40代子持ちのクルマ好きが、愛車のBMW 320dツーリングを評価するとともに、ちょっとだけ日々を楽しくするクルマのある生活の話題をお届けします。

BMWがCESで意欲的な宣言。自律運転車を2017年中にテスト!

BMW

最近自動車の報道を見ていると「CES」という言葉が非常に目につきます。そのCESでBMWがすごい宣言をしました。今年中に自律運転車を公道に放つというのです。

CESって?

CESといいうのは「コンシュマー・エレクトリニクス・ショー」という非公開の展示会です。

かつてCESといえば3Dプリンターなど画期的な家電の新製品が発表される場でしたが、最近は自動車メーカーの出展が目立っています。現在アメリカのラスベガスで開催中のCES2017ではトヨタ・日産・ホンダも出展しています。同じようなショーとしては日本ではCEATEC JAPANというのがありますね。

さて、家電の見本市になぜ自動車メーカーが?もちろん、それはAIをはじめとした全自動運転技術の展示のためですね。

これからはクルマ好きも「家電の見本市」に注目が必要です。

家電の見本市ですので、発表される商品はそれなりに面白いものが多いので、これまでも注目されていた方もいらっしゃるでしょう。今回でいえば、例えばノックすると中身が透けて見える冷蔵庫が出展されていたりですとか、未来の生活を思い描けるような夢のある製品が発表されていますね。

で、BMWが発表した内容です。

CES 2017:BMWとインテルは2017年中に「自律走行車40台を一般道に」

開催中のCES 2017にて、BMWとインテル、モービルアイの3社は、2017年末までに自律走行車40台のテストを一般道で実施すると発表。彼らはまた、自律走行車のオープンプラットフォームづくりへの協力を競合他社に呼びかけている。
TEXT BY JEREMY WHITE
TRANSLATION BY MISAKO ASANO/GALILEO

BMWがCES 2017で発表したコンセプトカー。
BMWがCES 2017で発表した、次世代のインテリアを備えるコンセプトカー。PHOTOGRAPH COURTESY OF WIRED UK

BMWは、インテルおよびモービルアイ(運転者支援システムを開発するイスラエル企業)と共同で、2017年末までに40台の自律走行車を使った一般道でのテストを実施すると発表した。

米ラスヴェガスで1月5日~8日まで開催されている「CES」(Consumer Electronic Show)で合同記者会見を行った3社は、BMWの「7」シリーズにインテルとモービルアイの最新技術を採用し、米国と欧州でテストを始めると述べた。

3社は、すでに2016年7月、協力体制を取ることを発表している。今回の発表で彼らは、自動車の開発や製造に携わるほかの企業も取り入れることが可能な、拡張性のあるプラットフォームを構築する必要があることにも言及している。

グーグルはすでに、自律走行車システムの開発をかなり進めている。アウディやメルセデス・ベンツをはじめとする多くの企業も同様の動きを見せており、アップルも自律走行車の開発を行っていると考えられている。

しかし、BMWやインテルのような大きなブランドが競合他社に協力を呼びかけ、自律走行車の標準プラットフォームをつくろうとするのは初めてのことだ。多数の自動車会社が、このプラットフォームに改良を加えてよりよいものにし、それぞれ異なるモデルを提供することができると期待されている。

BMWの開発部門を率いるクラウス・フローリッヒ取締役は、「2017年はこの合同技術を採用した多くの車両を実際の道路でテストします。これは、2021年にリリースするBMW初の完全自律走行車『iNEXT』に向けた重要なステップなのです」と語った。

BMWのコンセプトカーが備えるホログラムのタッチスクリーン。

BMWのコンセプトカーが備えるホログラムのタッチスクリーン。PHOTOGRAPH COURTESY OF BMW

同じ記者会見でBMWは、未来のクルマの内装についてのヴィジョンを示すコンセプトカーも発表した。

このコンセプトカーは、マイクロソフトの人工知能「Cortana」(日本語版記事)を搭載しており、「接続された世界」における自動車のコントロールシステムのあり様を示している。後部座席に座った人が映画などを楽しめる天井収納型のワイドスクリーンを備えているほか、パーソナライズされたオーディオゾーンがあり、乗車した人それぞれが異なるメディアを楽しむことも可能だという。

さらに、超音波を使って触覚的なフィードバックを与えるホログラムのタッチスクリーンも特徴的だ。

いかがでしょう?このうち、ホログラムの件については以前ご紹介しましたね。

未来のBMWはワトソン君と一緒にドライブして、ホログラムで操作。

この時はBMWとIBMの提携が発表されたばかりでしたが、今回CESに出展されているクルマはまだWatsonの搭載が間に合わずにMicrosoftのCortanaだったようですね。

BMW+IBM+モービルアイ=自律運転車

モービルアイについても以前当ブログでご紹介した企業です。

自動運転の波はすぐそこまで。

最近では、話題になった日産セレナの「プロパイロット」にも搭載された、「目」の役割をするカメラがモービルアイのものでしたね。もちろん「目」と言っても写すだけではないのでしょう。その後の画像処理も行うシステムも含んでいるのでしょう。

そして、これでようやくBMWの未来像が見えてきましたね。この章のタイトルの通り、頭脳はIBMのWatsonが司り、モービルアイが見たものを判断するのが、これからのBMWのクルマです。

そして、これからは私も「自動運転」という言葉を使うのをやめます。その代わり「自律運転車」と呼ぶことにします。

「自動運転」という言葉、適切な言い換えが思い浮かばなかったので使っていましたが、あまりに陳腐な言葉ですよね。この言葉ではクルマが完全に運転者を必要としないニュアンスも伝わりませんし、今現在のドライバー支援システムを「自動運転」と言ったりしていて誤解の元となっている言葉ですので、実は大キライです。こうした感情が混ざってどうしてもしっくりきていなかったところにこの記事で「自律運転」という言葉を見たものですから、見た瞬間に「これだ!」と思いました。

早速、パクらせていただきます(笑)。

もしかして、結構早く自律運転車が市販されるのかも?!

それにしてもかなり意欲的です。たった40台ですが、今年中に自律運転者が走り出すことになろうとは・・・。もちろん、初期のものはまだまだでしょう。恐らく「車庫から車庫まで」の自律運転は実現できないかもしれません。ですが、道のりの大部分を運転できるようになり、且つ小型化されて安価になれば、高齢化社会の切り札となる可能性がありますよね。

当ブログの読者様からも同様のご意見をいただいていますが、私も全面的に賛成です。最近の報道では、例えば2016年中の事故による死亡者が、67年ぶりに4,000人を下回った、という記事でも一部では「そのうち高齢者の比率が○%と高い」という、非常に恣意的な記事が見られました。当たり前ですよね。高齢者の数が増えているんですから。確かに高齢者の人口増加よりも、事故を起こす高齢者の割合の増加の方が大きいのは承知しています。だからと言って、世の中に溢れる「免許返納」だけがソリューションとは思えません。

こうした問題は、自律運転車の普及により解決できます。しかも、できればこのサイズのものです。

Timesのカーシェアリングに超小型EV登場!BMWも作れそうな気が。

あるいはせいぜい今のSmart for twoくらいのものですよね。ついでにロードスターもあれば楽しいかもしれません。

そう、自律運転者は高齢者にとっても自立した生活を送るための非常に有効な道具となる可能性が大きいんですよね。しかも、日本という国にとっては、すでに待った無しだということは強調してもしすぎることはないでしょう。

私自身、これから通る道です。そしてもちろん、これから通る未来は明るいものであって欲しいと思っています。このニュースは、少しでもそれを現実に夢みさせてくれるものでした。

では、今回はこの辺で失礼します。ありがとうございました。