ある日、高校の部活の同期から連絡がありました。何の用時かと思ったら、なんと部活のOB会とかそういった用事ではなく、BMWのいいディーラーを紹介してほしい、という連絡だったんです。
「いいディーラー、知ってたら紹介してくれない?」
これは・・・私のためにある質問でしょうか(笑)。当ブログで何度もお伝えしている通り、私がお世話になっているBMWディーラー、Toto BMWさんを紹介するに決まっています。改めて申し上げておきますと、Toto BMWさんは、BMWディーラーとしてではなく、自動車ディーラーまで枠を広げても最高のディーラーの一つであると掛け値無しに言えると思います。
そして、旧友が私にそういってきた理由を聞いてみると・・・彼はE84型X1に乗っているそうなんですが、今年車検を迎えるとのこと。ところが、今お世話になっているディーラーがどうも・・・ということらしいのです。
その気持ち、よーくわかります。別にクルマに興味があろうがなかろうが、実用として車を使っている限りは、大なり小なり必ずディーラーのお世話になるでしょう。そこが「ちょっと・・・」というディーラーでは、次もそのメーカーのクルマに乗り継ごうとは思いませんよね。
私の旧友に限らず、当ブログの読者様からもそういった声をいただくことがあります。別に「BMWだから」というわけではなく、どのメーカーでもあること、そう、日本車のメーカーでもあることでしょうが、売る時はエラく愛想よく売ってくれたのに、アフターサービスがてんでダメ、というのはよく聞く話ですし、私も過去に実際に経験しています。
BMWを購入した時のことを思い出してみると・・・
もしあなたが既にBMWのオーナー様でしたら、購入した時のことを思い出してください。きっと、納車されて何週間後かに、BMWのコールセンター的なところから電話があって、ディーラーの対応についてアンケートを受けられたこと、あるいはメールが来て、ネットでアンケートに協力してほしいと言われたこと、ございませんでしたでしょうか?
ここで、評価が5段階あると、一番評価の良い「大変良い」や、一番評価の悪い「大変悪い」ではなく、「良い」「悪い」「どちらとも言えない」などの真ん中寄りの評価を選んでしまうのが日本人の悲しい性で(笑)、私ももちろんそうなのですが、このアンケートだけはなんの衒いもなく「大変良い」を全て選べます。お世話になればなるほど、本当にそう思いますね。
これ、ディーラーとしてはもちろん全項目「大変良い」にしてもらうのが一番嬉しいそうです。ですが、こんな裏話をしつつも、「でも、正直に答えてくださいね。思った通りで結構ですよ。」なんて余裕を見せるのがToto BMWの営業さんのすごいところです。私だったら「あの〜、できれば全て『大変良い』でお願いします・・・」とかいってしまいそうです(笑)。
BMWジャパンも「顧客満足度」には気を使っているんですね。
こうしたアンケートが来ることでもお分かりかと思いますが、BMWのディーラーのサービス・対応というのは昔に比べたら飛躍的に良くなっていると思います。
実は、私はかつてモーターショーの時にBMWブースにいた方の言葉が未だに耳にこびりついて離れません。その方はBMWのスタッフの方で、来場者に無遠慮にベタベタ触られたボディを一生懸命艶出し剤を染み込ませた布で拭かれていたのですが、もう一人いたスタッフに向かってこう言っていたんです。
「こんなに触られたら傷だらけになっちゃいますよね。勿体無い。」
私も、自分のクルマの塗装面を素手で触られるのは好きじゃありません。好きじゃないどころか、はっきりと嫌です。ありえないです、手でベタベタ触るなんて。ウチの息子は幸いにしてそういうことがなく、塗装面をベタベタ触ったりしないので助かっています。
それはいいとして、その時まだ若造だった私は、心の中で反発を覚えました。
「敷居が高いBMWディーラーになんて普段行けないんだから、こういうときくらいは思う存分見せてくれたっていいじゃないか!勿体無いって、ショーに展示している時点でそういうこと(触られること)は折り込み済みだろ!」
幸いにももう一人のスタッフさんはその発言をしたスタッフさんをたしなめていらっしゃったので救われましたが、そういう発言を、あの混雑して周りに見に来ている人がいるモーターショーの場で、よくできるものだと呆れた覚えがあります。
しょうがないかもしれません。だってやっぱり「プレミアムカー」ですから。
私は、どの方からでも「BMWディーラーの対応が良くない」と聞くと、必ずこの体験を思い出します。そして、そうした対応の悪いディーラーのメンタリティって、このときに発言をした方のようなメンタリティが根底にあるんだと思うんです。言葉は悪いですが、
「気安くするなよ!BMW様だぞ!」
的な。時々、こういうメンタリティに反発して「BMWなんか高級車でもなんでもない。ドイツでは大衆車だ!」という極論を振りかざす方がいらっしゃいますが、私はそうではないと思います。ドイツでもれっきとしたプレミアムカーですよ。3シリーズよりもふた回りくらい大きいパサートが3シリーズと同じくらいの価格設定であることからも、それは客観的に明らかです。
ですが、プレミアムカーであるがゆえに、どうしてもディーラーサイドでもそうしたメンタリティを持つ方がいらっしゃると思います。それが、顧客からすると「慇懃無礼」に見えてしまうのでしょう。
Toto BMWさんは、グループ会社で色々なクルマを取り扱っていらっしゃいます。以前もお伝えしましたが、その中にはマセラーティもあり、当然ながら価格帯ではBMWの上を行くブランドです。他にも、Jeepもあるようですから、数々のクルマに触れる機会があって、視野が広いわけです。そういう視野の広さがベースにあって、BMWはあくまでBMWとしてその魅力をきちんと捉え、そして個々の方の元来のクルマ好きと相まって、非常に有益なアドバイスをしてくれたり、アフターサービスの対応をしてくれる方が多いように思います。
まとめ
BMWはまぎれもないプレミアムカーです。ですが、それを傘にきて傍若無人な振る舞いや周囲を見下した態度をとるのは言語道断だと思っています。もっと言えば、私は、よくある「軽だから合流で入れてもらえない」と言ったような、クルマで相手を馬鹿にするのも大嫌いです。
ディーラーの顧客対応って、表面はいかに取り繕っていても、根の部分で本当に私たちのカーライフのことを考えて有益なアドバイスをしてくれているかどうかって、言葉の端々で敏感に感じ取ってしまうものです。その結果、「7シリーズの客だけ大事にして!」とか、メルセデスのディーラーでは「Aクラスだから大事に扱ってもらえなかった!Sクラスの人は丁重に対応しているのに!」というような怨嗟の言葉が出て来るんだと思います。
あくまでクルマ好きが気に入って自分のクルマとして選んだのがBMWだった、でいいじゃないですか。そして、世の中には「クルマなんて走ればいい、極力お金はかけたくない」という方だっていらっしゃるんです。そういう方をクルマだけで判断するのは、個人的には本当に嫌いです。
さて、件の旧友ですが、私はもちろんToto BMWさんを紹介しました。後はいつ日程を合わせて行くか・・・彼にも満足してもらえるといいのですが。いえ、きっと満足することでしょう。そして、彼はきっとこの先もBMWに乗り続けようと思ってくれるはずです。
では、今回はこの辺で失礼します。ありがとうございました。