今日は新型5シリーズのワールドプレミアで一色かと思いきや、BMWジャパンから7シリーズに関しても興味深い発表がありましたのでご紹介します。
まずは740e iPerformance登場!
以前から存在は知られていた740e iPerformanceがいよいよ日本上陸です。
スペック的にも以前から言われていた通りですので、やっときたかという感じですが・・・いやー、7シリーズが2L4気筒エンジンで走るようになりましたか。ダウンサイジングもここまできたか、という感じですね。
ヨーロッパの厳しい排ガス規制に関しては当ブログでも以前触れましたが、カンパニーカーとして大きな需要のある7シリーズをダウンサイジングターボ+PHV化することでこれをクリアしようというわけですね。
とはいえ、ユーザーにとっても燃料代が節約できるので、メリットがある話ではあります。
そして、やはりというかなんというか、エンジンを2L4気筒に抑えているので、この740eが7シリーズのエントリーモデルとなります。お値段は1,169万円から。
・・・気軽にエントリーモデルを名乗って欲しく無い値段ですね。
好対称のM760Li xDriveも発表!
M140iやM240iで、「Mシリーズほど過激では無い高性能モデル」として人気を博しているM PERFORMANCEシリーズですが、7シリーズにも登場です。
ですがさすがに7シリーズだけあってその内容はかなりのものです。
エンジンはなんと新開発の6.6L V12というのですから、まずここで驚きです。そこまで厳しい排ガス規制の施行が迫ってきながら、こんなエコとは無縁のモンスターエンジンを「新開発」していたのですから。とはいえ、BMW本体ではなく、M社が行なっていたことが、BMWにとっての免罪符と言えるでしょう。
本音を言えば、私のようなクルマ好きからすると、ダウンサイジング一辺倒ではなくて、やはりこのようにマルチシリンダーエンジンの命脈は保って欲しいと切に願わずにはいられません。
パワーとトルクは448kw(610ps)/ 800Nm!とドライブシャフトがねじ切られそうな強烈さです。xDriveであるのも納得ですね。
そしてさらに驚くべきは0-100km/h加速は3.7秒!これがどのくらいかというと、ポルシェ911カレラSのPDKですら4.1秒、SPORT PLUSでようやく3.9秒というものですので、推して知るべしです。
かなり強烈なキャラクターを持っていますね。
ですが、お値段ももちろん強烈でして、2,420万円也。740eの2倍以上ですか。さすがに環境負荷が高いクルマ、そう簡単には買わせてくれません。
最後は、740i・740Liの装備充実。
いままで7シリーズ唯一のライアンップだった740i/ 740Liに、今までオプションだった「エグゼクティブ・ドライブ・プロ」が標準装備化されました。
エグゼクティブ・ドライブ・プロとは、ステレオカメラで把握した路面状況に応じてサスペンションの減衰力を調整してフラットな乗り心地と運動性能の向上を目指すデバイスで、一種のアクティブサスペンションと言えるでしょう。
同じようなデバイスがメルセデスにもあります。そう、「マジックボディコントロール」ですね。
7シリーズのラインアップ充実で、メルセデスSクラスの迎撃態勢が整った!
BMWは本当にメルセデスを意識しているというか・・・あるいはドイツという環境でクルマを開発していると発想も同じになるんでしょうか?
それでもBMWのBMWたる所以は、根底に流れる思想の違いです。メルセデスはやんごとなき人が、庶民に圧倒的な差を見せつけるのに対し、BMWはあくまでドライバーが主体、運転というか、移動自体を楽しむことが主体となっていることがアイデンティティですよね。
以前も当ブログの記事でご紹介しましたが、この7シリーズやSクラスの属するFセグメントは、保守的な層が多いかと思いきや、意外と新し物好きが多いということは、E65系7シリーズに初搭載されたiDriveがその後のカーインフォテインメントの方向性を決定づけたことと、「バングル・バット」を持つ革新的なデザインが受け入れられたことで証明されました。
そこに、エコ・コンシャスな740e、穏やかにもスポーティにも豹変する740i/ 740Li、そしてもはやスーパースポーツ並みのM760Li xDriveをラインアップして保守的な層も運転大好きなエグゼクティブにも答えられる態勢が整いましたね。
この7シリーズの日本でのラインアップの充実化、5シリーズのワールドプレミアの陰に隠れてしまっていますが、非常にBMWらしい、そして今後のBMWの方向性を改めて明らかに示した、重要な変更だったと思います。
では、今回はこの辺で失礼します。ありがとうございました。