40代子持ちのクルマ好きが、愛車のBMW 320dツーリングを評価するとともに、ちょっとだけ日々を楽しくするクルマのある生活の話題をお届けします。

i3は十分な航続距離を持っているのか?カタログ通り120kmも走れる?

BMW

代車で借りたi3ですが、これを機に色々と観察してみました。レンジエクステンダーなしのピュアEVということで一番気になるのは航続距離と充電ですよね。まずは本当にカタログスペック通りに120km走れるのか、実際に走ってみた結果をご報告します。

ディーラーで満充電の状態から出発!

満充電状態ですと、目の前のメーターパネルには航続距離は120kmと表示されます。これはカタログスペック通りなので当たり前といえば当たり前なのですが、問題はそこからの減り具合ですよね。

これが以外と減らないんですよ。ガソリンやディーゼルのクルマですと、表示されている航続可能距離というのは燃費によって変動し、市街地を走っているとどんどん短くなっていくものですが、そのようなことはありませんでした。

これは、回生ブレーキによる充電が効いていると思われます。

回生ブレーキって何?

回生ブレーキとは、停止する際のエネルギーを電気に変えて充電する仕組みです。クルマはアクセルを離してもブレーキをかけない限り惰性で走り続けますが、この惰性を利用して発電機を回し、失われる運動エネルギーを回収するのが回生ブレーキです。

i3はピュアEVとして、もちろん回生ブレーキが付いています。付いているどころではありません。回生「ブレーキ」というだけあって、かなりの抵抗を発しているのが実感できます。

回生ブレーキは他のクルマでも使われていますが、私は初めて回生ブレーキというものを体験したので、一般的なものがどうなのかわかりません。ですがとにかくi3の運転は、この回生ブレーキのおかげでかなり独特の感覚です。

どういうことかというと、ブレーキペダルを踏む必要がないんです。

通常、回生ブレーキというのは、従来の油圧シリンダーを使用しているブレーキと協調制御されます。したがってペダルを踏んだ時にまずは回生ブレーキが作動して、その後にブレーキパッドがローターを挟み込むブレーキが働くのですが、i3はそうではありません。

アクセルを離すと即、回生ブレーキが最大に効き始めます。どのくらいかというと、日本的な基準だとちょっと強いくらいの減速度を発揮します。したがって、一般的な街中の流れではアクセル開度を調節しながら減速も行う必要があります。

こういうと面倒な気がするかもしれませんが、少し運転するとすぐ慣れ、しかも楽です。いつもブレーキを踏むタイミングでアクセルを緩め始め、最後は完全にアクセルから足を離せば、ブレーキペダルを踏むことなく停止します。その際に、運転席前面のメーターパネルでは、スピードメーターしたの半円状のメーターが左側の「CHARGE」に触れて、充電していることを示します。

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これは停止中ですが、白いインジケーターが左に行く、ということです。

カタログで見ると、こうした運転をBMWは「ワンペダルドライブ」と呼んでいます。

加速力はすごい!

i3の最高出力は、125kw(170ps)/5,200、250Nm(25.5kgm)/100-4,800です。タイポじゃないですよ。100回転から最大トルクを発生しています。これはモーターの特性ですね。低回転域からものすごい力を発揮するという。

しかも、もはや単なるスイッチと化したアクセルペダルに対するツキの良さは抜群です。これは出発するときに、回生ブレーキの効き具合とともに注意されたのですが、M4みたいに加速しますよ!と言われました。

まあ、0-100km/h加速は7.2秒というのでM4ほどではないにしても、かなりの俊足です。実際、街中では私の320dツーリングよりも鋭い加速をします。

というわけで、見かけによらず早いので、街中で見かけても侮らない方がいいですよ。

ドライビング・パフォーマンス・コントロールのモードは3つ

さすがにSPORTはありませんが、COMFORT、ECO PROに加えてECO PRO+というモードがあります。

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「エアコン無し&時速制限90km/hでの最大航続距離」って・・・なんか日本語がおかしいですね。言いたいことはわかりますが。

COMFORTとECO PROは他のBMWと変わりありません。

ECO PRO+にしてみましたが、数キロしか航続距離が伸びませんでした。ちなみにCOMFORTからECO PROに変えた時も数キロしか増えませんでしたね。これは後でクルマをお返しする時にディーラーで伺ったのですが、エアコンは実はさほど航続距離には影響を与えないとのこと。

それよりも、「暖房が・・・」だそうです。もう如実に航続距離が減るとのこと。考えてみたらそうですよね。だって、エンジンという熱源がないんですから、すべて電力で賄わなければいけません。i3ではヒートポンプを使っているそうです。

取扱説明書を読んだ時に、航続距離を伸ばすコツとして、室温を事前に(充電中に、という意味でしょう)設定温度まで冷える・温めるようにしておく、と書いてあったのですが、これで意味がわかりました。

表示されている航続可能距離は信頼できる。

化石燃料を使用するクルマと違い、EVたるi3は回生ブレーキで充電しながら走るので、市街地でも電費が落ちません。

私が走った限りですと、車両返却まで12〜16kwh/100kmの電費でしたが、これがいいのか悪いのか想像もつきませんが、約22キロ走った時に見た航続可能距離が97kmでしたので、かなり正確です。

これは掛け値なしに120kmくらいは走行可能でしょう。

たったそれだけ?と思われるかもしれませんが、私の印象としては「意外と長い」と感じました。

i3は基本的にはシティコミューターです。大体平均速度が20〜30km/hの市街地ばかりを走って100km以上って、かなり長い時間走ることになりますし、それ以上となるとPHVの守備範囲ではないでしょうか?

さて、長くなってしまったので、乗り心地や充電も含めた使い勝手に関しては次の記事に譲ることとしたいと思います。

今回はこの辺で失礼します。ありがとうございました。