40代子持ちのクルマ好きが、愛車のBMW 320dツーリングを評価するとともに、ちょっとだけ日々を楽しくするクルマのある生活の話題をお届けします。

BMWのデザインが変わる?!ブガッティ・ヴェイロンのデザインで知られるデザイナーがBMWに移籍。

BMW

あまりメジャーなニュースとしては報じられていませんが、BMWのデザインチームにVWグループの一つ、シュコダのチーフデザイナーであるJozef Kaban氏が加入しました。これからどんなデザインになっていくのでしょうか?

クルマのデザインって大事。

やっぱりクルマは外見が大事です(きっぱり)。

いくら運転が楽しくったって、いくら加速が素晴らしかったって、カッコ悪いクルマはやっぱり興味はわかないですよね。その点、BMWは数多の伝統的なデザインアイコンを維持しつつも革新的なデザインのクルマ、もっと端的に言えば、見て素直に「カッコいい!」と思える車を出してきます。それが例えどのシリーズであっても、です。

だって、当ブログで最近特集状態だった新型5シリーズなんて、下手をするとなんともつまらないデザインになるかもしれないクルマですが、あそこまで大胆に陰影を生かしたデザインでカッコいいからこそ注目も浴びるわけです。

クルマのデザインに一番熱心なのはイタリアかもしれません。「カロッツェリア」って聞いたことありますか?日本のメーカーのカーナビではないですよ(笑)。もし、聞いたことがなくても「ピニンファリーナ」くらいは聞いたことはありませんか?

イタリアではかつて、ってものすごく昔ですが、やんごとなきお方々は自分専用に豪華に飾り立てた特注の馬車をオーダーして乗る文化がありました。この高貴な方々のための馬車のデザインを行なっていた工房が「カロッツェリア」です。中でも、伝統的にフェラーリのデザインを行なっているピニンファリーナが有名ですよね。ピニンファリーナは他にも、あの優美なプジョー406クーペのデザインや、クルマ以外のプロダクトデザインを数多く手がけています。そして、ヤンマーのオシャレなトラクターや秋田新幹線E6系、北陸新幹線E7/W7系のデザインを手がけたことで有名なケン・オクヤマ氏もピニンファリーナ出身です。

ですがどこのメーカーもデザインをこうしたカロッツェリアや外部のデザイン事務所に発注するわけではありません。むしろ少数派といってもいいでしょう。ということで、各クルマメーカーは社内デザインチームを持っているわけです。そして、そうした社内のデザインチームからも素晴らしいクルマが生まれています。例えば数々の尖ったデザインを生み出してきたアルファ・ロメオのチェントロ・スティレ。かつてここのチーフデザイナーだった、ワルター・デ・シルバさんという方がVWに移籍してから、VWのデザインが一気に垢抜けました。

私はあまり芸術方面はわかりませんが、デザイナーというものは自分の解釈を表現するということで、結局は属人的にならざるを得ないのでしょう、このように社内デザインチームから他メーカーへの引き抜きというのがよく見られます。

で、その人が今までデザインしたクルマってどんなの?

えーっと、なんとお読みするのでしょう?ジョゼフ?ですかね?ずっとアルファベットで書くのもなんなのでここからは話題の方をジョゼフ氏とお呼びします。

ジョゼフ氏はスロバキアの方です。1999年からVWに入社し、そこでブガッティ・ヴェイロンをデザインしました。

ブガッティは実は私よりも先に家内の方が知っていました(驚)。どうも、バッグ?か何かがあるらしいですね。フランスでは昔ながらの伝統的なブランドで、かつてCGTV(かーグラフィックTV)の冒頭を走っていたクルマが古いブガッティです。この馬蹄形のグリルが伝統のようでして、それをうまく取り入れつつ、現代的なエキゾチック・スーパースポーツを表現していますね。結構エグいデザインです。

そして、2003年にはアウディに在籍。グループ内での移動ですかね。この時代の代表作はなんだかわかりませんが、その後またグループ内で移動したのか。2008年からはシュコダのチーフデザイナーに就任しています。

こういう車をデザインしていたようです。私はシュコダというメーカーは知っていますが、詳しくは知らないのでどのような特徴がこのメーカーならではなのかわかりませんが・・・結構鋭い感じのデザインですね。

要するに、こういう方がBMWデザインチームに加わったわけです。

今までの人って誰だっけ?

今まで私がBMWのチーフデザイバーとして認識していたのは、エイドリアン・ファン・ホーイドンク氏です。彼の前任が、あの「バングル・バット」で有名な、クリス・バングル氏ですね。

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ファン・ホーイドンク氏が来た時も、クリス・バングル氏もなんだかデザイン統括的な立場で残っていたので、今回もファン・ホーイドンク氏はそのような立場で残ると思われます。ですが、そうなるとデザイン自体には口を出せなくなりますね。

というわけで、これからデザインされるBMWの新型車は、このヴェイロンをデザインしたジョゼフさんの個性が色濃くでることになるわけです。

どういうクルマになっていくのでしょうね。

現在すでに開発中の車のデザインはそう大きくは変更されないでしょうから、しばらくは今の路線、つまり目尻がワイドなキドニー・グリルにつながる顔が続くと思われます。次期3シリーズ、X3、Z5あたりですかね。まあ、これらも多少手直しされる可能性もありますが。

そしてこれから新規に開発されるクルマは、ジョゼフ氏の手が1から入ってくるわけです。デザインした車を見る限り、かなり先鋭的なデザインセンスをお持ちのようですので、これから自律運転や電気自動車で先進性をアピールするBMWとしては、正にぴったりな人選だったのかも知れません。

ただ、ジョゼフ氏が1から手がけてクルマが世にでるのはだいぶ先のことでしょう。だって、今からデザインするクルマなんですから、開発期間などを考えると、早くても3年とか5年後くらいなんじゃないでしょうか?

その頃のBMWがどうなっているのか・・・期待して待ちましょう。ただ、気になるのはジョゼフ氏が手掛けたBMWの新デザインがローンチされた時に、今までのBMW車のデザインが一気に古くさく見えるようになってしまわないか・・・ちょっとドキドキです。

BMWのデザインって、例えばE46だって未だに古くさく見えないという、「持続性」も美点の一つだと思っていますので。

では、今回はこの辺で失礼します。ありがとうございました。