40代子持ちのクルマ好きが、愛車のBMW 320dツーリングを評価するとともに、ちょっとだけ日々を楽しくするクルマのある生活の話題をお届けします。

フォグライト・リアフォグライトの功罪

どうしても昔のクルマのイメージが強い私は、フォグライトが装備されているというだけでなんだか装備が充実しているような気がしてしまいます(笑)。とはいえ、フォグライトの役割って中々理解されていないようですし、最近では違う役割も与えられていますよね。それにリアフォグなんて、もっと理解されていない気がします。

フォグ=霧

そんなの知ってるよ!と言われそうですが、なぜフォグライトが低い位置にあるのか、ハロゲンのフォグが多いのか、さらに言えば昔のフォグライトは黄色なのか、全て霧と関係ありますよね。

運転中に濃霧に遭遇されたことありますか?関東にお住いの方ですと、箱根に言ってターンパイクを登って大観山のあたりに来ると、下の方は晴れていても霧に覆われていることはよくあるので体験しやすいですね。

霧の中って、本当に何にも見えません。大観山の霧も中々のものですが、私がまだ子供のころイギリスに住んでいた時は冬の霧の凄さに驚いたものです。ロンドンっ子は「両手を伸ばしたら指先が見えなくなるほど」っていうんですよね。何を大げさな、と思いますが、本当にそうだった時は驚きました。

ちなみにドイツも結構霧が多く発生します。そうした気象環境下でもクルマでの移動が常態化しているのでフォグライトは欠かせない装備なんでしょうね。

で、この霧ですが、地面に近い方に行けば行くほど薄くなっています。

そうです。これがフォグライトが低い位置についている理由です。

霧が薄いところで光ることで周囲のクルマからの自車の被視認性が上がります。周囲のクルマからのフォグライトは自分が見るために照らすのではなく、周囲のクルマに自車の存在を知らせるための装備なんです。

ただ、霧に遭遇した際にはまずはメインライトを点灯が基本です。これは霧の中では暗いので当たり前なんですが、ここで自分が見えないからといってハイビームにしたって、視界が真っ白に輝くだけで、視界が効くようにはなりませんよ(笑)。

そして濃くなってきたらフォグライトを点灯、というのが正しい使い方です。その証拠に、BMWではフォグライト単独では点灯できません。必ずメインライトが一緒に点きます。

あくまでフォグライトは補助ライトなんですね。

さて、ここまでくるとなんでフォグライトの色は昔は黄色だったのか、もうお分かりですね?

霧のように真っ白い視界の中ではコントラストが効かなくなってくるので、色が付いていた方が視認しやすいんです。というわけで、色温度の低い黄色でコントラストを強めて被視認性を上げているんですね。

フォグライトの別の役割

先にも述べたように。フォグライトはメインライトの補助ライトでしかありません。ですので街中で点灯することが私の言う別の役割ではないですよ?街中でフォグライトを点灯するのは、ハイビームと同じくらい眩しいのでやめましょう!

私の320dツーリングには付いていませんが、BMWの各モデルにはモデルによっては標準で「コーナリング・ライト」がついていますよね。この機能、ヘッドライトがステアリングの舵角によって動くのはもちろんですが、交差点などでは曲がる方のフォグライトのみ、点灯します。

以前1年点検の際にお借りした代車のActivehybrid3にこの機能が装備されていましたが、かなり横の広い範囲をフォグライトが照らしてくれます。実は私、カタログでこれを見てから時々やっているのが、夜の住宅街で曲がるときにフォグライトを点灯する、というもの。要するに、「手動コーナリングライト」です(笑)。

意外と住宅街って、角の塀は削られていて曲がりやすくなっているのに、飛び出てあるところに大きな石を置いてあったりして、下回りをぶつける危険があります。

そこでこの「手動コーナリングライト」をやっていると、こうした障害物も事前に見つけられるというわけです。

本当に、「こんなに?!」と思うほど横の方まで照らしてくれるので、一度お試しください。

リアフォグは自分には恩恵がないけれど。

はい、はっきり言って通常の使い方では直接恩恵を感じることはありません(笑)。だって、これも濃い霧の中で被視認性を上げるための装備なんですから。

ちなみに、このリアフォグって、大抵の国産車では寒冷地仕様を選択しないとついてこないんですよね。輸入車、というかドイツ車はおそらくどんなモデルでも装備しているでしょう。それはそうですよね、だってドイツって寒冷地ですから。

で、せっかくついている装備だから使わないともったいないと思っているのか、あるいは使い方を知らないのか、それとも単に誤って点灯したまま消し忘れているのか、これまた街中で点灯しているクルマが時々いますよね。

そしてここからは、私が常々感じている、切実なお願いです。

霧も出ていない街中でリアフォグを点灯するのは、絶対にやめてください。ちょうど自分の前を走られた日には眩しくてしょうがありません。

リアフォグって、ブレーキランプと同じ明るさで点灯します。しかも最近のクルマでLEDのリアフォグを装備していると、光がダイレクトに目に入っていてメチャクチャ幻惑されるんです。

もし、「だってせっかく装備されてるんだから使わないと損だろ?」と思っている方、一度リアフォグを点灯して、自分で後ろに回って3分間見てください。私の言っている意味がわかると思います。

私が使うのは、霧の時はもちろんですし、激しい雨の高速でも昼夜問わず点灯することがあります。これは、走行した時のウォータースクリーンで自車が後続車から見えなくなるからです。

もちろん、消灯は忘れずに確認しています。まあ、正直言って滅多に点灯しませんけどね。

ちなみに、点灯時にはこのようにオレンジ色でメーターに表示されます。

ちなみにフロントフォグの時は、このオレンジの左側に緑色で表示されます。前は緑、後はオレンジと覚えましょう。この写真でも、リアフォグとともにメインライトも点灯しているマークが上に出ていますよね。

念のため、スイッチはこの写真の上下に並んでいる下側です。ブラインドタッチでも間違えないよう、上のフロントフォグのスイッチは窪んでいて、下のリアフォグのスイッチは膨らんでいます。

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先ほど私は「リアフォグは滅多に点灯しない」と言いましたが、ある別の用途で点灯することがあります。それは車庫入れの時です。

地方の山間部の宿などに旅行に行って帰りが遅くなったりすると、駐車場は真っ暗!ということがたまにあります。以前高知に行った時に宿泊したあるお宿がそういうところでした。あ、どうでもいいですがこのお宿、「ランフラットタイヤパンク事件」の時のお宿です。

ランフラットタイヤのススメ

あ、リアフォグですよね。バックする時の視界が暗い時、私はブレーキを利かない程度に踏んでブレーキランプを点灯させてバックアップランプの補助にします。でも、最近のブレーキライトって結構面積が小さいので、あんまり明るくならないんですよね。真っ暗なところだと光量が足りないので、こういう時にリアフォグを点灯して補助とするわけです。かなり明るくなりますが・・・そもそもそんなに真っ暗な駐車場に、真っ暗な時に止めることもあまりないので、まあ、これも滅多には使いません(笑)。が、知っておくと役に立ちますよ。

せっかく装備されているんですから、周囲の迷惑にならないで有効活用できる方法で使いたいですよね。

特にリアフォグの消灯忘れは、後方車のハイビームと同じく知らせる手段がないので本当に困ります。くれぐれも気をつけて使用しましょう。自戒の意味も込めて、ですが。

では、今回はこの辺で失礼します。ありがとうございました。