40代子持ちのクルマ好きが、愛車のBMW 320dツーリングを評価するとともに、ちょっとだけ日々を楽しくするクルマのある生活の話題をお届けします。

BMW M2をフツーに乗ってみる(一般道編)

BMW

さて、前回記事で予告した通り、ここから数回、M2を日常使用してみて感じたリポートをお送りします。まずは、自宅周辺の一般道までの印象です。

出発まで

乗降性

まずはドアハンドルに触れて、BMWのサッシュレスドアのセオリー通り、すかさずフロントウィンドウが素早く「シュッ」と少し下がるのを確認してドアを開けます。ここで無理に開けると・・・試したくもないですが、悲劇が起こることは想像に難くありません。

というのは、サッシュレスドアの場合、車内の機密性を保つために、フロントウィンドウがちゃんとピラーに格納される様になっているんですね。私の320dツーリングなど、いわゆる「枠付き」のドアではフロントウィンドウが格納されている場所ごと開くので、この様な機構はついておりません。

乗降性は良好です。2ドアクーペなので、前後方向に開口部が大きく開くのはもちろんですが、天井がむやみに低められていないので、身長175cm(公称値)の私ですと、首などをすぼめることなく320dツーリングに乗り込むのと同じ感覚で乗り込めます。

そしてドアを閉じると再び素早く「シュッ」と上がって完全に閉じて機密性が確保されるので、かなり静粛です。

クーペの常ではありますが、シートベルト、と言うかBピラーがエラく後ろにあって遠いです。320dツーリングでは左手を伸ばして楽々手に取れるのに、M2では思いっきり手を伸ばして体も捻らないと届きません。これは私の勘違いでして、クーペの時は右手を後ろに伸ばしてシートベルトを引っ張って来て左手に持ち替えるんですよね。

ま、まあ、この方法ならちょっとは楽になりました(体が硬い・・・)。

ちなみに降りる時はと言うと、開口部はむしろ3シリーズよりも大きいので降りやすいです。後ろの広い方に向かって体を捻りつつ降りると楽ですね。

大事な大事なドライビングポジション

ドライビングポジションは、もちろん普通のクルマを運転する時も大事ですが、M2の様な手強いリアルスポーツを運転する時はさらに重要です。きちんとしたポジションで運転しないと、M2の性能を十分引き出すことなどできませんからね。

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結論から申し上げますと、3シリーズと同じ様に合わせれば容易にベストポジションに合わせられます。ただ、私は今回は「若干シートを前に、かつステアリングを手前に」のポジションにしました。

これには、一応理由があります。

一般的に、MT車を運転する時は、AT車よりも近めのポジションがいいと言われます。これはもちろん、変速の際にトランスミッションに負担をかけない様、変速の際にクラッチを完全に切るべく、クラッチペダルを深々と踏み込む必要があるからですね。

私が今回お借りしたM2のトランスミッションは、例のM DCT Drivelogicですので、2ペダルMT。もちろんクラッチペダルはありません。

ですので、その観点からはあえてシートポジションを前に出す必要はないのですが、コーナリングの際にフットレストで足を踏ん張る際にいいと思ったのが理由です。

当然ながら、M2のコーナリングの限界は、一般のクルマとは比べものにならないほど高いです。実際にハードなコーナリングをするかどうかは別として、備えておくのも悪くはないかな、と。

そして、ステアリングを普段より少し手前にしたのも同じ理由です。さらに、ステアリングが重いので、近めでないと切りにくくてかえって疲れる、というのもあります。

えっ?でも、3シリーズと似た様なドライビングポジションじゃ気分が盛り上がらないとおっしゃる?これでもですか?

住宅街での冷間時の始動は気遣いが必要かも。

ここでようやくエンジン始動ですが・・・冷間時の始動はド派手です。

一瞬のクランキングの後に目覚めるのですが、まずは「バウンッ!」と一声大きな声で吠えて、その後も「ボーッ!」といかにも高性能車らしい音を周囲に撒き散らします。まるで、グッスリ眠っているところを叩き起こされて不機嫌極まりないライオンの様な。いや、そんなライオン見た事ないですが。

よく、320dなどで、「ディーゼルだと夜の住宅街ではうるさそう」という方がいらっしゃいますが、あの程度はせいぜい不機嫌な仔猫くらいのものです。M2は吠えまくりですから(笑)。

クリープがないのが地味に不便

いざ、ドライビングポジションも決まり駐車場から出そうとしてみると、最初に戸惑うのがクリープがないことです。

もちろん、完全停止状態から少しでもアクセルを踏めばクラッチが繋がって、その後はペダルから足を完全に放しても動き続けますが、微妙な調節がちょっとしにくいですね。

しかも、アクセルをちょっと踏むと「ゥワン!」と素晴らしいレスポンスで吹け上がるので、飛び出しそうになります。

ちなみに我が家の駐車場は、前回記事でもご紹介した通り、壁いっぱいに寄せて止まりますので、出庫と時の方向によっては切り返しが必要になります。しかも、我が家の前の道路は、ご丁寧に降雨時の排水を考えてか、我が家からお向かいにかけて下っている状態。

すると、どうなるか。

駐車場から出庫して一旦完全停止してブレーキを放すと、今度は前にスルスル動き出すんですよ。完全停止時はクラッチが繋がっていないので(笑)。

これ、前がもう迫っているので、一旦バックしたい時などは怖いです。こんな時に左足ブレーキを使いたいのですが、というか使っていますが、ブレーキペダルがMT用の小さいものなので踏みにくいです。

M2がコンパクトだからといって、「ウチの家みたいに狭いところでも大丈夫!」と決めつけない方がいいですよ。確かに全長は短いので切り返しはしやすいですけど、内輪差以上にリアフェンダーの膨らみも気になりますし、微妙な切り返しの場面では、上記の様にM DCT Drivelogicの特性が仇になります。むしろこうした場面では通常のMTの方が扱いやすいと思います。

いやー、初夏の様な陽気と相まって、ここまででもう汗かいてしまいました(笑)。

一旦走り出してしまうと扱いやすい!

ようやく私が一番言いたい事をかける章までたどり着きました(笑)。

これはもう、掛け値無しに扱いやすいです。1,400回転から465Nm(47.4kgm)という大トルクを発生する事もあって、街中の流れをあっと言う間にリードできますし、低速車に引っかかっても、1,500回転くらいでむずかりもせず走行します。寝起きは悪いですが走り出すと従順ですね(笑)。

エンジンが温まってくると、アイドリングの音も大分静かになります。周りに音を反射するものがないからと言うだけかも知れませんが。ただし、発進などで負荷をかけると、やはり「ボーッ」と言う音が響きますね。

これ、ゆっくりと発進する時も鳴り響くのですが、その割に進みません(笑)。これはM2のギヤ比が比較的ローギアードなせいもあるでしょう。もちろん、もっと踏み込むと弾丸の様に飛び出して行きますけどね。

うねった道路と比較的大きめの段差が苦手

M2のハンドリングの素晴らしさなどを発揮しきれない街中では、やはり乗り心地は固めだと言えます。

ですがこれは注釈が必要です。

私はM Sportの乗り心地が苦手なのですが、それとはまた別の固さです。一番の原因は、ミシュラン・パイロット・スーパースポーツといういかにも固そうなタイヤながら、非ランフラットである事ではないでしょうか?よく観察してみると、タイヤ自体のダンピングで吸収できる程度だと突き上げは来ませんが、道路のうねりなどになるとサスペンションがストロークしない(感覚的には)ので、そのまま車内を揺さぶります。

そういう意味で「乗り心地が固い」という事です。

Mの中では一番スパルタンかも。

街中では基本的にオートモードかつCOMFORTで走行しました。この時に気付いたことが2点あります。

ドライビング・パフォーマンス・コントロールにECO PROモードがない!

これはクルマの性格を考えると当たり前と言えば当たり前ですね。i3は逆にECO PRO+というモードがある代わりにSPORTモードがありませんでした。この辺りはクルマの性格に合わせて来ています。

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そして、SPORTモードだけでなく、SPORT+もあります。これは私の320dスポーツにもありますが、DSCも切れてしまう設定ですので、さすがに他人様のクルマでここには入れられません。いえ、例え自分がオーナーだとしても怖くて入れられませんね(笑)。

「M」ボタンがない!

M4やM3などにはついている「Mボタンもありません。

「M」ボタンとは電子制御ダンパーやステアリングの重さ、エンジンレスポンスなどの組み合わせの好みの設定を登録して、ボタン一つで呼び出せる機能です。

その代わりと言ってはなんですが、設定メニューにこんな項目があります。


ほほう、「SPORT走行」ですか。これは何ができるのだろう、と見てみると・・・


なるほど。これは私の320dツーリングでいう、ECO PRO設定と同じですね。つまり、ドライビング・パフォーマンス・コントロールをSPORTモードにした時に、どこを「SPORT」モードに出来るのか選べるわけです。

高速道路では「シャシー」だけにして燃費を稼ぎつつ、ステアリングを重くなる様にしておく、なんてことができそうですね。

ところで、M2は電子制御ダンパーではありません。では「シャシー」ではステアリングの重さ以外に何が変わるのでしょう?

これは推測ですが、「アクティブMディファレンシャル」のロッキングファクターが変わるのではないかと。つまり、よりトラクションを稼ぐ方向になるということですね。

それにしても、電子制御ダンパーが装備されずセッティングは一つであるのに、アクティブMディファレンシャルという走りに関わるパーツは標準装備なんですよね。というか、カタログを見てもオプションもなし、選べるのはボディカラーのみという潔さ。M2を見ていると、価格を抑えるためとは言いつつも、「全ては走りのため」の装備内容ですね。

Mシリーズで最もレーシーかつスパルタンなマシンと言ってもいいかも知れません。

次回はSPORTモードと高速走行編!

一般道を走りながら色々観察したことを書いていたら長くなりすぎました(笑)。これも全てはこの後の首都高速〜都市間高速、そして少しのワインディング走行に備えてのことです。

次回の記事ではいよいよM2が本領を発揮する、その本丸に迫って行きたいと思います。ちょっとだけ予告しておくと、「ずーっと走っていたい!」と言うのが私の感想です。なぜそう思ったのか、ご報告するので次回時期をお待ちいただければと思います。

では、今回はこの辺で失礼します。ありがとうごさいました。