試乗記を見ていたり、メーカーのサイトを見ていると「運転しやすい」という表現にぶつかります。これって、私には何も伝わってこない表現なのですが、どういうことなのでしょうか?
クルマ専門サイトでその表現ですか?
時折、クルマ専門のサイトでもこうした表現を目にすることがあります。まあ、私はCGというある程度ディープにクルマを趣味にしている読者向けの媒体になれているからというのもあるでしょうが、いやしくもクルマ専門のサイトでこういう表現を見ると「?」と思ってしまうんですよね。なんとまあ、責任を放棄した表現だろう、と。
結局何もわからなくて、私にとっては価値のないページになります。
この表現が狙うターゲット
私には理解不能ですので憶測にはなりますが、恐らく、クルマを趣味にしてはいない、運転もそんなに好きではないもしくはできれば面倒だからしたくない、けれども生活するうえでやむなくクルマを運転せざるを得ない人向けの表現だと思います。
でも、何をもって「運転しやすい」のでしょうか?運転にあたってストレスの感じることって、状況や運転者の得手・不得手によって様々です。
縦列駐車が苦手な方もいらっしゃるでしょうし、高速道路の早い流れが怖くて苦手と言う方だっていらっしゃるでしょう。左側の感覚が判らなくって狭い道でのすれ違いが苦手と言う方もいるかもしれません。では、そのクルマに乗れば縦列駐車がうまくできるようになるのでしょうか?高速道路の早い流れが怖くなくなるのでしょうか?左側の端がどこにあるか手に取るようにわかるようになるのでしょうか?
そんなはずはありませんよね。私はこの言葉ほど、クルマの特徴を伝えることを放棄した言葉もないと思っています。
伝える言葉は具体的であることが必要ではないでしょうか?
例えば、巨大肉食恐竜系のアメリカンSUVとベーシックカーを比べた時、ベーシックカーが「運転しやすい」と言ったとしましょう。これは世の大多数の方が同意することだと思います。
ですが、何に同意したのか?運転しやすいと聞いてなにをイメージしたのか?ということが重要です。おそらく、まずはサイズの違いからくる狭い道でのすれ違い時の運転や、狭いコインパーキングにおける取り回しのよさをイメージできるからですね。
ですが、あのような背の高いSUVにありがちな死角の多さまで想像できるでしょうか?発進するときに前に子供がいないかどうか確認しなければいけないということまで思いつくでしょうか?左折の時にフェンダーミラーを見て死角に子供がいないかどうかを確認しなければ悲惨なことになることまで想像できているでしょうか?
そこまでは思いつかないと思います。だって、SUVについているあのフェンダーミラー、よく見るとあさっての方向を向いている方、多いですよ?使用法すらきちんと啓蒙できていないわけです。
何も私はSUVが悪いと言っているわけではありません。メディアとして発信する以上、こうした読者やドライバーに向けて啓蒙することって大事だと思うんです。それには具体的な言葉でなければ伝わりません。
例えば、「ベーシックカーはSUVに比べて背の高さからくる死角が全方位的に少ないことから、左折の時などに確認する箇所が少なくて済む。したがって、運転に自信のない人や余裕がないと感じている人にとってはベーシックカーがオススメである。」といったように書かないと、それこそ運転経験の浅い人などはわからないと思います。
BMWはどうだろうか?
BMWはそうしたあいまいな表現を使用しませんね。というか、ある程度責任あるメーカーは既に具体的にそのクルマの機能を説明し、どのようなシーンでどのように役立つのかといったことをアピールしています。
特にBMWはアピールするポイントがはっきりしていますよね。エンジンとハンドリングをメインに、ドライバーをサポートする先進機能の数々をわかりやすく説明していると思います。
いきなりどうしたの?こんなこと言いだして。
私がいきなりこんなことを言い始めたのは、昨日、何気なくある記事を見ていた時にこの文言が出ていたんですよね。しかも個人ブログではありません。れっきとしたメディアが発信している記事です。まだこんな表現をする人がいるのか、と呆れ返ってしまったと同時に悲しくなってしまったんですね。
私はクルマが好きです。クルマを並べて眺めて楽しむというより、運転も好きですし、クルマを道具として目いっぱい利用して行動範囲を広げていくのが好きです。もちろんそこには道具としての愛着もあります。でもそこはさておいて、あえて言わせていただくと、クルマの魅力をそんな何も伝わらない一言で済ませていると言う事実が、日本におけるモータリゼーションの未熟度合いを示しているような気がして残念でなりません。
そういう意味では、JAFのHPとかは非常に参考になりますよ。運転のコツも非常に具体的に伝えていますし、さらに事故の起きやすい状況のケーススタディができるので、謙虚な気持ちで読むと気が引き締まります。
まとめ
でもこれ、翻ってみると、私はどうだったのだろうか、という反省にもなります。
私のブログを読んでくださっている読者の方に、BMWの魅力や、ひいてはクルマの魅力を具体的に伝えられているのだろうか、イメージしやすく表現できているだろうか、と。
そういう意味では振り返りのいい機会になりました。
今後も当ブログで更新していきますよ。BMW仲間を増やすべく!何かありましたらお気軽にコメントやお問い合わせくださいね。
では、今回はこの辺で失礼します。ありがとうございました。