40代子持ちのクルマ好きが、愛車のBMW 320dツーリングを評価するとともに、ちょっとだけ日々を楽しくするクルマのある生活の話題をお届けします。

BMWオーナーの方、たまーにCOMFORTにした時にはくれぐれもご注意を。

大げさなタイトルですが、まあ、そう大したことではありません。が、結構長い期間にわたってF30/31を運転している私ですら、たまにCOMFORTにするとこうなる・・・ということをまさに今日体験しましたのでご報告します。

そもそもCOMFORTとは

これは言わずと知れた、ドライビング・パフォーマンス・コントロールのモードのことです。

通常、ECO PROモードに入れている方が大半だと思います。現に、ショップでのコーディングメニューでも、エンジンがかかったらECO PROが自動的に選択されている状態にする、というメニューが人気だったりしますからね。

例に漏れず、私も普段はECO PROモードに入れています。だって、ECO PROとCOMFORTだと、特に市街地で違いが大きいんですよね。

というのも、市街地は信号によるゴーストップが多いです。クルマが一番燃費が悪くなるのは加速時ですから、発進加速が多い市街地で、その発進加速の時に燃料をセーブできれば、通算燃費がかなり大きく違ってきます。でも、自分の燃費のためだけにあまりにノロノロ発進するのは、渋滞の原因ともなる行為ですので、個人的には絶対に慎もうと思い、適度にしっかりと、適度に燃料をセーブする運転を心がけています。いえ、これは心がけているどころか、絶対にそうしていますと言い切っていいでしょう。

ECO PROですと、この辺のさじ加減がうまくできます。過去記事でも申し上げた通り、ECO PROモードはアクセル開度に対して(きっと)リニアな回転上昇をする設定になっていると思います。

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非線形スロットル(BMWにはスロットルはありませんが)に慣れた身からすると、このECO PROモードの設定はかなり焦れったく感じるでしょうし、「これで線形?」とお思いかもしれませんが、私はこれでようやく線形であると思っています。

ガバッと踏んでグオッとでる(笑)

今日のことです。子供を習い事に送り出し、親の方はというと慌ただしく生活必需品の買い出しに向かうというのが最近の我が家の週末のパターンですが、事件はこの時に起こりました。

私が幹線道路のロードサイドのコンビニで買い物をして、発進しようとした時のことです。いつもの通りモードはECO PROで走行していましたが、左に寄せて停車していた状態でした。後ろの交差点の信号は赤。チャンスとばかりにさっと乗り込み、さっとシートベルトをして発進しようとしました。ですが、こういう時、つまりキーを身につけてクルマを離れた時ってエンジンが停止しています。ですので素早くエンジンも始動して、後方を確認、まだ赤でしたので余勢をかって勢いよくアクセルペダルを踏み込みました。

グオオオ!

いや、運転している本人が一番面食らいました(笑)。焦るほどではなかったのですが、かなりの勢いで発進したんです。

そう、一旦エンジンが切れたので、デフォルトであるCOMFORTに戻っていたのに気づかずに、まだECO PROのつもりで踏み込んだ結果、すごい発進をしてしまったんですね。頭が後ろに持っていかれるほどの加速でした(笑)。そしてそんな中、確かにトラクション・コントロールが作動したのを私は感じました(驚)。

後席の家内からは苦情はきませんでしたが、「うわっとぉ」という男らしい驚きの声が聞こえてきました(笑)。私の方が「おおおお!」なんてびっくりしていたので、ある意味家内の方が冷静でしたね。

とまあ、こんな小さな出来事があったわけです。

COMFORTとは?

かねがね考えていたのですが、このドライビング・パフォーマンス・コントロールのCOMFORTって、いわゆる「コンフォート」ではない気がしていました。

COMFORTというと、快適性重視のモードということになりますよね。電制サスをもつクルマであれば乗り心地重視の設定になって、エンジンの性格も穏やかになり、比較的シフトも低い回転で早めにシフトアップしていきます。

ですが、BMWの場合はそうではないと思うんです。

BMWは一体誰のことを考えてクルマづくりをしているのか考えてみれば、なぜだかすぐにわかります。BMWはあくまでドライバーズカー。もちろん実用性や後席住人のことも大変よく考えて作られていますが、それでもはっきりとドライバー・ファーストのクルマです。

では、誰がCOMFORTなのかというと・・・そう、ドライバーがCOMFORTなんですね。ドライバーは乗り心地とかそこまで気にしません。ドライバーにとって気持ちがいいのは、パワーがそこそこ感じられて、それでいて一々上の方まで回転を引っ張って行くわけではなく、かつアクセルから足を話した時にきちんとエンジンブレーキがかかるというスピードコントロールがしやすい状態をいうのではないでしょうか?これが一番ドライバーにとっては疲労がたまりませんよね。

COMFORTは正にこの設定です。そのさきのSPORTはアクセル開度に対する鋭敏さというのは、少しは増しますけれど、COMFORTからはそう大きく変わらないように思います。それよりも、アクセル開度に対して美味しい回転域を常に使おうとしてシフトも高回転側まで引っ張る性格の方が強くなるだけです。その結果として、アクセルレスポンスが鋭敏になっているような気がするんですよね。

ちょっと大げさなものいいかもしれませんが、何が言いたいのかというと、COMFORTって十分強力、ということなんです。穏やかな性格のクルマであれば、BMWのCOMFORTくらいがSPORTモードでも何もおかしくありません。

どうかお気をつけを。

まあ、私のような間抜けなことをする方はいらっしゃらないと思いますが、かねがね思っていた「COMFORTは『ドライバーが』COMFORT」に感じるモードであるということをご紹介するのにちょうどいいかと思って、恥を忍んでご報告しました。

確かに、市街地でもほんのちょっと踏めば強く加速して流れをリードできますし、前者が不規則に加減速している状況でもスピードコントロールはしやすいです。日本車ですとアクセルをオフにすると逆にシフトアップして空走気味になるので減速しないですからね。

ですが、こういういわゆるデフォルトのモードが意外とスポーティというのは、欧州車では一般的かもしれません。この間試乗したマセラティでも、アクセルオフでシフトアップせずに減速しましたし、特にスポーツモードに入れていなくてもかなり強力な加速をしました。グラントゥリズモだけでなく、レヴァンテ・ディーゼルもです。

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私はアメリカ車にはほとんど乗ったことがないのですが、日本車はアメリカ車よりなのでしょうか?そういえば、アメリカ車といえば「雲をつかむようなフィーリングのパワステ」だとかの評判は聞いたことがありますが、これって日本的高級車そのものです。日本といえば風土というか交通状況的にはヨーロッパの方が近いと思うので、クルマの作りというか性格づけはアメリカ車よりも欧州車をお手本にした方が良さそうな気がしますけどね。

そういう言い訳は置いといて・・・アクセル操作は丁寧に行いましょう。私のような恥ずかしいことにならないように(笑)。

では、今回はこの辺で失礼します。ありがとうございました。