BMWはなぜ運転して楽しいのか?

BMWというと、MやM Sportなどのホットモデルに目がいきがちですが、そうでない標準モデルでも運転して十分楽しいのはオーナー様であればご存知のことと思います。でも、なぜでしょう?4輪があるクルマで、アクセルを踏めば加速し、ステアリングをきれば曲がり、ブレーキを踏めば止まる。そんなクルマはゴマンとあるのになぜBMWだけが?少し考えて見ました。

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近所のコンビニに行くにも楽しい。

私の自宅には歩いて行ける範囲にもコンビニがありますが、雨が降っていたるするとどうしても歩いて行くのが億劫になります(笑)。そんな時は少しの距離ですがクルマで行くのですが、今日が正にそれでした。

交差点を曲がり、信号で止まって加速し、目当ての店の前で止まり、駐車場に入れる。たったそれだけでも、束の間ながら運転する楽しみを味わえます。これは一体なんなのでしょう?

よく言われるのが、「思い通りに加速し、曲がり、止まる」、つまり車の基本である3つの動作がドライバーの意思に反しないで、自然だからだと言われますが、では他の車は思い通りに動かない、ということでしょうか?そんなはずはないですよね。

そう考えると、一人で考え込んでしまいました。

それはきっと「人間の感覚」に逆らっていないから。

私も当ブログ内で何度も申し上げてきましたが、BMWのステアリングの正確さは群を抜いています。

それは何も山道をしゃかりきになって攻めなくてもわかるレベルです。本当に交差点一つ曲がるだけでも、思い通りに自然な奇跡を描いて曲がっていき、それこそワインディングロードを走れば、まるで自分の運転が上手くなったかと錯覚するほど安定してスムーズに走り抜けられます。

この違い、決して思い込みではないとまざまざと思い知らされたのが、アウディA4の試乗の時でした。

アウディA4アバントも試乗して来ちゃいました。ただの試乗のはずが、タイヤ選択問題も進展!

2016.11.27

アウディも素晴らしい車でしたが、いつも通り、つまり私の320dツーリングを運転しているいつも通りのポイントでブレーキを踏み、交差点を曲がり出しても必ずオーバーランして大回りになってしまいました。それ以前にA6に試乗した時にも山道でカーブを曲がらないでオーバーランするような感触があったので、アウディの癖というよりもBMWのステアリングに慣れているせいだということが私の中ではっきりしたんです。

ただ、これだけではBMWのステアリングの正確性が優れている証明にはなりません。何が違うのでしょう?

いきなり結論を言ってしまいますが、私は正確性もさることながら、「人の感性に逆らわない」運転感覚が根本なのではないかと思います。交差点で曲がる時って、無意識のうちに「この辺からノーズを内側に入れて行って、こういう軌跡で曲がろう」って思いますよね?そしてあまり意識の表面ではないところでブレーキとステアリングを連動させて操作します。

この一つ一つの操作を重ねて操作した時の「繋がり」具合が人の感性に逆らっていないのではないか?と思うんです。もちろん、これにはステアリングの正確さも含まれますが、それだけならメルセデスだって非常に高水準なところにあります。実際、メルセデスCクラスを試乗した時に、初めて運転するクルマであるにも関わらず、アウディのように外に膨らむこともありませんし、思う通りのラインを描いていけました。そして、ブレーキも剛性感に溢れておりよく効きました。

メルセデス・ベンツCクラス、試乗して来ちゃいました。そしてタイヤ調査にも進展が。

2016.11.26

ですが、これでワインディングを駆け回りたいか、というとそうは思わないんですよね。いや、きっと正確に操れますし、狙ったラインを辿れることではBMWに引けを取らないと思います。そして、きっとそのことで楽しくなるだろうとも。

ですがBMWとはやはり違うんですよね。なんというか、もっともっと走っていたい!と思わせる予感がないというか。快適性はメルセデスの方が上なのは間違い無いのに、です。

思うに、メルセデスは優等生なんですよね。どこをとっても文句ありません。そして、きっと乗ったら万人が素晴らしいと絶賛するでしょう。そして、購入しても1ミリも後悔しないはずです。

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ではBMWはどうなのか?

BMWは決して優等生ではありません。内装は好き嫌いがありますし、高水準の快適性も誇るものの、メルセデスにははっきり言って一歩譲ります。でもなぜ人はBMWを選ぶのか?それこそが「人の感覚に即した運転感覚」だと思うんです。

こんな人、昔学校で一人はいませんでしたか?確かにアイツは勉強は完璧にできる。いつもきちっとしていて遅刻もしなければ忘れ物もしない。話をしても話題豊富とすごいやつで尊敬できるけど・・・一緒に馬鹿騒ぎはできないかな・・・っていう優等生。

一方で、アイツは勉強もかなりできて優等生なくせにくだけたところもあって、みんなには言えないような恥ずかしい悩みも相談できる。時々意見がぶつかったりするけど、一緒に泣いて笑って、心の底から打ち解けられる「いいヤツ」・・・。

対照的な二人の人物ではありますが、私の中では前者がメルセデス、後者がBMWです。

つまり、BMWって決して百点満点じゃ無いんですよ。もちろんハンドリングは高性能ですが、その代わり排気量の割にオーバーサイズ気味なタイヤを履いていて、見た目はいいものの快適性の観点からはもうちょっとサイズが小さくても良かったり、どこかにちょっとした隙もあるんですよね。

この、満点では無いところが正に人の感覚にあうのでは無いでしょうか?そして、そうは言ってもいつでも正確性の高いステアリングと、タッチの良いブレーキで安心感をもたらしてくれて、満点でないが故に融通も利く、そんな人間臭さがBMWにはあると思います。

実際、CGでBMW特集を過去にやったことがあって、現場の職人さんの親玉にインタビューしていたりしたんですが、そう言った作り手の顔が、運転していて時々頭の中に浮かんでくるんですよね。「どうだい、オレが作ったクルマは?楽しいだろう?」なんて話かけられているような気がします。

機械の中に血が通う。

そうはいっても、クルマなんて所詮機械でしかありません。しかも、ドライバーが操るものですから、ドライバーの良し悪しによって挙動も変わります。

メルセデスは、昔から啓蒙的なクルマづくりを信条としていました。クルマたるものかくあるべし、と言った感じで、運転しているといつでも教えてくれるような感じがします。ブレーキを強く踏みながら曲がると危ないよ、と行った感じで。そこはさすがに自動車を発明したメーカー、確固たる信念を持ってユーザーに信を問う姿勢は尊敬に値します。

一方でBMWは、ドライバーさんがそうしたいのであれば、忠実に操作された通りに動きましょう、というクルマづくりが信条です。つまり、そこから読み取れるものは、都会的なリベラルな考え方であり、個人の嗜好を尊重する文化です。ですので、BMWを運転するのは、人が潜在的に欲している「自由」を手に入れられる感覚があるのではないでしょうか?

ドライバーを自由に解放するBMW。それは今にして思い返せば、本庄サーキットで現役レーシングドライバーの運転する320iツーリングの挙動がいい例です。これが?!と思うような素早さでショートサーキットのツイスティなコースをヒラリヒラリと駆け抜けて行ったあの動き。ドライバーが「自由」に操るとここまで違う顔を見せてくれるのだ、と。

BMW3シリーズツーリングでサーキット同乗走行!現役レーサーはやっぱりすごいです。

2016.10.10

なんだか、クルマなのに、まるで意志がある忠実な名馬のようです。当ブログの読者様がご自身の愛車に歴史的英雄の名馬の名を付けてらっしゃる方がいらっしゃるのですが、今更ながらその言い得て妙さ加減に唸ってしまいました。

なんとなんと、ちょっと近所のコンビニに行くだけでここまで大げさなことを考えてしまいました(笑)。

あなたのBMWは名馬ですか?いえ、名馬でないBMWは存在しないでしょう。きっと、あなたの意志一つで、今まで駄馬と思っていた愛車が名馬に生まれ変わりますよ。

では、今回はこの辺で失礼します。ありがとうございました。

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9 件のコメント

  • FFとFRの特性差もあるのかもしれませんね。
    思ったよりも更に内側にグイグイ回り込んで行ける様な感覚はBMW特有な気もします。以前E90の頃のCMでカラスが車に胡桃を踏ませて割ろうとするもBMWは颯爽と避けて行くというのがありましたが、BMW乗りなら自分でも出来るんじゃないかと思えるくらいです(笑)
    今の車がやって来るまで国産リッターカーにしばらく乗っていましたが、同じ感覚でコーナーに進入することは出来ませんでした。それよりかなりゆっくり進入してもロールが大きくでて小回りが効かない感じでした。
    実際BMWのコーナリングの懐はかなり深いと思います。ただし懐の深さを超えて曲げようとすると一気に破綻するのも経験済みですが…。
    ここ20〜30年くらいのBMWの乗り味はテストドライバーの大御所マイスターによるところが大きいとも聞きます。そう遠くない未来に世代交代が起こった時果たしてこの一貫した乗り味が保たれるのかというのはわからないのが少し不安ではありますね。
    今のBMWが古くなってきたなという貴方、いつかはBMWに乗ってみたいという貴方、最高の足回りを新車で味わえるのは、もしかしたらそう長くないかも知れませんよ。
    いや、もちろんそんな事はないとは思いますけど。

    • あっきろ様

      いつもコメントいただきありがとうございます!

      ありましたね!そのCM、真似してみようとしましたけど、クルミが落ちてないので断念しました(笑)。

      懐が深いコーナリングは、BMW伝統の豊かなサスペンションストロークも関係しているのではないでしょうか?内輪がしつこくストロークして(伸びて)路面をとらえ続けることでコーナリングフォースを稼いでいる、ということです。一気に破綻するのは、この内輪のコーナリングフォースが抜ける時、ということかな?と思っていますが・・・。

      BMWって、運転している限りではぐらっとロールしている感じはしないのですが、外から見ると結構ロールしているんですよね。これはロールが漸進的に起こるように躾けられているからというのもあるでしょう。何にせよ、高次元で快適性とスポーツ性を両立させているセッティングで、そんじょそこらのクルマではとても真似できないほどコストがかかっていると思います。

      大御所マイスターですか。ドイツの職人制度は、後進の育成もしっかりしていると聞きますから、きっと大丈夫だとは思います。が、ポリシーや好みは人それぞれですから、新しいマイスターがどのような提案をしてくるか、興味半分恐れ半分といったところですかね。

      でも今の大御所マイスターの味付け、私は大好きですね。F30系でE90系が正常進化して熟成された感がありますから、次のG系ではどうして来るのか、これまた楽しみ半分恐れ半分ですね(笑)。

      では、またのコメント楽しみにお待ちしております!

  • BMW
    このクルマに乗って一年が過ぎました。馬力なんかは及第点かもしれません。
    また、リセールバリューもそんなに高くありません。またワタシのクルマは3シリーズですからそんなに珍しくはありません。近くにお住まいの方で、メルボルンレッドの320iやアルピンホワイトの320d 、ブラックサファイアの320iの方々もいらっしゃいます。
    それでも、キーを手にして、車に乗り込みエンジンをかけ、アイドリングが落ち着いたのを見はらかって
    走り出した瞬間からこのクルマの独特な世界が始まります。あとは操作する人の心のままに・・・。
    個人的には、BMWは走っていて楽しい。これに尽きるのではないでしょうか?

    • 蜜柑山 三郎様

      いつもコメントいただきありがとうございます!

      おっしゃる通り!楽しく感じるのには理由はない、という気持ちも私の本音の一つです。スペックを見てパワーがないとか、加速が遅いとか気にする方も多いと思いますが、乗ったら楽しいんですからしょうがないですよね(笑)。

      そして、その楽しみは個々人によって千差万別だと思います。眦決して山道を攻める方もいらっしゃるでしょうし、蜜柑山 三郎様のように「しれっと流す喜び」を堪能される方もあり。私は基本的に蜜柑山 三郎様と同じで、しれっとさらっと乗るのが好きです。ワインディングをテンポよく走るのはあくまで余技、移動そのものを楽しめるのがBMW最大の魅力ではないかと思っています。

      では、またのコメント楽しみにお待ちしております!

  •  この記事なら、きっとpontaさんも小生からの書き込みを意識してらっしゃるかと・・・ということで期待に応えて(苦笑)書かせていただきます。
     まずAudiのA4アバントに以前乗っていた身としては交差点やワインディングなどで、こんなに膨らんでるつもりないんだけどなあ・・・という感覚だったのを思い出しました。その前の車がまさに318iでしたので、その感覚の差たるや・・・です。
     で、核心はBMWとMercedesの違いですが、よくMercedesの哲学は「人はミスをするものだから、車が積極的に支援する」と言われますが、個人的にはちょっと違う気がしています。より感覚的にいえば、「乗っている人を安全に疲れさせずに目的地に運ぶ」という目的に徹しているのだろうと。だから、四つのタイヤがどこにあるかが意識できるし、思った通りにトレースできているのだと。ただし、それは本人が意識しているかどうかは別にして、裏で車が支援もしているというイメージと思っています。
     これに対し、BMWは自分が操っている感覚を(本当は車もサポートしているのかも知れませんが)持ったまま運転できる車と思っています。交差点を曲がるとき、「あっ、この車を俺は操っているんだ」という喜びを感じさせてくれますよね。ただ、近年両社のそれぞれがお互いに歩み寄っている気もしていますが、依然として、Mercedesは「移動するための車」、BMWは「駆る(運転する)ための車」という伝統はしっかり味付けとして残っているのだと。
     どちらにプライオリティを置くかが分かれ目になりますが、小生も年齢とともに、好みも変化してきた気もします。

    • 桂様

      いつもコメントいただきありがとうございます!

      もちろん期待してましたとも、桂様のご降臨を(笑)。さすがは桂様、行間まで読んでいただきありがとうございます(笑)。

      BMWとメルセデスの違い、興味深く拝読いたしました。そして、メルセデスのポリシーにも、私は試乗しかしたことがありませんが、非常に的確に表現されていて、激しく頷いております(笑)。

      よく、BMW乗りはメルセデスがキライと思われがちですが、私に関してはそれは当てはまりません。大好きなクルマの一つに、あのガルウィングの300SLがあるくらいですし。そして、それに連なるSL500を運転させてもらった時も、これは大したものだと感心しかありませんでした。

      メルセデスも、根本では運転を楽しみ、スポーツドライバーの期待に応えているクルマだと私は捉えています。BMWとはその表現方法が違うだけで。時にそれがかつてのSBCの様に独善的になってしまうこともありますが、進取の気象も十分に私は感じています。その全てが、ドライバーを含めた乗員を、あらゆる意味で快適に目的地まで運ぶ、ということに繋がる、というのがメルセデスのポリシーかと。

      一方でBMWはと言えば、ドライバーがクルマを完全に支配下に置くことがそれを実現すると考えているメーカーだと思います。根本で目指していることは同じなのに、最初の分かれ道でメルセデスと違う方向に行っているような(笑)。ここの捉え方でメルセデスとBMWの捉え方ってかなり変わりますよね。

      だからこそ、私は、個人的にはメルセデスはBMWのライバルというよりも、ある面で同士だと思っています。やることは違っても、見つめているものは同じだと感じているんです。

      なんだか上手く言えませんが(笑)、私も年を経ると桂様と同じように好みが変化するかもしれません。今までクラウンには見向きもせずにひたすらWRXなどを乗り継いで来た人が、改めてクラウンの良さに気付く、といったような感じでしょうか?

      では、またのコメント楽しみにお待ちしております!

  • まさにponta様の仰る通りで、1㎞先のコンビニへも気負いなく乗っていけますし、着いてからもすぐにはSTOPボタンを押したくないという。帰りはつい遠回りをしてしまいます。愛馬・白葦毛Ⅱがもっと走らせろよと言わんばかりです。PHEVだから軽トラより気軽に乗り出せるのもあるでしょうけど、たぶんメルセデスならこんな使い方はできないかなと。
    E46からまる13年、(軽トラは別として)代車を含めてBMW以外のハンドルを握ったことはありません。カミさんのプリウスや娘のアクアには、怖くて乗れない体になってしまいました(苦笑)。人がBMWを選ぶのか、BMWが人を選ぶのか、いずれにしても私の感性にドはまりしたようです。
    白葦毛Ⅱは2度目の秋を迎えて絶好調です。先月ディーラーでDRLを有効化してもらいました。330eはちょっとシステムが違うとかで、やや手間取ったようですが、おかげさまで顔つきは名馬に近づきましたよ。

    • 夢酒様

      いつもコメントいただきありがとうございます!

      白葦毛Ⅱ、絶好調のようですね!小食で従順ながら、いざという時は名馬の走りを見せる330eに夢酒様もぞっこんのようで(笑)。

      でも、お気持ちほんっとうによくわかります。私は最近休日も忙しくて遠出する時間がないのですが、それでも何かクルマに乗る用事はないかと探してしまいます。そして、一番しっくり来るのが320dの運転席のシートであり、一番楽しいのが運転している時という(笑)。他に楽しみはないのか!と笑われそうですが、クルマ好きなんてそんなものですよね。

      夢酒様おっしゃる通り、BMWって意外とカジュアルに乗れますよね。これは、当ブログ常連コメンテーターの蜜柑山 三郎様がおっしゃる所の「しれっと流す」と通じるところがあります。なんでしょうね、ドライバーの意思通りに動くので余り構えなくてもいいということでしょうか?

      まあ、感性の部分もあると思いますので言葉で全てを語り尽くすことはできませんよね。

      では、またのコメント楽しみにお待ちしております!

  • BMWの購入を検討していてブログ拝読させていただきました。数年前にアウディからボルボに乗り換え、今回引越し先の駐車場の問題で1850幅に収まる車を探しているところです(ボルボは15ミリオーバー…)。ボルボはインテリアはすごくいいんですけど、確かに”意のままに”ではないんですよね…。デザインで車を選ぶか、操作性とか気持ち良さで車を選ぶのか、難しいですね。ブログ、大変参考にさせてもらってます!

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