いまやスマホもワイヤレス充電の時代。実際、最近のクルマではワイヤレスチャージャーが装備されたりしていますよね。ワイヤレス充電は何もモバイル機器だけではなく、当のクルマ自身もワイヤレス充電してしまおう、というお話が現実的になって来ています。
話は簡単、道路にワイヤレスチャージャーを埋めればいいんです。
私が考えつく程度のことは誰でも考えつくんですよね(笑)。以下の記事をご覧ください。
2017.7.24
走って充電するEV 2020年代実現? BMWよりルノー優勢? 注目はカングー/ゾエ
ワイヤレスチャージ 2020年代に実現?
自動車メーカーが、ワイヤレスチャージングパッドを搭載できるようになれば、走行しながら充電可能な次世代EVの実現もそれほど遠くはない。
もちろんそのためには、道路の地中にその何倍もの数のパッドを敷き詰める必要がある。この技術に関しては、BMWのワイヤレスチャージが有名だが、もうひとつのメーカーの動向も気になる。
「10年というのは、なかなか現実的なタイムスケールだと思います」と語るのは、ルノーのEV開発を率いるヴィルジニー・メイラードだ。
パリ ワイヤレスチャージの開発現場
ルノー・カングーのEVモデル
ワイヤレスチャージングは、パリにある専用テストコースで現在研究が進められている。
テスト車:ルノー・カングーZE
充電設備:米クアルコム社のワイヤレスチャージシステム携帯電話用チップで名を広めたクアルコムは、自動車用ワイヤレスチャージシステムを開発することで、EVが1台売れる毎にロイヤリティが発生するライセンスの実現を目指している。
この技術が実現すれば、新世代EVがパッドのうえを一瞬で通過したとしても、20kWのエネルギーがクルマに送り込まれるという。具体的には時速90km/hまでの速度なら対応可能であり、結果的にEVがクルージング走行中に消費する電力を、同時に充電できることになる。
高速道1kmあたり、250mの充電区間
そして究極的な話をすれば、すべての道路にこのインフラが整備されると、EVはいつまでも走り続けることができるわけだ。これまでの研究では、
・高速道路1kmあたり、250mのワイヤレスチャージ区間
が存在すれば、EVはバッテリー残量を減らすことなく走行できるという。フランスで行われている試験では、
・雨天走行
・地中のパッドから半車身ズレて走行
といったさまざまな環境テストが進行している。次世代型ルノー・ゾエに期待すること
クアルコムは、停まっては走り出す程度の渋滞走行で、5kWの電力消費削減を実現するワイヤレスシステムをすでに完成させている。
一方のルノーは、ワイヤレスチャージされた電流をテスト車両のエレクトリカルシステムと調和させる車載ブラックボックスの開発を進めている。なお、ルノーは2020年代半ばに次世代型ルノー・ゾエを発表する見込みで、ワイヤレスチャージシステムを世に問うチャンスを手にしている。
(AUTOCAR JAPAN 編集部)
それにしても、この記事妙に詳しいですね。特に、高速走行では25%の区間のみ充電できる様にすればバッテリー消費なし、というのはすごく具体的で、それくらいならすぐに現実化できそう・・・というのは浅はかですかね?いや、私はてっきり全区間、少なくとも7〜8割の区間には埋めなければいけないのではないかと思っていましたから。
信号の前にも埋めれば最強?
高速道路に加えて、交差点で信号待ちの間に充電できる様になれば最強ですよね。だって、必ずしもみんながみんな高速道路を通るわけではないですから。
もし本当にこうしたインフラが整備されれば、EVは内燃機関以上に給油・・・じゃなくて充電の必要なしに長距離を走れる、足の長〜いクルマに変身できる可能性が大です。
でも、問題点ありますよね。
たた、夢の様に見えるこの方法も、いまパッと思いつくだけでも2点問題があります。
料金負担をどうするか?
「道路に埋め込んである」というと何だか無料の様な気がしてしまいますが、もちろん料金は取られるでしょう。しかも、バッテリーの劣化を心配したり、充電してお金を取られるくらいなら充電しないという方も出て来ると思うので、公平な料金負担方法を考える必要があります。
高速道路では、高速料金に上乗せすればいいかもしれませんが、充電しない高速料金を支払って後で自宅などで充電した方が、充電しながら走行するよりも結局安上がりなので、ワイヤレス充電機能自体をキャンセルするといった様な場合、やはり不公平感が生じます。
一番いいのは、そのクルマ自体に何らかの識別ナンバーを持たせて、充電する場合はその識別ナンバーを充電器に通信で渡して、後で請求する、という様な方法が考えられなくもないですが、うっかりワイヤレス充電機能をオンにしたまま走り続けて、目の玉が飛び出るほど高い請求が来たりすると大変ですよね。
あれ?これ、昔のスマホに似ていませんか?ある程の年の方なら、かつては海外ローミングなどで凄まじい金額の請求書が来たという事例をご存知かも知れません。
それと同じことが起こり得ます。
ということは。
料金体系としては、かつてスマホが辿った苦難の道を辿るわけではなく、むしろあっさりと現在の「使用量上限付きの固定金額制」から始まる可能性が大きい様な気がします。この場合でも何らかの識別ナンバーがないと、こうした総量規制もかけられませんので、いずれにしろ識別ナンバーとその受け渡し(充電器との間で、ですよ?)の技術は必要になるわけです。
充電可能区間でわざとゆっくり走るクルマが出そう。
これですよね。これ、有ると思いませんか?だっていま現在ですら、後ろの迷惑も考えないでゆーっくり発進するPHVがいたりするんですから。
ただ、充電のためだとすると、心理的にはよく理解できます。が、そのために渋滞が発生しては元も子もないですよね。
となると、例えば街中のワイヤレス充電はちょっと高めに価格を設定するということも必要かもしれません。
まあ、こんなこと今から心配していますが、はっきりいって私、すごく期待しています、走行しながらのワイヤレス充電。
ですが整備に非常に時間がかかりそうなので、果たして私が生きているうちに、いえ、元気に運転ができるうちに現実になって、恩恵を受ける日が来るのかどうか・・・それが最大の問題ですね。
やっぱり水素エネルギーの方が。
こういうのを考えるにつけ、やはり燃料電池にしろ内燃機関にしろ、水素を代替エネルギーにした方が、社会的に安上がりの様な気がするんですよね。
特にBMWから水素エンジン、マツダからは水素ロータリーエンジンが実用化されると嬉しいのですが・・・世の中的になにか忘れ去られていますよね。トヨタのミライがもう有るので水素エネルギーの普及に加速がつくと思っていたのですが・・・。
なんだか、このワイヤレス充電、簡単に整備されそうですが、意外と課金方法を世界標準化された規格で統一させるのにえらく時間がかかりそうな、悪い予感もしていますが、気長に続報を待ちましょう。
では、今回はこの辺で失礼します。ありがとうございました。