ツーリングを選ぶということ。

国産車ではアテンザやレガシィなど限られた選択肢しかありませんが、輸入車はメルセデスSクラスやBMW7シリーズといったFセグメント以外にはステーションワゴン型のボディがラインナップされています。ドイツ御三家は言うに及ばず、VWやボルボ、プジョーといったところでもステーションワゴンがあり、非常に選択肢が多いですよね。なんでなんでしょう?

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日本では「バン」「ライトバン」のイメージが優位

ステーションワゴンとは元々は馬車です。かつて、自動車がまだ発明されていない時期や普及していない時期には列車での旅行が一般的でしたが、その時代に「人も荷物も」積んで、宿泊施設などの最終目的地まで運ぶために使われたものです。

自動車が普及してくると、「人も荷物も」運ぶために、クルマの屋根の後ろを伸ばして荷室を広く取る様になりました。

対して「バン」「ライトバン」というのは、元々は屋根がなかったトラックの荷台に屋根をかぶせたものです。従って、「人も荷物も」ではなく、「荷物を」運ぶためのクルマと言えますね。

そしてこの二つ、成り立ちはだいぶ違いますが、外観は似通ったものにならざるをえません。

ステーションワゴンかバンかで大きな違いです。前者はどちらかというとヨーロッパの上流階級が優雅に旅行を楽しむための乗り物のイメージであるのに対して、後者は無骨な荷車ですからね。

日本ではヨーロッパの様なステーションワゴンでの優雅な旅行の文化はありませんよね。日本伝統のやんごとなき方々の乗り物は輿ですから。

そういうわけで日本ではステーションワゴンでの優雅な旅行というのは理解されがたく、荷車であるバンのイメージが先行しているわけです。

こうしたステーションワゴンの成り立ちやイメージの違いがそのまま反映されて、輸入車のステーションワゴンのラインナップの豊富さになっているんですね。

海外での使われ方

突然ですが、現行のフェラーリ・フォーってご存知ですか?フェラーリのフラッグシップたるV12エンジンをフロントに積んだ、4シーターです。

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日本国内では殆ど見ることはありませんが、2ドアながらステーションワゴンみたいな形していますよね?あのデザインが受け入れられないのだと思うのですが、あれこそ正にヨーロッパでは貴族のためのクルマなんです。

「シューティングブレーク」って聞いたことありますか?メルセデスのCLSやCLAのステーションワゴンが「シューティングブレーク」を名乗っていますね。ついでに言うと、プジョーのステーションワゴンは「ブレーク」を名乗っています。

シューティングブレークというのは、貴族が自分の領地に赴いて狩猟をするときのためのステーションワゴンなんです。従って、あの受け入れ難いデザインのフェラーリ・フォー、お値段からしても本当の貴族向けのクルマということですね。

かつてはアストンマーチンにもワンオフで制作された、ラゴンダベースのシューティングブレークもあったと記憶しています。

何が言いたいのかというと、ステーションワゴンというのはそれ程豊かなライフスタイルを象徴するクルマなんですね。そして、それに対する憧れがあるわけです。

実際、私がかつてイギリスに住んでいたときも、新婚旅行の時も、ヨーロッパではステーションワゴンに荷物を満載し、ついでに後ろにキャンピングカーを引っ張って走っているクルマをよく見ました。

ヨーロッパのバカンスといえば、日本よりも遥かに長い期間休みを取って楽しむものです。国境を越えて長距離移動する事だって珍しくありません。

こうした用途にステーションワゴンはうってつけだというのもありますが、要するに「人と荷物を積んで長距離旅行」という、伝統通りの、みんなが憧れている使われ方をしているわけですね。

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余談ながら、この背景があるからこそ、ステーションワゴンの形をしたSUVでは飽きたらず、もっとかっこよさを追求したクーペタイプのSUVという発想も出てくるんですね。

ちなみに昔はやんごとなき人向けのこうした馬車をデザインする専門の方々がいました。そう、それが今のピニンファリーナやイタルデザインなどのカロッツェリアです。

じゃあなんでセダンがあるの?

当ブログでも購入記の記事で触れていますが、ステーションワゴンにはネガの部分があります。

BMW 320dツーリング購入記

特にリアのタイヤハウジングと居住スペースがバルクヘッドと呼ばれる仕切りで分けられているセダンは、騒音の抑制など快適性の追求の点で圧倒的に有利です。

荷物がそんなに多くない人にとっては、積極的にセダンを選ぶ理由があるんですね。

だからこそ、この記事の冒頭で述べた通り、快適性の確保が最優先される7シリーズやSクラスにはステーションワゴンはないんです。ステーションワゴンが一種のブランドアイコンとも言えるアウディだって、さすがにA8にはアバントはありません。

ところで、なんで色々な呼び方があるの?

元々、「ステーションワゴン」というのはアメリカ風の呼び方です。古い話で恐縮ですが、西部劇の「駅馬車」っていう映画がありますよね。アレですよ。

フランスでは一般的にステーションワゴンを「ブレーク」と呼びます。イギリスなんかは「エステート」と言ったりしますね。昔はボルボもこの「エステート」を使っていました。余談ですが、イギリスでは長距離バスのことを「コーチ」と言いますが、これも昔の馬車で長距離移動用の「コーチ」から来ていますね。

メルセデスはストレートに「ステーションワゴン」か、スポーティなイメージの「シューティングブレーク」ですね。あくまで伝統通りの呼び方をするあたり、メルセデスらしいですね。

BMWは「ツーリング」。これは「ツーリングワゴン」から来ていると考えるのが妥当でしょう。さしずめ、人と荷物を積んで長距離周遊旅行をする馬車といったところかと。

わからないのがアウディです。「アバント」。これはメルセデスのグレード名でもある「アバンギャルド(avant-garde)」の前の部分です。「前の方の・一歩進んだ」などの意味があります。

ステーションワゴンがセダンに比べて「一歩前に進んでいる」と言う意味合いもあるのかもしれませんが、デザインコンシャスなアウディのステーションワゴンを他社と差別化する意味合いもあるんではないか、と想像しています。

ツーリングで長距離旅行しよう!

こうして昔に思いを馳せると、「ステーションワゴン」というクルマもなんだかロマンチックですよね。

自動車メーカーもこうしたステーションワゴンをアクティブなライフスタイルをおくっている人をイメージした販売広告を打っていることが多いじゃないですか?

ここはひとつ、それに乗ってみるのはいかがでしょう?夏休みは海に山に長距離旅行に、ステーションワゴンの歴史に思いを馳せながら使い倒してみるのも楽しいものですよ。

私も昨年の夏休みは山口県の萩まで行きましたが、今年はどうしようか思案中です。キャンプにも行きたいですしねー。今からワクワクします。

それにしても、CLSのシューティングブレークなんかはカッコいいですねー。私はCLS自体は頭がつかえてしまうのでパス(それ以前に高くて買えません・・・)ですが、BMWも4シリーズや6シリーズでやりませんかね?

もっとも、既に6シリーズでシューティングブレークは出さないとBMWのどなたかが明言してしまっているので望み薄ですが・・・。GTがその代わりなんでしょうか?でもあれはアウディのスポーツバックと同じ路線の5ドアハッチバックで、シューティングブレークとはちょっと違うような。

いずれにしてもちょっと見てみたいです。

では、今回はこの辺で失礼します。ありがとうございました。

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2 件のコメント

  • こんにちは(^^)
    国内でツーリングボディを選ぶとレヴォーヴくらいしか選択肢がなくて寂しいですね^^;
    私もツーリングボディは結構好きです
    3シリーズツーリング、cクラスステーションワゴン、A4アバントどれも魅力あり製品力強いですよね〜
    私もE91-335乗ってましたが使い勝手もよく走りもワイルドでしたw
    燃費が酷かったですが^^;

    • evening_sky様

      コメント頂きありがとうございます。

      そうなんですよね、スバルが頑張っているのが救いですね〜。ちなみに私はスバル大好きです。

      335iツーリングですか!いいですね〜。ちょうど最近、E91を街中で見て、なんだかあのカタマリ感のあるスタイリングがすごくカッコいいと思っていた所です。

      燃費は現在の基準ではちょっと苦しいですが、いつまでも色褪せないクルマですね。

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