40代子持ちのクルマ好きが、愛車のBMW 320dツーリングを評価するとともに、ちょっとだけ日々を楽しくするクルマのある生活の話題をお届けします。

BMWが流行らせたモノ

BMW

ドイツのメーカー、特にメルセデスとBMWとアウディの御三家は、クルマ開発の歴史を引っ張ってきただけあってよく言えば啓蒙的、時として非常に押し付けがましい機能を搭載してくることがありますが、それがその後自動車界の当たり前になったりするんですよね。

まずはやっぱりこれでしょう。

もう、まずはなんといってもiDriveですよね。

それまでのユーザーインターフェースと一線を画した、全く新しい発想の操作系は、2001年に登場したE65系の7シリーズに初めて搭載されました。

当初は驚きをもって迎えられ、クルマ雑誌でもこれからのドライバーインターフェースはこうなる!と絶賛したり、こんなの独りよがりだ!使いにくい!と酷評したり賛否両論でしたが、その後の流れを見ると、結果としてはBMWはこうしたインフォテイメントシステムの先駆者の地位を占めるに至っています。今やアウディのMMIやメルセデスのCOMANDシステムなど、iDriveのコンセプトを真似たインフォテイメントシステムが続々ですよね。

年を経るにつれて使用頻度の高い機能は独立したボタンを付けたり、手書き認識機能を装備したりと進化を続けています。

この手書き機能、2015年型の私の320dに装備されていますが、私は一度も使ったことがありません。この機能、文字入力に難のあるiDriveの弱点を克服すべくリリースされたのだと思いますが、日本仕様では、というか右ハンドルの国では左利きじゃないと使用できませんよね。

ですがプログラマブルボタンと合わせると、ドライバーインターフェースとしてはかなり秀逸なものと思います。何より、私が一番嫌いな日本車的内装のごちゃごちゃ感がなくなりますので今後も進化を続けてほしいです。

E65系7シリーズと言えば。

バングル・バットです。ご存知ですか?

バットとはお尻のことです。バングルというのは当時のBMWのデザイナー、クリス・バングル。

覚えていらっしゃる方もいるかもしれませんが、このE65系7シリーズが出たときにはギョッとしたものでした。思い出せない方がいるといけませんので画像を貼っておきましょう。

BMW_E65_rear_20080719

このお尻です。トランクが浮いているようなこのスタイルをバングル・バットと言います。

これも出た当時は賛否両論でした。こうした保守層向けのクルマに斬新なデザインを採用するのはかなり冒険なのですが、BMWはやってのけたんです。そして、保守層は意外と保守的ではなかったのか、iDriveと共にバングル・バットも広く受け入れられました。

この後、このデザインはE60系BMW5シリーズのみならず、W221型メルセデスSクラスなどにも用いられ、この時代一世を風靡しました。

ですが現在にはこのデザインモチーフ、あまり残っていませんね。

日本車でも流行ってます。

次は屋根のアンテナです。そう、あのサメの背びれみたいな形のアレです。そのまんま、シャークフィン・アンテナっていうそうですが、検索してみてください。「BMW風」「輸入車風」と言って後付けするパーツが山ほど出ています。

最近は最初からこの形のアンテナを装備しているBMW以外のクルマも多いですね。

それにしても何であんな形を思いついたんでしょう?なんとなく空力的にはよさそうな感じがしますが、そんなに影響あるとも思えないんですよね。風切り音対策でしょうか?

そして当ブログオススメのアレ。

ランフラットタイヤもBMWが先駆的な役割をしたといっていいと思います。

これはBMWが流行らせたというよりも、タイヤメーカーでランフラットタイヤの実用化が始まった段階で大々的に取り入れたのがBMWというだけですが、英断でしたね。

ですが最初のうちはこれまた酷評されました。どうなっているのか、BMWは快適性を捨てたのかと。

余談ですが、何だかBMWっていつも世間一般にケチつけられてます。E30の時も、時はバブルで、特に日本車が風切り音と高速燃費対策で空力を劇的に改善したのにも関わらず、BMWは相変わらずアイデンティティである片側丸目二灯のライトを守り通したために、空力対策に熱心ではない会社だとレッテルを張られました。

ところが一転、次期型のE36でそのライトを一体型のカバーで覆って、今まで批判していた人達をあっと言わせました。その発想はなかったと。BMWのアイデンティティと現代に求められる空力性能を両立していて素晴らしいと。

またも余談が過ぎました。本題に戻りましょう。

今となっては、ランフラットタイヤの技術の進歩もありますが、クルマの方でもセッティングのノウハウが向上したのか、違和感なく履きこなしている印象です。これはサスペンションセッティングやボディ剛性の向上といったいろいろな要素が組み合わさってここまで来たのでしょう。

BMWはランフラットだから乗り心地が悪いと酷評するアンチの方は、やっぱりメルセデス・ライドが一番!、というかもしれませんが、今やCクラスもランフラットタイヤです。

乗り心地はやっぱり国産車が一番!レクサスが乗り心地は一番いい!そのレクサスもランフラットタイヤです。

最後はこれで〆ましょう。

日本市場での小型ディーゼルの普及です。

過去記事で私は、日本において今だディーゼルへの逆風が強い中、メルセデスがE320CDIをいち早く投入して市場を育てたことは大英断であると申し上げましたが、そうはいっても高価すぎて普及しませんでした。

BMWの車両価格の不思議。ディーゼルもPHVも量販モデルに比べて高くない理由とは?

ここにBMWがF30型3シリーズで320dを導入、一気に小型車ディーゼルが広まることになったんですね。これはBMWだけではなく、マツダの功績も大きいと思います。

こういうと何だかBMWはメルセデスが育てた市場を横からかっさらっていった様に聞こえるかも知れませんが、もちろん違いますよ。

BMWだって、何年も前からE60の5シリーズの525dを許可を貰って日本に持ち込んで、ずっとテストしてデータ集めしていたんですよ。きっとその時からロードマップが出来上がっていて、最も得意とするDセグメント、つまり3シリーズでディーゼル市場に打って出る事を決定済だったであろうことは想像に難くありません。

今や日本への導入予定がないのは残念ですが、本国ではポルシェにもディーゼルがあるくらいディーゼルはまだまだ隆盛を誇っており、マセラーティ・ギブリ、ジャガーXEやXFのディーゼルは日本でも購入できます。

日本ではディーゼルのメリットは計り知れません。これはいずれ改めて記事にする必要性を感じていますのでここでは詳しく述べませんが、石原都知事が真っ黒いススを入れたペットボトルを振って記者会見した衝撃を考えると、隔世の感があります。

まとめ

今回の記事はちょっと豆知識をまとめた軽い読み物ととして書いてみました。

いかがでしたでしょうか?BMWが若々しいイメージのメーカーとして人気があるのは、こうした進取の気性が感じられるクルマ作りを常に続けて、世間をあっと言わせ続けているからでしょうね。

それでは、今回はこの辺で失礼いたします。