さて、先週末のToto BMWさんのイベントの最後にかけていただいた言葉が、今週中ずーっと私の頭の中でこだましていました。「318i試乗しに来てくださいね」。やっぱり行っちゃいますよね。ご好意に甘えさせていただき、試乗してまいりました!
きっかけは息子が作ってくれました!
今日、午前中は息子の学校の行事があり、昼ごはんをどこかで食べようか、という話になりました。すると息子が、「僕、まるしゅうがいい!」と言います。まるしゅうさんは、以前ご紹介しましたが、「ラーメン街道」こと新小金井街道沿いにある、私も息子もお気に入りのラーメン屋さんです。
いつも通り、私は辛味噌ラーメンです。
食べ終わってからも、時間はたっぷりと余っています。じゃあ、どうしよう?となった時に、「この間Uさんが318iがありますよって言ってくれたんだよねー」と恐る恐る切り出してみました。意外とすんなりとOK!
ホッとしました。
318i試乗記
試乗車はブラック・サファイヤのM Sport
ボディカラーはいいとして・・・M Sportだったのは正直いうとちょっとだけ残念な気がしました。
だって、私が318iに期待するのは、3シリーズのベーシックモデルとしての魅力をどれだけ体現しているのか、です。エンジンパワーやスポーツサスで武装していないほど、3シリーズの素性がより色濃く、表立って目立つはずですよね。
とはいえ、M Sportの乗り心地がどのように進化しているかも気になるところではありましたので、ショールームでまたもi3の運転席に潜り込んでニコニコしている息子を半ば強引に連れ出して試乗をスタートしました。
室内の静粛性と快適性はガソリン上位モデルと同様。
もう、見慣れた3シリーズの内装ですので、特にもったいぶらずにエンジンスタートボタンを押します。
3気筒というと、振動や騒音を気にする方もいらっしゃるかと思いますが、これは全くないです。アイドリングしている限り、320iや340iといった上位モデルと全く変わらない静粛性ですね。
そして駐車場から出て、青梅街道に出るべく歩道の段差を超えた瞬間、「ダン!」。M Sportであることを再確認しました。そして、あの辺りの青梅街道の路面はザラザラしており、いきなり試乗車に試練を与えますが、やはりタイヤサイズが大きいせいか、私の320dツーリングより大きなロードノイズが侵入して来ます。本来でしたら、リアからのロードノイズというのはステーションワゴンボディの泣き所であるはずなのですが・・・タイヤサイズが違うとこんなに違うんですね。
ちなみに試乗車は18インチホイールで、タイヤの銘柄はコンチネンタル・スポーツコンタクト5でした。なんだか最近のBMWの新車はコンチを履いているクルマが多い印象があります。ショールームで展示している4シリーズGCもそうですし、以前試乗した330eもそうでした。
さて、エンジンの感触ですが、ディーゼル乗りの私からするとやはりトルク感に物足りなさは感じるものの、COMFORTモードでは結構元気よく加速していきます。とてもではありませんが、たったの1.5L、たったの100kw(136ps)/ 220Nmとは思えません。
そうそう、言い忘れていましたが、318iですとM SportでもスポーツATではありません。オプションでも設定なしです。
このように、M Sportステアリングなのに、いつもなら見えるはずのシフトパドルがありません。
ステアリングをご覧になってあることに気付いた方は・・・2014MY以降の3シリーズのオーナーさんでしょうね。そうです。ACCがついていません。
ですがこちらはオプションで用意されていますのでご安心ください。
ちょっと極低回転域でのレスポンスが悪いかも。
走行中、特に発進の際に仔細に観察すると、低回転域でのレスポンスがちょっと甘い気がしました。
これは小排気量であるがゆえに宿命的なものなのかもしれません。いくらBMWの誇るツインスクロールターボといえども、排気をもってタービンを回すのは変わりませんから、小排気量ですと影響が出ることは否めません。
ただ、218iアクティブツアラーに乗った時は気にならなかったので、アクセル開度の非線形度合いですとか、色々な要因が関係しているものと思われます。後は・・・私がディーゼルの力強さに慣れてしまったとか、ですかね?
音はイイ!
エンジンの出力が低いので当然ながら、ギア比は下げられています。これまたディーゼルのハイギアリングに慣れた私としては相当ローギアードに感じました。320dツーリングのCOMFORTモードの時と同じような加速をしようとすると、320dでは2000も回すと相当早い加速をするのに比べて、3500くらいまで回ってしまいます。
ただ、回した感触はかなりいいです。6気筒ほど粒は細かくありませんが、やはり3気筒は6気筒と位相が同じですので、音質としては同じです。ちょっと甲高い音と、3000を超えた頃から新たに低音が加わって和音を奏でます。ですが、音量が急速に高まるといったこともなくて、室内の静粛性は保たれたままです。
そして回転フィールはあくまでスムーズ。こちらも無粋な振動といったものはなく、快適性には影響を及ぼしません。
ですが少し残念なことも。マニュアルモードにして発進から1速に固定してエンジン回転をあげてみたのですが、期待するほどの「繊細感」というか、「モーターのように回転をあげる」という感触が得られなかったんです。そうですね、「スムーズに回る中にもビートを感じる」というとわかりやすいでしょうか?
これは完全に好みの問題ですので良い・悪いで判断することではないのですが、218iではもっと「シュイーン」と回るように感じただけに、個人的にはちょっと「あれ?」と思ってしまいました。
カーナビが変わっている!
7シリーズで搭載された新カーナビがついていました。メニューから変わっているんですよ。
なんだかフォントも可愛くなっていて、いいですね。地図にするとこんな感じです。
これは結構進化したと思います。ディズプレイも改良しているのかもしれませんが、非常に高精細で、文字も読み取りやすいです。交差点付近の拡大案内も見やすくなっていますし。
これで3年間更新無料だったら、それはそれでいいかもしれません。で、肝心のアルゴリズムはどうなのかと思い、途中でToto BMWさんを目的地に設定して見ましたが・・・かなり遠回りのルートを提示されてしまいました。そこまで一足飛びには進化していないようです。
M Sportの乗り心地で気持ち悪くなる軟弱な私。
幹線道路が混んでいたこともあって、比較的荒れた道路を走っていたためか、戻る頃にはすっかり体がシェイクされて気持ち悪くなってしまいました(笑)。ですが、先週の本庄サーキットで乗った340i M Sportはそんなことなかったのに、と思いつつ、お出迎えしてくださった担当のUさんにその旨訴えると、
「車重が軽いからじゃないでしょうか?軽いボディって、サスペンションが硬いと思いっきり揺すられますよ。」
あ、そうですよね。きっとそれが原因です。でもそのお陰で、そういえば交差点で曲がるときも全くロールせずにノーズがクルっと内側向いて平行移動する、体験したことのない感触を味わえました。
結論 街中だけなんてもったいない、スポーツドライバーにもオススメ!
おそらく、318iという車名と、エンジンパワーなどのスペックを見ると、ちょっとクルマに詳しい方であればあるほど、「これは街中でチョイ乗りするためのクルマだ」と決めつけてしまうことでしょう。
ですがあえて言います。その考え、私は全力で否定します。
これは試乗車がM Sportであったが故に気づけたのですが、あの、交差点で感じたノーズが軽く平行移動する感覚を、山道で試してみたい!と強く思ったんです。
そして若干車酔いして戻ってきてから考えたのが、私のようにM Sportがダメな人にとっては、むしろノーマルのサスで、ロールさせて荷重移動を楽しみつつ、軽いノーズをひらりひらりと操るのが楽しいのではないか?と考え直しました。
ということで、私の一番のオススメは、318i Sportです。
自分のと同じSportじゃん!というツッコミはさておき、実際問題、ノーマルサスの318iでターンパイクを走ったりすると相当楽しいと思いますよ。
エンジンを高回転まで引っ張って加速してコーナー手前でブレーキング、充分フロントを沈み込ませて荷重を乗せたところでステアリングを切ってノーズをコーナー内側に向けて、出口が見えたらまたアクセルを踏み込む・・・という流れをリズムよく行えば、ライトウェイトFRスポーツのお手本のようなドライブが楽しめるに違いありません。
3シリーズって、そういえば元々はこういうクルマですよね。それを今回私に再確認させてくれたのが318iです。
320iや320dではそこまでエンジンを回せませんからね。318iは思いっきりアクセルを踏みたい方専用です。そういう意味では、ある意味、上級者向けかもしれません。
もちろん、街中での大人しい運転も、高速ドライブも難なくこなせる実力は持っています。私自身、試乗の間は1回も非力さを感じたことはありませんでした。
価格も安くてグッと身近になり、オールマイティにこなせる3シリーズ、新型になっても是非とも引き続き導入して欲しいですね。
エピローグ 今日の燃費
この後は、実は試乗した後もかなり時間が余っていたので、唐突に埼玉県の銘菓「五家宝」を購入しに加須市までドライブに行きました!
318iの試乗の後ですと、ディーゼルのもりもりのトルクが如実に感じられて頼もしいです。あれだけ静かな318iに乗った後ですから、今回こそは煩く感じるだろうと思ったのですが、ディーゼルの音と振動もやっぱり気にならなかったです。
目的地にたどり着くまで中々長い道のりでした。多摩地区から東北道方面のアクセスの悪さといったらもう・・・語り出したらキリがないので省略します(笑)。
訪れたのは、武蔵家本店さん。ここの「生五家宝」を食べたくて来たんです。
というわけで、実は結構な距離を走りましたが、燃費は15.5km/L。一般道と高速が半々くらいで、東北道にたどり着くまでの練馬区内の果てしないノロノロ運転、帰りの東北道の渋滞、エアコンONという条件を考えると上々ですね。
では、今回はこの辺で失礼します。ありがとうございました。