40代子持ちのクルマ好きが、愛車のBMW 320dツーリングを評価するとともに、ちょっとだけ日々を楽しくするクルマのある生活の話題をお届けします。

ディーゼルエンジンのメリット、日本特有の事情

BMW

先日の記事で、日本ではディーゼルには特にメリットがあると記載しました。価格ももちろんですが、日本特有のエネルギー事情があるのです。

日本って軽油を輸出してるんですよ。

ご存知の通り、日本は天然資源に乏しい国です。原油はほぼ全量を輸入に依存しているのは言わずもがなですが、軽油を輸出しているのはご存知ですか?

私もつい最近まで知らなかったのですが、余った軽油をお隣の韓国などに輸出しているんです。

私が知ったのも、韓国で「日本の粗悪な軽油を高値で輸入している!」と、ちょっとだけ騒ぎになったのがキッカケです。

「粗悪な」と言うのはあちら様が情報をアップデートしていないための誤解でして、実際には現在の日本の軽油は硫黄分を極力少なくした、良質な軽油を精製しています。

ところで、どうしてこんなことになるのか?つまり、これだけ原油は輸入しているのに軽油は輸出って、どういうこと?じゃあムダな原油を買っているってこと?って疑問に思いますよね。

原因は消費のアンバランス

原油を精製してガソリンを作ろうとすると、必ず副産物として軽油が出来ます。

ですので、日本でクルマが走るためのガソリンを確保しようとすると、必ず軽油もできちゃうんです。

そして、今でこそディーゼル乗用車は増えてきていますが、ここで精製された軽油を使い切るほどは軽油の需要が日本国内にないんですね。

余らせるよりは当然売った方が、原油の輸入代の足しになるので輸出している、というわけです。

個人にはそれがどういう関係が?

正直、一人一人には直接関係ないと思いますが、もし個人所有の乗用車がガソリンエンジンからディーゼルエンジンへシフトして、国内の軽油需要が増えてガソリンの需要が減ることで、日本は原油の輸入量が減りますよね。だって、ガソリンのために沢山原油を輸入して、ガソリンを作る過程でできちゃう軽油は正に「売るほど」余っているわけですから。

そうすると、無駄に原油を仕入れなくてよくなるんですね。経済的な観点から考えると、ガソリン生産量も減り、輸出用の軽油生産も減るので石油会社の仕事が減ってしまい、企業活動が縮小してしまうのでよくないのですが、地球環境的に考えるといいことです。二酸化炭素排出量の削減にも貢献できますしね。

副産物として、効率的になったとしたらガソリン価格も軽油価格も少し安くして頂けるのはないかと期待しているんですが・・・。

今でも十分軽油は安い(日本限定)

アメリカはさすが産油国かつ自動車社会ですので、ガソリンが安いです。ガロン(1ガロン=約3.8L)で表示されているので実感しにくいのですが、今年に入ってからは1ガロン99セント!という衝撃価格のガソリンスタンドも登場したようです。水より安いですよね。どういうことなんでしょう?

ですが軽油の安さなら、最近陰りが見えつつも依然としてディーゼルエンジン全盛のヨーロッパよりも日本が圧倒的に安いです。ヨーロッパでは軽油価格は大体EUR 1.2-1.3/Lくらい。ということは日本よりもはるかに高いんですよね。

日本は上記のようなエネルギー事情と消費のアンバランスから、産業育成を旗印に軽油を安く設定しています。軽油にかかっている税金はガソリンとは違って安いんですよ。実は税金がかかる前は軽油の方が高いのですが、この税金の価格で調整されて、大体軽油の方がガソリンよりも。10-20円/Lくらい安くなるんです。

日本でディーゼル乗用車に乗ると、この恩恵を最大限受けられます。しかもディーゼル乗用車は燃費がいいので、燃料代が本当に安く上がることになります。大体概算すると、燃費が同クラスのガソリン車に比べて20%-25%よくなると言われており、軽油価格が大体ガソリン価格の80%強と考えますと、

80%×70%=0.8×0.7=0.56=56%

つまり控えめに見積もっても燃料費は60%以下となりますね。これは320iから320dと渡り歩いた私の感覚と一致します。現在の燃料費は大体320iの時の半分強、320iの時はガソリン価格が高騰していたので、そういう点も含めれば1/3以下で済んでいます。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

実は私、以前の記事でBMWがE60型525dを日本に持ち込んでテストしているということを知った時からこの皮算用をしていました。

BMWが流行らせたモノ

早く3シリーズでディーゼルが出ないかな、そうすれば燃料費が半分まではいかないまでもそれに近いくらい減るのにな、と待ちわびていたんです。

いまや、最新世代のディーゼルエンジンはかつてのディーゼルエンジンのネガをほぼ消し去っており、さらに燃費もよくなっています。これはBOSCHなどのベンダーによる技術革新、例えばピエゾインジェクターやコモンレール方式の進化があってこそです。つまり、現在のディーゼルエンジンはハイテクの塊でして、そうした最新技術を味わいつつも、二酸化炭素排出量の削減にも貢献でき、さらに安価な燃料による経済的なメリットも享受できるという、素晴らしい製品なんです。

私も人並みにスポーツカーなどに憧れますが、今現在の理想のクルマはALPINA D3、BMWをベースに高品質なチューニングで極上のBMWを作り出すメーカー、ALPINA社の3シリーズベースのディーゼル車なんですよ。お値段もすごいことになっていますので到底手が出ませんが、一度はガレージに置いてみたい、夢のクルマです。

ここまでお付き合いいただきありがとうございました。
今回はこの辺で失礼します。