40代子持ちのクルマ好きが、愛車のBMW 320dツーリングを評価するとともに、ちょっとだけ日々を楽しくするクルマのある生活の話題をお届けします。

BMWに遂にAI搭載!しかも来年から!なんですが・・・

BMW

最近、巷ではAIの話題を良く目にしますね。企業が導入したりして効率化に役立てる事例が多いようですが、遂にというか、BMWがAIを搭載するとのことです!しかも来年から!なんですが、手離しで喜べないのは理由があります。

BMWが搭載するのはAmazonのAI「アレクサ」

まずは以下の記事をご覧ください。

【電子版】アマゾンの会話型AI「アレクサ」、BMW全車種に搭載へ

(2017/9/28 11:00)

  • 「アレクサ」の搭載で音声指示によるカーナビ・音楽再生機能が使えるようになる(BMW提供)

【シリコンバレー時事】米IT大手アマゾン・ドット・コムは27日、同社の会話型人工知能(AI)「アレクサ」を独高級車メーカーBMWと傘下の小型車ブランド「ミニ」の全車種に搭載すると発表した。2018年半ばから米国と英国、ドイツで販売される車に装備される。

音声による指示でカーナビや音楽再生の機能を使える。自宅の家電がインターネット接続に対応していれば帰宅前に車内から部屋の室温を調節したり、玄関灯をつけたりすることもできる。会話型AIは「つながる家電」の中核的役割を担うとされ、自動車メーカーを巻き込んだ主導権争いが激化している。

一方、アマゾンは14年に初代を投入した会話型AI搭載のスピーカー端末「エコー」を刷新し、10月末に米国で発売すると発表。従来より音質を向上させ、価格は99.9ドル(約1万1000円)に引き下げた。12月にAIスピーカー市場に参入する米アップルに対抗する。

(2017/9/28 11:00)

(引用元:日刊工業新聞)

会話型AIというのは、まあ、Apple製品に搭載されているSiriに似たもののようですね。

ただ、BMWに搭載されるものは単に質問に答えるというものではなく、カーナビや音楽の操作までやってくれるスグレモノのようです。

記事によると、AppleCarPlayも搭載しているようですので、Siriも使えるのではないかと思いますが、あくまで純正カーナビや純正カーオーディオを音声で操作できるようにするためのものなのでしょう。

この辺の発想が惜しい所です。むしろ、こうしたインフォテインメントの部分は潔くスマホに任せて、クルマはクルマでできる事があるはずだと思うんですよね。例えば、カーナビだったらOBDポートを通して、スマホのカーナビアプリに位置情報を渡すだけ、とか。カーオーディオなら、スピーカーとAppleCarPlayのインターフェースだけ用意してくれればいいですし。

前々から私と同様に思われている方は多いと思います。ただ、自動車メーカーとしては、やはりカーナビやオーディオなどのインフォテインメント関連商品を失うことになるので、心情的にも契約的にも踏み切れないのでしょうね。

iDriveでカーインフォテインメントの世界に革命をもたらしたBMWならいずれはやってくれると本気で期待しているのですが、まだまだ道のりは遠そうです。

でもなんでイギリス・アメリカ・ドイツだけなの?!

そうは言っても、スマホと言えども電話は電話、そこは切り離してカーインフォテインメントは純正に任せる、という考え方もあるというのは理解しています。

いえ、むしろあんまりクルマに興味のない大多数の方にとっては、スマホを純正インフォテインメントの代わりにするなんて思いつきもしないですし、面倒なだけでしょう。そういう方にとっては、「なんだ、BMWってこんなに高いのにカーナビもオーディオも付いてないの?」などと言うことにもなりかねません。

ですので、今回のように会話型AIでインフォテインメント操作ができるようになるというのは、多数派の方にとっては歓迎すべきことでしょう。特に、Androidユーザーの方にとっては。

私もそれなりにこのアレクサ搭載に興味はあります。恐らく「おお!」という感動はSiriを始めて使った時を超えるものではないと思いますが、クルマと会話しながら操作できるというのは、なんだか「ナイトライダー」みたいで夢を掻き立てられますよね。

でも。

なーんでまたイギリス・アメリカ・ドイツだけなんでしょう?日本にも入れて欲しいのはもちろんですが、英語圏の他の国が入っていないのも解せません。

これは明らかに、重要なマーケットだけを選んでいますよね。ドイツはお膝元なので外せませんし、アメリカは言わずと知れた最も購買力のある巨大市場、そしてイギリスですが、イギリスって実はBMWへの関心というか人気が非常に高く、日本よりも重視されている市場なんですよね。

となると、アジア最大の市場である中国は?という疑問も湧きますが、これははっきり申し上げて嗜好が違う、ということなのでしょう。

AIの活用というのは欧米ではかなり盛り上がっていますが、それ以外では正直まだまだです。中国ではむしろAIよりも「大きくて立派なクルマ」という外見の方がまだまだ優先順位が高いと睨んでいる、或いはそのような調査結果が既に出たのでしょう。

こうしたAIを搭載するということは、価格もそれなりに上がります。ですが、それが理由で選ばれない市場にコストをかけて導入しても無駄ですもんね。

実は日本も中国と同様の結果が出たのかも知れませんね。

いよいよクルマの革新が始まった感が。

大げさかも知れませんが、私はこのニュースを見て、いよいよ次世代に向けての革新期に入ったように感じています。

EV化も大きなインパクトではありますが、個人的には次世代車の本質は「完全自律運転」にあると思っています。だって、ヨーロッパで施行予定の厳しい排ガス規制がなかったらEV化はなかったでしょうけど、完全自律運転には向かっていったと思いますから。

その第一歩としてAIが、機能限定とは言え搭載されたのはエポックメイキングなことだと思いませんか?

思い起こせば、カーナビがかつて始めて搭載された時も、地図は自分で透明なフィルムに書いておかなければいけないというのトンデモ仕様でした。ですが今や目的地までの案内だけに留まらない高機能を備えています。

AIも同じです。ここからは早いと思いますよ。そのうち、声紋認証とかで、「アンロック」とかいうとドアがアンロックされたりとか、ほとんど声で操作するだけで、完全自律運転で目的地に着くようになるでしょう。よほどの場合以外は人間が操作することもなく、です。

私はそういう意味でこのニュースを覚えておきたいと思います。もし仮に、本当に声だけで完全自律運転できるクルマが登場した際には、「こんなこと言っていた人がいたなぁ」と思い出してくださいね(笑)。それまでこのブログが続いているかどうかわかりませんが。

では、今回はこの辺で失礼します。ありがとうございました。