40代子持ちのクルマ好きが、愛車のBMW 320dツーリングを評価するとともに、ちょっとだけ日々を楽しくするクルマのある生活の話題をお届けします。

ハイビームにするタイミングに関する論争について思うこと。

最近、何かと「ハイビーム」に関しての論争が盛んですよね。しかしどうも核心をついていない気が個人的にはしていますので、僭越ながら私が思うことを述べさせて頂きたいと思います。

まずは今流行りのハイビーム論争を手短に。

まあ、趣旨としては「もっとハイビームを使いましょう!」という警察からのキャンペーンで始まった話です。

背景としては、夜間の歩行者事故の半数近くがハイビームにしていれば防げるはずだった、という研究結果を元にしてのことらしいです。

そして、道交法上の「前照灯」はハイビームを指すこと、ロービームは「すれ違い前照灯」と言うこと、従って基本はハイビームで走ることが想定されている、というところまでは、報道などで既にご存知かと思います。

ただ、これに対して「街中でもハイビームを使うの?」という疑問が出て来て話がややこしくなってきます。結論は人によって様々、街中は明るいからハイビームは使わなくていい、という方もいれば、街中でも対向車がいなければ積極的にハイビームを使うべきだ、と真逆の意見を述べる方もいて、クルマ好きでもなければ混乱するような事態になっていると思います。

クルマの運転で大事なこと

私は当ブログで常に、私が視界の確保を一番大事にしている旨申し上げてまいりました。

ウィンドーコーティングも雨天時の視界を少しでもよくする為、走り出す前にまずウィンドーウォッシャーを使用するのもそうです。条件が悪ければ悪いほど、視覚からの情報は大事になってくると考えています。そしてそのために、やるべきことは全てやるべきと考えています。

夜間の運転はまさにそうです。個人的には昼間の雨天に匹敵する条件の悪さだと考えていますが、ここでできるだけ広い視界を確保することは、私の考え方からすると何より大事です。

そういう意味で、ヘッドライトは明るければ明るいほど、そして遠くまで照らせれば照らせるほどいいと思います。そうはいっても、対向車が私の運転するクルマのヘッドライトに幻惑されてこちらに突っ込んでくるようなことがあってはいけませんから、限度というものはあります。

そういう意味で、最近ドイツ車に装備されている、いくつものLED球を組み合わせて、必要な部分だけライトをロービーム、あるいは消したりして他の部分はハイビームのままにする機能は私にとっては理想的と言えます。

ですが、それはほとんどの人にとってはないものねだり。まあ、LEDライトが装備されていれば御の字で、未だに暗いハロゲンライトしか装備されていないクルマだってあります。私の320dはHIDライトですので、いい方です。というか、むしろBMWの LEDライトは配光ムラがなくて照射されている範囲は欣一に照らされる上、色温度がLEDライトよりは低い(=青白すぎない)のでコントラストもはっきりして遠近感が掴みやすくて文句ありません。

障害物、避けられます?

ですが、照射範囲は、ロービームではたかがしれています。これは道交法で定められてそうなっているのでしょうがないことです。ロービームの時は照射範囲外を見ろ、とはよく言われている言葉ですが、手前の明るい箇所から照射範囲外の暗いところを見てもよく見えない、というのが実情ですよね。

しかもロービームの照射範囲って、せいぜい「前方部40mの距離にある障害物を確認できる性能を有する」程度です。これがどのくらいかというと、市街地の幹線道路でありがちな制限速度50km/hで走行していると、約2.9秒で通り過ぎる距離です。確か、私の記憶が正しければ、教習所で「認知」して「判断」し「操作」してブレーキが利き始めるだけでも2秒くらいはかかると教わった覚えがあるのですが、そうするとあと0.9秒で停止しなければいけませんよね。これって、十分でしょうか?

ということはもっとスピードを落とさないといけないことになります。そうしているとただでさえ歩行者なども多く、クルマも混雑しがちな市街地はあっという間に渋滞するでしょう。だからこそ、市街地では街灯が多く配置されて遠くまで見通せるようになっていると理解しています。

ですが、歩行者などのいわゆる交通弱者というのは市街地だけにいるのではありません。また、同じところにじっとしているわけではなく、むしろ動いている方が多いです。そのほかにも横からいきなり飛び出してきたりします。市街地だって、十分に街灯が整備されているところばかりではありません。歩道は街灯で照らされていても、車道の真ん中は見えなかったりしますよね。

ですので私は、対向車がいない限りこういうところでも積極的にハイビームにしています。街灯があっても少ない住宅街などはなおさらです。必ずハイビームにして、曲がり角などやカーブの手前ではパッシングしたりして、いるかもしれない対向車に自車の存在をアピールしたりしています。

ちなみに、ハイビームの場合には、ロービームでは40m先だった基準が、ハイビームなら100m先まで伸びます。これなら十分対処する時間がありますね。

でも、本当にいいのか気になることも。

そもそも「ハイビームを市街地でも使うのか?」という議論が起こること自体にモヤモヤした気持ちがあります。

なぜ自分で決められないのでしょう?昔読んだ運転教本的な本で、故徳大寺有恒氏の著作がありましたが、その中に、欧米のドライバーから見ると日本のだライバーのレベルは、自分で何も判断できない若者のようだと揶揄されていることが書いてありました。

私はそれを読んで悔しい気持ちになったのを覚えています。確かに、日本では制限速度も低いです。私自身、新婚旅行でドイツに行った時に走っていて、周りのあまりの周囲の交通の速さとスムーズさに驚きました。でも、やっぱり流石に子供並みではないだろうという気持ちが残っていました。

ですが、「ハイビームって、市街地でも使っていいの?」なんていう疑問が出てくると、悔しさを通り越して、前述の欧米からの揶揄を「おっしゃる通りでございます。」と受け入れるほかはありません。他車の迷惑にならず、自分が加害者になりたくないのであればハイビームにすればいいではないですか?もちろん、ハイビームにしていることを忘れてそのまま走行し続けるなんていうことは論外ですが。

反感を買うかもしれませんが、これが正直な気持ちなんです。

でも、日本では一部の方々に「ハイビーム=悪」と考える方もいらっしゃるようです。対向車や前走者がいるのにハイビームのままの車がいたりするから来た誤解以外の何ものでもないと思われますが、歩行者でもいらっしゃるんですよね。

私が自宅近くの住宅街をハイビームで走行していると、歩行者の方とすれ違います。その時、たまにいかにも迷惑そうに顔の前に手をかざしながら睨みつけてくる方もいらっしゃるんですよね。

こちらから言わせれば、「あなたを発見するためにハイビームにしているんですよ」という気持ちもあるのですが、歩行者にしてみれば「車の接近に気づかないわけないんだからこっちが避けるよ」という気持ちなんだと思います。要するに、お互い様だということですね。

歩行者の方が皆、こういう方のように自分で避けれる方ならいいですが、中には相当聞こしめしてご機嫌な方などもいらっしゃったりします。運転する立場から言うと、「万が一」を考えるとやはり迷惑がられてもハイビームにするのをやめられないんですよね。

そして、一番迷うのが自転車です。今でこそ、半数近くの自転車がライトを点灯していますが、時に点灯していない方もいらっしゃいますよね。実は私は夜間は自転車が一番怖いです。自転車の方でも、意外と人が少ない夜更けの時間帯にはのびのびと走っていたりするので、道路の真ん中あたりを走っていたりするんですよね。後ろからなら、赤い反射板にライトは反射するのでわかりやすいですが、無灯火の自転車を正面からって、歩行者と同じくらい見つけにくいですよね。しかも濃い色の服を来ていたりすると見えにくいです。しかも結構スピードに乗っていたりするので、かなり危険です。

ですが、自転車だって仮にも「軽車両」です。ですのでこうした場合、発見した場合にすぐロービームにしようと思って実際にそうしていますが、それに気を取られてその先にいる自転車や歩行者を見逃すと言うことも考えられます。十分スピードを落としているつもりでも、「はっ!」と驚くのが一番よくないですからね。

ここが未だに、本当はどうすればいいのか、未だに迷っている部分ではあります。

いかがでしたでしょうか?ちょっととりとめない話になってしまいましたが、基本的には「ハイビームを使うことをためらうべきではない」と言うのが私の基本的立場です。例えそこが市街地であろうとも、です。

ハイビームに関して、誤解が解けてくれば私が体験したように、歩行者に睨みつけられるようなこともなくなるでしょう。ただ、そのような場合でもお互いが思いやって、クルマの方は通り過ぎるまではロービームにするなどして、気分良く夜道を歩いたり、走行したりしたいですね。

では、今回はこの辺で失礼します。ありがとうございました。