320dのよさって、なんだろう?

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いきなり哲学的なタイトルですみません。今日の東京は私の職場近くでも明らかに車が少なくて、その代わりに自家用車がよく目につきました。その中で、ちょうど320dと320iのセダンが並んで信号で止まっていて、改めてこのタイトルのようなことを考えてしまったのです。

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両方乗ったものとしては・・・

どちらもイイとしか言いようがありません(笑)。いえ、320dと320iだけでなく、代車で借りて1週間付き合ったActivehybrid3もすごくよかったです。

こうして考えてみると、F30系の車としての完成度と、その搭載エンジンの魅力とに分けて考える必要がありそうです。

F30系は間違いなくBMW史に残る車でしょう。

これは疑いようもありません。

E90系の時って、最初と最後では搭載されているエンジンがまるで違いました。その間の技術の進歩というのもありますが、逆に言えばそれほどテコ入れしないとモデルライフの中で商品力を上げられなかったのかもしれません。

翻ってF30系を見てみると、装備の充実一つをとって見ても、デビュー当初からあるものばかりで、ただオプションだったのが標準装備になっただけです。ACC然り、衝突回避・被害軽減ブレーキ然り。それでも乗り味はデビュー当初の2012MYと私の現在の愛車2015MYとではだいぶ違います。間違いなく、2012モデルの方がしなやかで、私的にはBMWらしい足まわりだと思いました。

ですが逆に、「足がふにゃふにゃ」という意見が多かったのも事実なようで、2015MYからは既に後期型のサスペンションセッティングとなっているようです。フロントサスの結合箇所も4箇所から5箇所に変わっています。つまり、構造的には前期型のはずの2015MYでも後期型になっているんですね。

このようにリファインはされているものの、外観デザインも後期型は大きく変わっていません。こうしたモデルは結構BMWとしては「アタリ」のモデルでして、ちょっと前ではE46がそうでしたよね。要するに、デザインが好評なので変える必要もなく、エンジンに大きな手直しもしなくても商品力を保てるわけです。

ちなみにそのE46、私は運転したことはありませんが、その足まわりの硬さに驚いたことがあります。それまでE36しか乗ったことがなく、クルマ雑誌の言う通りのしなやかな足まわりしか知らなかった私には衝撃的といえるくらいの硬さでした。

これはあくまで個人的な感想かと思っていましたが、そうでもないようです。以前お伝えしたMフルラインナップ試乗会の時に、M3の乗り心地に関して話していると、ディーラーの方がこう言っていました。

「いやー、でもE46よりはこのM3の方がいいかもしれません(笑)」

笑い話レベルで硬かったんですね。この流れはE90まで引き継がれています。私がMy first BMWとしてE90の320iの初期型に乗った時には、その安定感と、国産車とはまったく違うフラット感のある乗り心地とともに、ガッチガチの硬い足回りに驚いたものです。もっとも、その後年式が新しくなるたびに洗練されて行きましたが。

現行のF30系は、その辺は最初からいい塩梅のところを突いていたと個人的には思います。特に前期型は柔らかい足まわりでコーナーではロールし、内輪が執拗にグリップしてコーナリングスピードを稼ぐスタンスを取れますし、逆にM Sportではビシッと引き締まりつつ不快なザラザラ感を感じない乗り心地に仕上げています。とはいえ、ツーリングのM Sportは硬過ぎだと思いますが。

現在は最大のライバルであるCクラスもスポーティさを売りにしていて差が縮まって来ていますが、実はBMWは本質的な部分で原点回帰をしているところが、F30系の魅力の一つだと思っています。

エンジン屋の面目躍如。

エンジンに関しては、もう陳腐な言い回しとなってしまいますが、この章のタイトルにつきますね。大体、BMWの新エンジンの噂が聞こえてくると、「え?!そんなパワーと燃費の両立が可能なの?!」と驚くレベルで高い目標を自ら設定していますよね。

だってよく考えてみてください。一昔前、今でも中古車だったら現役で並んでいるようなE90の323iと私の320dツーリングを比べてみると、パワーはわずかに320dが上回っているのに、燃費は9.9km/Lと19.4km/L(323i/320dの順、ともにカタログ燃費)ですよ?320iだってカタログ燃費が16.0km/Lですからね。323iの時代では考えられないスペックですよね。

そしてすごいのが、完全バランスの6気筒ではない4気筒ですらスムーズ感あふれる上に快音を響かせるところ。そのスムーズさはエンジン内部の徹底したフリクションの低減を図った結果でしょう、逆にエンジンブレーキが効きにくいくらいです。E90の320iでは、このエンジンブレーキの効かなさ(笑)にも驚きました。

直噴化してすぐの最初期型のF30は若干エンジン音の処理が甘くスムーズ感がイマイチでしたが、2014MY以降では見違えるような振動のなさになっています。もちろん、後期型は私に言わせれば、ほとんど無音でモーターのように回ります。

これがディーゼルでも同様なのがすごいですよね。ディーゼルエンジン自体はずっとドイツ本国でラインアップされていたのですが、日本市場に持ち込んでユーザーの声に鍛えられたのか、これも2014MY以降劇的に騒音と振動が改善されています。

これを言うとちょっと嘘くさくなるかもしれませんが、2015MYの私の320dツーリングでも、スムーズに吹け上がるんですよね。いや、わかります。ディーゼルで「吹け上がる」って、乗っていない方には信じられないかもしれませんが、本当にそうなんですよ。

まあ、ひとつにはタコメーターが5,000回転ちょっとまでしか刻まれていない上にハイギアードなATなので、実際よりもエンジンの回転上昇が鋭く演出されているということもあると思います。ですが演出って大事ですよね。ガソリンエンジンの320iなんかは勿論ディーゼルよりもさらに気持ち良く吹けあがりますが、絶対的にはバルブトロニックと直噴が高回転を苦手とすることもあって、タコメーターは7,000回転までしか刻まれていないので、これもある意味演出されていますもんね。

ホンダのS2000とかは10,000回転までタコメーターがありませんでしたっけ?それに比べたら全然たいしたことはないんですよ。

ですので、アンチBMWの方がよく言うように、BMWって決して絶対的なパワーなどががすぐれているというわけではないと思うんです。ドイツ御三家のライバルを少し上回るパワーとレスポンスの良さを、スポーティに演出してくれているんですよね。

ですが先に述べた室内での演出と、このエンジンのパワーフィール、俗に言う「味付け」がBMWのBMWたる所以であり、魅力なんだと思っています。これはひとえに「技術力」ですよね。特に私は、常にライバルよりも少ない排気量でライバルを上回るパワーを絞り出している、ここにBMWの矜持を感じます。

まだまだ魅力は語りつきませんが。

こんな妄想を働かせている間に信号は変わり、件の320iと320dは走り去って行きました。どちらも都心部を走る姿は優雅とすら言ってよく、今更ながら後ろ姿に見とれて見送りました。

そう、デザインがカッコイイのもF30系の魅力ですよね。

クルマの魅力って、すごく主観に基づいています。私はここに書いたように感じていますが、他の感じ方をしている方だっていると思います。だって、もしみんなが同じ感じ方をしているんであれば、クルマはどれも同じになってしまいますよね?いろんな感じ方をする方がいるからこそ、個性あふれる魅力的なクルマが世の中にたくさんあるんだと思います。そこに優劣なんてありませんよね。

では、今回はこの辺で失礼します。ありがとうございました。

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