40代子持ちのクルマ好きが、愛車のBMW 320dツーリングを評価するとともに、ちょっとだけ日々を楽しくするクルマのある生活の話題をお届けします。

BMW M4試乗!とにかく気持ちいいしカッコいい!

BMW

前回記事で予告していた通り、M4の試乗をしたのでご紹介します。高速市場ではなく、一般道での使い勝手や実用性と行った点が中心となりますが・・・印象を一言で言うと、「普段使いも可能なスーパースポーツ」の底力がひしひしと伝わってきた試乗でした。

今度のToto BMWのデモカー

以前はM2だったんです。実際、私が点検に出した時の代車などでお借りしたこともありまして、堪能させていただきました。

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こうしてみると・・・我ながら随分堪能させていただいています(笑)。Toto BMWさんには感謝の言葉もございません。

ところがある日、FacebookのToto BMWさんの中古車情報に、見たことのある、ロングビーチブルーのM2が出ていたんです。まあ、M2では一番出ているカラーではあるのでしょうけど、カーボンのスポイラーなどの細部を見てみると、どうもあのデモカーだったM2に思えてなりません。

ああ、とうとうM2も終わりかぁ、残念だなぁなんて思いながらToto BMWのHPを見てみると・・・デモカーでM4が入ったとの告知!今度はM4なんですね!これは・・・来年の車検くらいには貸し出してもらえるかな?などとワクワクしていましたが、思いの外早く試乗する機会が巡ってきた、と言うわけです。

M4サキールオレンジ(内装も)

前回記事でちょこっと写真をお見せしましたが、改めてご紹介しましょう。

もう、とにかくかっこいいの一言です。ところで、何か気づきませんか?なんだか目つきが鋭くなったと言うか・・・そうなんです。この目つき、いや、ヘッドライト周りは、以前ご紹介した、「隈取り」がされているんですね。

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ヘッドライトの内側の縁取りがブラックアウトされているんです。EDITION SHADOWなんかでも採用されているものですね。随分と印象が変わって、精悍な表情になります。もともと今のF30系の顔立ちはかなりハンサム顔で私はすごく好きなのですが、この隈取りをするとさらにかっこよくなります。

そしてこのボディカラー!私は以前、M3/ M4を購入するなら「サキール・オレンジ」がいい!と申し上げました。

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この時、ついでに内装もサキール・オレンジ、トリムはカーボンと申し上げましたが・・・

なんと私の希望通りの仕様が目の前に!これはテンション上がりました!いかがですか?雰囲気あっていいですよね?

実は自分でも内装までサキール・オレンジはちょっと派手かな?と思っていましたが、全然そんなことはありません。ギラギラした感じではなく、少し落ち着いた感じのオレンジ、そう、ブラッドオレンジジュースの色ですので、派手派手しく見えません。

もうこの時の私の顔はこれ以上ないくらいに笑み崩れていたと思います。でも、実は私がM4に乗るのはこれが初めてではありません。以前、高速試乗会で、オースティン・イエローのM4コンペティションパッケージに試乗しております。

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この時も相当にテンションが上がりましたが、実際に自分が欲しい仕様を目の前にするとやはり違います。なんと言ういか、欲しい気持ちが倍増すると言いますか(笑)。

ともあれ、そうそうゆっくりと眺めている時間もないので早速乗り込みます。初めてではないので操作に戸惑うこともありません。

M DCT Drivelogic。

ここで私、気づきました。シフトレバーの右側、上からタコメーターの絵(エンジンレスポンス)、ダンパーセッティング、ステアリングセッティングとなっていたはずですが・・・ダンパー部分に絵が書いていません。

これを突っ込んで聞いてみると、電制ダンパーは他のパッケージオプションに含まれるようになったとのこと。もし自分で購入するならつけたいところではありますが・・・意外と需要がなかったのかもしれませんね。

LCI後の仕様と言うことで、インストルメントパネルも最新のBMWと同じですね。

ところで、このシフトレバーの下にあるボタンなんですが、今更ながら初めて存在に気づきました。出発するときには、

「これを押してください・・・あ、そうです。そしてここが3つ点灯している状態だと気持ちよく走りますよ。」

と言われました。

これが一つの時。

タコメーターの下、「D」の文字の横に一つ付いていますね。そして次に二つの時。

3つの時。

運転し手からわかったのですが、どうやらこれ、私の320dツーリングで言う「ドライビング・パフォーマンス・コントロール」的なもののようです。一つの時は、ちょっとレスポンスが鈍くなっているような気がしますし、回転もさほど上がって行きません。住宅街を走り時などに良いかと。

そして二つの時は、まあ、普通にレスポンスの良いスポーツエンジンです。3つともなると、結構高回転まで引っ張るので、深夜の住宅街では控えた方が良さそうです。

まあ、それはいいとして。

早速エンジンをかけて出発しましょう!

とにかく気持ちの良いエンジン

エンジンをかけた瞬間、「ブオン!」と方向をあげて、その後も戦闘機な音でのアイドリング音がしています。が、エンジンがかかる瞬間も、戦闘的なアイドリング音を撒き散らしている間も振動は皆無です。

これは驚くべきことだと思います。普通であれば、いかに直列6気筒エンジンと言えども少しはエンジンの振動が伝わってくるはずです。なんと言うか、音とイメージが合わない振動のなさですね。これはかなり快適性にも期待が持てます。

ブレーキをそっとリリースして・・・も動きません(笑)。私、この勘違い、前に高速試乗した時も、もっと言えばM2でもやってしまったのですが、学習効果がありませんね(笑)。M DCT Drivelogicは、MTをベースにクラッチを自動操作にしたものですので、トルコンはありませんから当然なんですけどね。

そしてゆっくりとアクセルを踏んで駐車場を後にし、前を走る青梅街道に出る際にブレーキを踏みますが・・・。

ガックン。

320dツーリングと同じ感覚で無造作にブレーキを踏んでしまいました。このM4、コンペティションパッケージではないので、セラミックコンポジットのブレーキではなく、通常の鋳鉄ブレーキなのですが、エラく強力です。ちょっとした踏力で強力なストッピングパワーを発揮しますし、踏力に応じてリニアにストッピングパワーを増していくタイプですね。

さて、いざ幹線道路に合流ですが、事前にシフトレバー横のスイッチでComfortを選んでいたこともあって、さほどうるさくない程度のエンジン音で加速して行きます。が、この加速感は強烈です。トルコンが介在しないのでダイレクト感があるのはもちろんなのですが、十分以上のパワーって一般道のちょっとした走行でもこんなに気持ちの良いものかと。

私はクルマの切れ目で発車したのでそんなに急いで流れに乗るべく急加速をする必要はなかったので穏やかに発進したのですが、それでも自分の思い通りの加速をする柔軟性を持ち合わせるだけでなく、さらなる高性能を秘めていることを十分予感させるエンジンフィールです。この時点でかなりしびれました。

幸いにして私が向かった方向は流れもよく、時に瞬間的に強い加速も楽しめましたが、それはもう、頭が後ろに置いていかれるほどの加速です。普段自分が乗っているクルマ以上に加速がすごいクルマに乗ると、視界で景色が流れる速さが頭で処理するキャパを超えますよね?あの感覚が手軽に味わえます(笑)。

実用に耐える乗り心地

しばらくして裏道にそれて、一般的な東京の多摩地区の片側1車線の道路を流します。こんな場面でも高性能車らしからぬ柔軟性で、1,500rpmしか回っていないところからでも加速を受け付けるなど、柔軟性は抜群です。

そして、私がいつも市場で通る道には道がかなりあれている箇所もあります。こうしたところを通ると、さすがに硬質なショックが伝わってきますが、例えば段差のあるマンホールを踏み越えた時などは、ショックすら伝えず(もちろん姿勢も全く変わらず)バネ下だけで処理しているかのようなフラットなやり過ごし方をします。

この乗り心地、やはりダンパーは固めにセッティングしてあることが伺われますが、非ランフラットタイヤ(銘柄は前と同じミシュラン・パイロット・スーパースポーツでした。)のダンピングで乗り切っていることがよくわかります。いや、もしかしたら、結構な段差のマンホールもショックもなくやり過ごすことを考えると、M4もALPINAのように初期ストロークを柔らかめに設定しているのかもしれませんね。

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ただ、もしそうだとしても、その領域はALIPNAに比べてごく狭い領域であることは間違いありません。

道路自体がひどく荒れ、うねっているところではかなり体が揺さぶられます。「う、うああ」と思わず声が出るくらい(笑)。まあ、そこまで道が荒れているところってあまりないですが、逆を返せばそれだけロードホールディングに優れていて、路面を忠実にトレースしている、ということになるのでしょう。

私が出した結論としては、ALPINAほど日常使いに向いているとは思えないけれども、十分可能である、というように思えました。特に、家族持ちの方にはちょっとキツイかもしれません。

あ、でも私一度見たことあるんですよね、M4に家族らしき4人で乗られているのを。それを見た時には「良いなー、でも乗り心地大丈夫?」と思っていましたが、ある程度慣れの問題もあるので、これは人によるとしか言えないでしょう。

私はどうか?と言われると、正直ちょっとキツイと思います。

M4の存在意義

短い市場を終えて夢心地で戻ってきてからも飽き足らず、矯めつ眇めつ眺めておりました。

いやー、本当にかっこいいです。特にリアフェンダーのグラマラスなラインなんかなんとも言えないですね。

さて、私の用途、家族でドライブするにはちょっとキツイかな・・・という乗り心地のM4でしたが、ドライバーズカーとしては一つの頂点を極めていると思います。

柔軟性に溢れながらも2面性を持つエンジン。実際、シフトレバー横のボタンでモードをSportにしたら排気音まで代わってレスポンスもよくなります。このモードと、シフトレバー下のボタンで、運転している状況に応じていかようにもクルマの性格を変えることができます。

そして、実用に耐える乗り心地。家族での用途にはキツイと行っていますが、私個人は全然OKです(笑)。先にも申し上げた通り、このファームな乗り心地というのが優れたロードホールディングを実現していると思えば、一人で気ままにドライブしている時などはむしろ安心に繋がりますよね。

ここでまた思い出してしまいました。荒聖治選手がおっしゃっていた言葉。

「この高いパフォーマンスは、余裕につながる。したがって、M4の高いパフォーマンスを理性を持って制御すれば、これ以上の安全性能はないんです。」

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これこそ正にM4の本質なのではないでしょうか?つまり、かなり刺激的ではあるけれども、その高性能を解き放つか否かの判断には理性が必要とされ、そしてその高いパフォーマンスで究極の安全性能を提供する、ということです。

M2はパワーも多少M4より抑えられておりますが、似たような性格を持っています。ですが、M4はさらに高出力で、さらに刺激的です。ということは、M4に求められるのは「オトナな判断力を持った紳士」ということになるのではないでしょうか?

荒聖治選手の言葉、本当に深いですよね。この言葉を聞いていなかったら、このようにM4を理解できたどうかわかりません。

でもやっぱり楽しいクルマ

乗り心地に文句をつけたり、理性が必要だと言って見たりしていますが、M4に与えられる刺激は、M2と同じく、私たちクルマ好きが言葉に表せない・表していないだけで、誰もが持っているクルマへの憧れというものを呼び起こしてくれます。

ALIPNAと決定的に違うのはその点だと思うんです。私はALPINA派ですが、Mに乗るといつも揺らいでしまいます(笑)。それはMがドライバーに語りかけてくる、「クルマを操る根源的な喜び」というのがあまりに享楽的でわかりやすく、納得感に溢れたものだからです。

MかALPNAか。

これは全てのBMWファンにとて永遠の課題となる究極的な話題ですよね。私は当ブログで何度か、「宝くじが当たったらALPINAが欲しい!」と戯けた妄想を吐露しておりますが、今回M4に乗って、「いや、M4と迷うな・・・」という思いが湧き上がってきたことを告白しておきましょう。

では、今回はこの辺で失礼します。ありがとうございました。