以前ご紹介したToto BMWさんが開催したイベント、Mフルラインナップ高速試乗会、行ってまいりました!もう、興奮しっぱなしの高速試乗体験でしたので、熱が冷めやらないうちにご報告したいと思います!
予約取れるのかな?
いただいたハガキには「完全予約制」と書いてあって、なんだかエクスクルーシブ感漂う雰囲気が醸し出されております。なんだか私なんかが行っていいんでしょうか?と思いつつ、心配しなくても多分もう予約はいっぱいだろうから大丈夫!と気軽に電話することにしました。
当ブログでご紹介した翌日、Toto BMWさんの営業時間になるのを待って、電話してみます。
私「あのー、えっと、明日のMフルライン高速試乗会って・・・まだ空きがあったりしますか?」
Toto「あ、はい。車種によっては空いてますよ。ご希望の車種は何でしょうか?」
あ・・・どうしましょう。いいんでしょうか?本当にいいんでしょうか?
私「えっと・・・じゃあM4とM6・・・とか・・・」
動揺している割には図々しく2台も頼んでしましました(笑)。
Toto「えーと、M4は午後2時から空いてますよ。1回1時間半なので、じゃあ3時半からM6ですねー。」
あっという間に2台も予約されてしまいました(笑)。ええい、ままよ!こうなったら腹をくくって行くしかありません!
翌日。
私もToto BMWさんのお店には何度も行ったことはありますが、さすがにボディショップ、要するに板金修理工場に行くのは初めてです。
場所は関越道所沢ICからすぐのところで、高速試乗会も関越道を使用して行います。ただ、天候が悪いとはいえさすがに3連休初日。関越は所沢から先、鶴ヶ島JCTまで渋滞との情報が出ています。
試乗はIC一つ分を往復とのことでしたので、これは川越ICじゃなくて練馬IC方面に行ければいいけどなーと思いながら、所沢ボディショップに到着です。
大きな板金工場です。ちょうどF30のM Sportがリフトアップされて板金修理中でした。
中々見れない光景です。もうこの時点でテンション上がりまくりです。そして向かいが塗装工場になっていました。ブースの中ではMINIが塗装中でした。
まあ、そんなことよりMです。まずはM4です。鮮やかなスカイブルー系の「ヤス・マリナ・ブルー」という色です。派手です。派手すぎます。でもキレイです。
ですがこの色、よーく見るとベタな水色ではなくてちゃんとキラキラしたフレークが入っているメタリックカラーなんですね。
とここでいきなり衝撃の一言が。
「すみません。M4がパンクしてしまいまして。修理はしたんですが状態がまだわからないので・・・申し訳ありませんが・・・」
ガーーーーーーン!ショックです。
「・・・で、M3でもいいですか?」
人の話は落ち着いて最後まで聞きましょう、という典型ですね。1も2もなくOKしますが、ちょっと戸惑いが・・・もちろん現地に着いた時点で目に入っていましたが・・・M3はもっと派手なんです。それがこちら。
じゃん。
はい、M3といえばのオースチン・イエローです。辛子メタリックです。隣でi8がドアオープン!ですが、それが霞むほどの存在感です。
こんなのに乗ってたら連休初日の高速道路、目立って目立って覆面パトカーに付け回されること請け合いです。
ですがこれ、見ているうちにM3にはすごく似合っている気がしてきました。
さあ、同乗していただくご担当のUさんも到着し、いよいよ運転席へ!
運転席の光景
まず乗り込むと、メーターパネルに「M3」の文字が出ていて気分を盛り上げます。
そしてエンジンオン!
太いエグゾーストノートが辺りに響き渡り、嫌が応にもこのクルマが只者ではないことを主張します。メーターパネルの表示もこの通り変わり、準備OKです。
そして、Mモデルにはステアリングに「M1」と「M2」のボタンが付いています。これはエンジンの反応・ダンパーの減衰力・ステアリングの重さをそれぞれComfort/ Sport/ Sport Plusに変更できるものです。
あらかじめ「M1」ボタンにはそれぞれSport/ Comfort/ Comfort、「M2」ボタンにはSport/ Sport Plus/ Sportが設定されていました。
さてここでM DCT Drivelogicを手前に引いてDに入れて出発です!
一般道での乗り心地
まずは「M1」ボタンでComfortの乗り心地を試します。
走り出してすぐ気づいたのは、乗り心地よりも何よりもまずはエンジンの遮音の良さと振動のなさです。さすがに完全バランスのストレート6、全く振動はありません。大げさでなく全くです。この辺り、以前試乗したM2のビリビリした緊張感とは全く違います。
そして乗り心地ですが、太いタイヤがゴツゴツしているのはわかるのですが、細かい揺れはありません。個人的にはM Sportの乗り心地は細かい揺れが多くて苦手なのですが、これはそれとは違います。ダンパーの動きは制限されているものの最初のアタリは柔らかく、突き上げというものがないんです。なんとも不思議な感覚ですが、これを助手席のUさんにお話ししたところ、
「ダンパーの制御が優れているというのはありますし、ランフラットじゃないのでアタリが柔らかい、というのがあるんでしょうね。」
とのことでした。なるほど。そうはいっても履いているのはミシュランのPilot SuperSport、サイズはフロント255/35R19、リア275/35R19という極太タイヤですよ。あ、言い忘れましたが、試乗車はオプションのブラックの19インチの鍛造ホイールを履いています。
所沢ICまでの一般道は国道463号という、埼玉県の大動脈とも言える幹線道路ですが、それだけにトラックが多く、所々道が荒れています。そこをなんということもなく走り抜けていきます。
ただ、タイヤノイズはかなり盛大です。そりゃあ、これだけの極太タイヤを履いていればしょうがないですよね。
高速へ!
所沢ICまできましたが、先ほどまであった下り線の渋滞もすっかりなくなっていました。そこで川越方面へ行くことにし、料金所から新潟方面へと分岐して、本線の加速路に入ります。
ここがチャンスですね。何って、フル加速の。
踏もうとしました。それがアクセル開度が半分くらいでもうのけ反る加速です。頭が光景についていきません。ですがあっという間に100km/hに到達。
本線は流れているものの、渋滞の名残かそこそこの交通量があります。ここは無理せず素直に流れに乗って走ります。
高速に入るとお隣のUさんがシフトレバー脇のスイッチで設定を変更してくださいました。Mボタンで変更するのをすっかり忘れてましたが、エンジンレスポンスをSport、ダンパーの設定をSport Plusへ、ステアリングの重さもSportに変更です。
するとはっきりと変わりました。ダンパーはより締め上げられ、ステアリングはしっとりと重くなります。
これは高速走行が劇的に楽です。100km/hなんて、市街地の50km/hくらいに感じられるほどに余裕があります。この時、お台場の100th アニバーサリーツアーで荒聖治選手が言った言葉がまざまざと蘇りました。
「この高いパフォーマンスは、余裕につながる。したがって、M4の高いパフォーマンスを理性を持って制御すれば、これ以上の安全性能はないんです。」
特に「理性」が欠けてはいけませんが、これはこのことかと、身にしみて納得しました。
ちなみに、タイヤノイズは相変わらずですが、助手席のUさんとこのような会話をしている間に声を高めなければ聞こえない、などということは全くありません。私の320dツーリングと比べると絶対的な音量は大きいですが、例えばプリウスなんかと同じレベルのノイズですね。
乗り心地というか、運転している方としてはそれよりもステアリングから伝わってくる確かな接地感とビタっと安定して直進する安定性が絶大な安心感をもたらし、どこまででも走っていけます。
正直、Mモデルって、乗り心地やノイズという快適性の面で、実用にはかなり厳しいんじゃないかというイメージを持っていました。確かに過去のモデルはそうだったらしいのですが、現代のMモデルはゴリゴリ実用に使える、というか使うべきクルマですね。
そして川越ICを降りてから一般道で折り返し、再び川越ICから所沢ICを目指します。
今度こそ、加速路でフルスロットルを踏んでみました。
もう、その瞬間飛んで行ってしまうんじゃないかと思うような加速。後ろの席では息子もきゃあきゃあはしゃいでいます。
ここでエンジンレスポンスをSport Plusに変更します。するとクルージング状態にも関わらず、ギアは7速から5速にシフトダウンされ、戦闘準備完了です。
上り線は時間帯の関係もあり比較的空いていました。そこで一旦スピードを落として周りにクルマがいなくなったところで中間加速を試みてみました。80km/hから半分くらいアクセルを踏んだだけのの加速だというのに先ほどのフル加速に勝るとも劣らない加速を見せつけます。
こういう瞬間的な加速力が必要なシーンって、高速道路で少なからずありますよね。後ろから猛スピードで迫られた時など、私は少しでも早く追い越しを完了して走行車線に逃げたくなります。こういう時に非常に有用です。
もちろん、その気になってフルパフォーマンスを発揮したければ、サーキットなどのクローズドのコースでレーシングカー顔負けのパフォーマンスを発揮出来るんですよね。
なんとも贅沢なクルマです。
そしてブレーキですが、私はUさんに思わず、「足の裏に『でっかいディスク挟んで止めてます!』感が伝わってきます。」と言いましたが、これがすごく安心感につながります。専門的には「剛性感」というのでしょうが、とにかくどこからでも、どんな高速からでも確実なストッピングパワーを発揮してくれる信頼感というのはすごいです。もちろん、今回はそれを試す機会はありませんでしたが、そのようなブレーキにもかかわらず低速でのコントロール性も優れていて、鳴きもなく、本当にフールプルーフに扱えるようになっています。
試乗を終えて。
いやー、アクシデントによりM4から急遽M3へと試乗車が変更になりましたが、衝撃的な試乗体験でした。
M2の時も感じましたが、一言で言うと、最新の技術とデバイスを使用しつつも、昔ながらの「クルマの楽しさ」を濃厚に、かつ非常に高いレベルで表現しています。
こんなクルマが、かなり高額とはいえ市販車として存在すること自体が驚きです。繰り返しになりますが、「こんなパワーどこで必要なんだ」「200km/hでの高速安定性なんか日本では必要ない」という話はありますが、それは「乗ってみてから言ってください」と私は今は自信を持って答えられます。
さて、そんな余韻に浸って(というかきっと満面笑み崩れて気持ち悪かったかもしれませんが)いる間もなく、次はM6に試乗です。これはM3よりもさらなる衝撃的な体験でした。
長くなったので、M6編は次の記事で分けてお伝えします。ここまでお読みいただきありがとうございました。