40代子持ちのクルマ好きが、愛車のBMW 320dツーリングを評価するとともに、ちょっとだけ日々を楽しくするクルマのある生活の話題をお届けします。

EVの購入は時期尚早?早期搭載が期待される「全固体電池」とは?

前回記事で新型(?)3シリーズのEVの航続距離が500kmを誇ることをお伝えしました。確かに、カタログスペックで航続距離500kmをうたっていれば、実用でも350kmくらいは余裕で走るでしょう。それでも、私はまだ時期尚早と考えるようになりました。それは「全固体電池」の存在を知ったからです。

全固体電池って?

その名の通り、全てが固体でできている電池のことです。

また身もふたもない説明から始まりましたが、電池って実は液体が封入されています。例えば、今現在でもっとも蓄電容量が大きく、広く使用されているリチウムイオン電池。これも中身は可燃性の液体です。だからこそ、車両に搭載するのには躊躇されたんですよね。

しかも、リチウムイオン電池ですら充電にかかる時間の短縮などには限界がありました。そもそも、車両を駆動するには相当な電力が必要です。どのくらいかというと、例えばキャンプなどのアウトドアシーンや、一般家庭にも電力供給できることを売りにしている三菱のアウトランダーPHEV。その能力は、燃料を満タンにした場合に平均的な一般家庭の10日分の電気を供給できるとしています。これをベースに考えると、アウトランダーがカタログ燃費でフルタンクで走り切った場合の航続距離は、

ハイブリッド燃料消費率19.2km/L×燃料タンク容量45L=864km

まあ、ざっと考えるとクルマで864km走るのに使うエネルギー=平均的一般家庭の電力使用量10日分ということになりますよね。

これをクルマに電力だけで充電しようとすると大変です。だからこそ、世のEVではタイマーが付いていて、安価な深夜電力で充電するようになっています。

このように膨大な電力を必要とするEV。この電力として非常に期待されているのが全個体電池なんです。

実用化はトヨタから。ということは・・・BMWも期待できるか?

トヨタ、高性能の全固体電池を開発――2020年にも実車搭載へ

2017年7月26日 by Darrell Etherington

トヨタはバッテリー・テクノロジーにおいて大きな進歩を達成した。これまでリチウム・イオン電池の電解質が可燃性の液体だったのに対し、トヨタの新しい電池は電解質に固体を用いる。Wall Street Journalによれば、トヨタではブレークスルーをもたらす段階にきわめて近づいており、早ければ2020年にも実車に搭載できるだろうという。

新しいテクノロジーはリチウム・イオン電池を小型化、軽量化するだけでなく、充電容量、充電時間も大幅に改良し、電気自動車の後続距離を伸ばし、普及に弾みをつけるものとみられる。

このタイプのバッテリーのもう一つの利点は電池寿命の延長だ。これによってリサイクルのコストも低くなり、また電気自動車以外の用途への応用も促進される(現在でも一部のメーカーはEVバッテリーを一般的な用途のエネルギー源として利用するプロダクトの開発を行っている)。

バッテリーはエンジニアリングの最先端テクノロジーであり、電気自動車の開発で最大のハードルとなっている。狭いスペースを前提とするEV用バッテリーの場合、全固体化はサイズ、容量の面で有利となる。強度部材やインテリア用に開発中の超軽量素材と組み合わせることでEVはいっそう魅力的になるだろう。

トヨタではこのバッテリーがどの車種に搭載される予定か明らかにしていないが、報じられたような進歩が事実なら多くの自動車メーカーが電気自動車こそが将来だという確信を深めるだろう。

〔日本版〕トヨタの新しい全固体電池については日本でも報じられているが、実車への搭載時期は2022年と推定している記事が多い。なおネイチャー・ジャパンの記事はトヨタおよび東京工業大学の開発者に直接インタビューしている。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+)

(出典:Tech Crunch Japan)

この全固体電池、液体よりもイオンが早く動く固体を開発したというんです。ググって見たら、なんだか難しい化学式が書いて解説したページがありましたが、私にはさっぱり(笑)。ただ、すでに実用レベルにはあるそうで、もしかしたら先にスマートフォンなどで採用されるかもしないようです。

そして、この技術を開発したのは直接は東京工業大学ですが、やはりトヨタの肝いりです。トヨタの技術って本当にすごいですね。MIRAIの燃料電池といい、この全個体電池といい・・・。次世代電動自動車の技術に関しては世界トップレベルではないでしょうか?

そしてこの全固体電池、イオンが早く動き回れる素材でできているだけあって、充電もかなり素早く終わるそうです。そうなると、以前当ブログで話題にした、高速道路で非接触充電区間を儲けるのは、全区間に対して25%あればバッテリー消費がない、という話も、もっと少なくて済むかもしれません。

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いえ、それどころかソーラーパネルの技術革新も必要かもしれませんが、太陽エネルギーだけで走行することすら可能になるかもしれませんね。もちろん、天気がいいことが条件にはなりますが。

そしてBMWファンとしてはすごく気になるのが、この技術はBMWにも共有されるのか?ということです。これは、BMWとトヨタの提携がどの程度高レベルのもので、しかも現在、お互いに信頼を高め合っているかどうかがポイントになると思いますが、個人的には特許の優先使用権くらいはあるかもしれないですが、タダではないでしょう、と思っています。

でも、ここで不思議なのは、この全固体電池が実用化されてEVに積まれたとしたら・・・燃料電池車の存在意義は?と思ってしまします。当ブログの中で、再三再四に渡って私は次世代エネルギー源は水素の方がいいのではないか?ということを申し上げてまいりましたが、どうも風前の灯と行った感が否めません。

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バッテリーを製造するさいや廃棄する際の環境負荷や、水素を作り出し、運搬するなどのことからかかる環境負荷も含めてトータルで考えるべきだと思いますが、水素であればタンクが空になっても充填時間が極めて短く(というか現状のガソリンや軽油と変わらない)、かつ、燃料電池のみならず内燃機関にも応用できます。こうしたフレキシビリティというか、代替手段があるというのは、砂漠などの過酷な環境下では重要ですよね。

EVの未来はバラ色。

各自動車メーカーが躍起になって開発しているだけあって、ちょっと前までは「EVって行ったって航続距離は短いし充電に時間はかかるし・・・大体どこで充電するの?」と行っていたころに比べれば、だいぶ先が見えてきたように思います。現状ではまだ使いづらい部分があり、PHEVの方が燃料の供給もしやすいので普及しやすいですが、インフラ整備の負担すら軽減しそうなこの全個体電池の技術は、地味ながらかなりエポックメイキングなことではないかと思っています。

ですが、次世代エネルギーに関しては混沌としてきましたね。電力といっても、風力や太陽光発電が思うように伸びていかない現在、どうしても火力発電の比率が高くなっています。クルマが全てEVになって、「ゼロ・エミッション(死語)」になっても、火力発電所がもくもく煙を出しているのは、本末転倒ですよね。

どうなんでしょう?私はまだ水素を推していきたいのですけど・・・だって、内燃機関にも使えるんですよ?古典的なエンジンを回す楽しみが残りそうじゃないですか(笑)。でも、今の流れから行くとほぼ確実にEVが次世代車となるので間違い無いでしょう。

そしてこの全固体電池、あと5年くらいで実用化されるというのであれば・・・これはちょっと、今EVを購入するのはちょっと時期尚早だと思いませんか?当社は価格も高いでしょうけど、そのうち落ち着いてくるはずですし、特に欧州の自動車メーカーは厳しい排ガス規制が課されるのが目に見えているので、EVを売りまくるしかありませんからね。

と考えると、EVの買い時は・・・10年後くらいでしょうか?このころになればPHEVにも全固体電池が乗っているでしょうし、フルEVも実用的になってきているでしょうね。

とはいえ、人より早く先進的な自動車に乗りたい!という方もいらっしゃるでしょうし、私もそういった気持ちはよくわかるので、そうした方にはいち早く3シリーズEVを購入してご感想を教えていただきたいものです(笑)。

では、今回はこの辺で失礼します。ありがとうございました。