40代子持ちのクルマ好きが、愛車のBMW 320dツーリングを評価するとともに、ちょっとだけ日々を楽しくするクルマのある生活の話題をお届けします。

高速道路の速度制限が引き上げ!ドライバーが気を付けるべきことは?

ニュースでご覧になったかも知れませんが、高速道路の制限速度が120km/hまで段階的に引き上げることを警察庁が検討中だそうですね。

実施時期は2017年以降とちょっと先ですが、何にせよドライバーにとっては関心のある出来事です。
実際、どうなるのでしょうか?

検討中の区間はほんの一部だけ

ニュースを総合すると、現在検討中の区間は、まず新東名の御殿場~浜松いなさJCT間東北道の花巻南~盛岡南間からのようです。
本当にほんの一部ですね(笑)
私は、東北道のその区間は走行した経験はありませんが、新東名の当該区間は全区間走破しております。確かに線形・見通しともよく、かつ渋滞も発生していることが少ないので、非常に快適に走れ、ついでにアップダウンもさほどないことから燃費も良く走れる場所です。
そもそも新東名は建設当時の技術の粋を集めて作られたと聞きます。設計速度はなんと140km/h!かつてない高規格ということです。
であるからこそなのでしょうけども、流れは非常に早く、100km/hで走っていても相当な速度差で追い越されることが頻繁にあります。
ニュースによれば、こういう区間は実態とかけ離れていると指摘があった区間、つまり乱暴に言うと「元々そのくらいのスピードで流れていた」ということです。ちょっと私が言いたいことからズレてしまうので、この現在の事実に対する批判はおいておくことにします。

速度制限が高くなる=「危険」ではない

上記の通り新東名の設計速度は140km/hですので、速度制限が120km/hまで上がったとしても、まだ相当余裕があります。
ところがここで注意すべきなのは、「トラックのスピード制限は80km/hのまま」というところです。つまり、今までよりも乗用車との速度差が大きくなります。
私はスピード制限の信奉者ではないですが、高速でも一般道でも危険なのは速度差だと思っております。教習所でも言われましたよね?「周りの流れにのって走り、円滑な交通を心がける」。これは流れの中で極端に速度が高いクルマや逆に遅いクルマがいると危険であるということを言っているわけです。
あなたは高速道路などを走っていて、周囲が100km/hで流れている中で、70km/hくらいで走っている車をご覧になったことはありませんか?私は70km/hで高速道路を走るクルマが悪いと言っているわけではありません。むしろ80km/hで流れている場合には模範的なスピードにもなりえますが、周囲との速度差が大きくなればなるほど、あえていうなら、高速交通の中での障害物となってしまうわけです。
過去に私が新婚旅行で言ったドイツでの経験をお話ししましょう。

アウトバーンでの運転事例

ドイツのアウトバーンと言えば、「速度無制限」で世界的に有名ですよね。
ただ、実は速度無制限なのは全区間の半分弱だっていうことはご存知ですか?近年はむしろ速度制限を新たに設けるケースも多く、かつてほどは延々と200km/h以上の超高速で巡行といったことはできなくなっていると聞きます。
それにしても、なぜ「速度無制限」などという一見すると非常に危険なことが可能なのでしょうか?
よくクルマ雑誌に書いているのはこういうパターンです。
  1. アウトバーンはJCTの近くなどでは手前から段階的に速度制限が低くなり、ドイツ人ドライバーはみなそれを守っている。
  2. アウトバーンは標準速度として130km/hでの走行が推奨されており、そのスピードで走っている車が多い。
  3. 追い越しが終了次第しみやかに走行車線に戻ることが励行されている。

実際に私が行った経験からいうと、半分本当で半分ウソでした。まず、速度制限はそこまでみな厳格に守ってません(笑)。

私はフランクフルト空港に到着してレンタカーを借りて市街地へ向かったのですが、駐車場を出てすぐの信号を市街地方面に曲がったら、もうそこはアウトバーンの入口でした。心の準備ができていなかった私は正直多いにビビリましたが、後続車がいるためにいったん止まって深呼吸などしているヒマはありません。ただ、その区間は速度制限が130km/hに規制されている標識が出ているのが救いでした。

えいやと目いっぱいレンタカーのVOLVO S80(そう、ドイツでレンタカーを借りたのにVOLVOだったんです!わざわざBMW希望と伝えたのに!)の非力なエンジンにムチ打って加速して周りのクルマの流れに合わせてみました。その時の速度、150km/h。
全然守ってないじゃん!
市街地が近づくと、噂通り段階的に速度制限がかかりました。そのまま一般道になる道路だったようで、100km/h→80km/h→50km/hと規制されていき、周囲のクルマはそれにつれて律儀にスピードダウンしていきます。この隙に抜かして前に出ちゃえ!というような不埒な運転をする人は皆無でした。ですが相変わらず制限速度よりは10km/h-20km/hほど早いんですよね(笑)。
その後1週間ほど走り回ったのですが、同様でした。JCTやICが近づくと段階的にスピードを落とすのはみなよく守っていましたが、推奨速度なんのそので、速度無制限区間に入るとみな全力加速です。コンパクトカーもだいたい150km/hで走っています。
ところが、こんなアウトバーンもトラックの制限速度は90km/hなんです。
もう、トラックを追い越すときは、日本の高速道路で路肩に停車しているクルマの横を通り過ぎるほどの速度差です。たまに90km/hも出ていない車があるので、トラックも追い越し車線に出てきますが、何百メートルというオーダーでクルマがいないことを確認して、余裕をもって出てきます。200km/hで流れている追い越し車線に100m先で出てこられると、もうフルブレーキング大会です。
そしてそのトラックは追い越したら速やかに走行車線に戻る。そこで先頭になった乗用車も戻る。これをみな律儀に繰り返します。
こうしたドイツでの交通に、今後ドライバーがより強く意識すべきヒントが隠されています。
その点は次回の記事で話していきましょう。