速とワインディングは私の中にカルチャーショックすら与えるものでした。

ただ、それと同時に、非常に高いボディ剛性やソリッドなブレーキ、ステアリングの感触といったものを通じて、くるまの挙動に対する理解も深まったように思います。

このドライブで得た感覚というか学びは、我が愛車が戻ってきても応用できそうです。特に、テンポよくワインディングを駆け抜けるあの感覚。今までもテンポよく駆け抜けていたつもりですが、きっと改めて我が愛車に乗るとまた今までとは違った感覚をもたらしてくれるに違いありません。

M2特集、もう少し続きます。これだけ楽しんだらどうなるか?そう、燃料がなくなりますよね(笑)。次回はGSでの給油、その前に段差は気にならなかったのか、ですとか、路面の著しくいい山手トンネルでどうだったのか、家族を乗せてのドライブでの話など、徹底して「普段使い」にスポットを当てて行きたいと思います。

では、今回はこの辺で失礼します。ありがとうございました。