40代子持ちのクルマ好きが、愛車のBMW 320dツーリングを評価するとともに、ちょっとだけ日々を楽しくするクルマのある生活の話題をお届けします。

現地の足さがしの第一歩。オランダにおけるPHEV・ガソリン・ディーゼル。

さて、前回記事では現地での中古車探しをお伝えすると申し上げましたが・・・これが中々曲者でした。まずはネットで情報収集ですが、ここで色々と日本と違う、驚愕の(?)事実が次々と明らかになります。

オランダといえばEV・PHEVだけど。

前回記事でご紹介しました通り、到着当初は318dをレンタカーで借りて走り回っていましたが、その間もネット及び目での情報収集は怠っておりませんでした。

まず、基礎知識として、オランダはEVやPHEVが圧倒的です。実は赴任前に家を探しに渡航したのですが、その際には空港から宿泊先までタクシーで移動しました。その時にはやはりテスラがずらっと並んでいまして、既にモデルXですら珍しくなくなっていたのが大変驚きでしたね。ま、私が乗ったのはメルセデスのVクラスのディーゼルでしたけど。そう、要するにエコなプロダクトがもてはやされているんです。現に、私が今賃貸している家も大きなソーラーパネルが屋根についた、全電化住宅ですし。

ちなみに駐車場はというと・・・これが特に「その家固有の駐車場」というのはないんですよね。あ、こういうと語弊がありますが、駐車場時以上は非常にいいと思います。どういうことかというと、その住宅の周りに線が引いた駐車スペースがあって、そこのどこでもいいから止めていいようになっているんです。もちろん、タダです。というわけで、購入する時に車庫証明は必要ありません。

地域によっては住民でも駐車許可を市役所などに申請しなければならなくて、駐車中は許可証を外から見えるところに提示しておかなければいけない箇所もあるようですが、私は適度に市街地から離れたところに家を借りましたので、完全にフリーに止められます。

ですが・・・もしかしてもうお気付きの方もいらっしゃると思うんですけど、「そこに充電設備はあるのか?」ということですよね。家にはどデカいソーラーパネルがついているのに、これが充電設備がないんですよ(笑)。これは私の借りた家に限らず、どこの住宅でもそうなようです。これは一体どうしたことかと。正直、公共の駐車スペース(ビルの中の駐車場など)の方が充電スペースがあります。しかもこれまたタダのところが多いようです。

つまり。

オランダ人はケチ倹約家なので、自分の家で電気代がかかるよりは公共の場所でタダで充電してしまおうと考えているのでしょう。まあ、別にオランダ人でなくてもそうしますよね(笑)。ですので、充電場所の争いは熾烈なものがあるそうです。私の勤務先のオフィスが入居しているビルなんて、地下に何百台単位はあろうかと思われるかなりの収容力がある駐車場があるのですが、充電設備がついている駐車場はなんとたったの1台!そこは決まった駐車場所ではなくて、充電が終わったら速やかに移動する事となっていますが、空いていることが稀だそうです。

実はオランダでの足は、初のPHEVもいいな、なんて考えていたのですが、これでグッと私の心は内燃機関に近づきました。やはりディーゼルかな、と。

ディーゼルは税金が激高!

オランダでもディーゼルはよく走っています。EV・PHEVではないタクシーは全てディーゼルといっても過言ではありません。しかもこれがいいクルマばっかりなんですよ。一番多いのはメルセデスのEクラスですが、マセラティ・ギブリにジャガーXFなど、いわゆる「高級車」ばかりです。しかもほとんどが最新型。どれだけみなさんお金持ってるんでしょう?!

余談ですが、これを見て非常に複雑な気持ちになりました。東京オリンピックを控えて、東京のタクシーはトヨタが開発した珍妙なタクシーを普及させようとし、実際そうなっていますが、これは日本に来た外国人はがっかりするだろうな、と。だって、タクシーでこんなに高級車が走っているんですから。あの大きさのタクシーは、こちらでいうと「Uber X(一番安いUber)」くらいにしか見てもらえないと思います。

ただ、タクシーでこれだけディーゼルが走っている、しかも、道ゆく車も時々ディーゼル音が聞こえるので、半分くらいはディーゼルのようですので、「やっぱりディーゼルだね」と私はほくそ笑んでいたのです。

が!

オランダはクルマが非常に高いです。それと同時に燃料も高いです。その値段のほとんどを占めるのが税金。そう、つまり非常に高い税金をかけて、クルマを持ちづらい、あるいは環境に優しくない大排気量などのクルマを所有しにくくしているんですね。

これは以前もどこかでご紹介しましたが、オランダが海抜下の国であるということが関係しているようです。そもそも、オランダは英語で「The Netherlands」ですが、これは「低い土地」という意味なんですよね。現に、グーグルマップで見たと思うのですが、私が住んでいる家も海抜-10mに位置しています。

つまり、地球温暖化による海面情報が起こるともろに被害を受ける・・・どころか、国土の大半が海中に没してしまうという切実な危機感をオランダが持っているというのが一番の理由だと思います。

ですがこの高い税金のおかげで道路が綺麗に整備されているそうなので、一概にオランダの人が憤慨しているわけではなく、意外と受け入れられているようですね。

話がそれましたが、それが私の中古車選びとなんの関係があるのか?これはオランダに限った話ではないのですが、ヨーロッパの都市では、これからの数年で、Euro6排ガス規制を満たさないディーゼル車の市内乗り入れを禁止あるいは有料にするといったことが検討されているそうです。これは、「陸地を走って行ける限りクルマで旅行したい」私にとっては大きな足枷となります。

さらに、オランダ特有の事情ですが、軽油は確かにオランダ でもガソリンよりは安いです。歯切れが悪いのは、絶対的な価格が高いんですよね。ガソリンが大体€1.6〜1.7/L、軽油は€1.4〜1.5/Lです。えー、円換算するのもやになる値段ですので、円換算はお任せします。ちなみに、€1=130円で考えると良いでしょう。

いかがですか?仰け反りません?高すぎます。これもオランダ 特有の、温暖化対策といえなくもないでしょうが、ヨーロッパでも高いと有名です。ですが、価格差は確かにあり、ディーゼルの燃費の良さ等を考えると、やはり有利です。

ですが、車両価格の問題ではなく、ここにトドメを刺すのが自動車にかかっている「道路税」と言われるもの。これがオランダ ではすごく高いのですが、車両にもよりますが、大体「車両価格の40%くらいー€1,500」、それと経過年数に応じた割引額があると言います。異常な高さです。表示されている価格は既に道路税および付加価値税(VAT、21%!)が含まれているので、買う時になってびっくりするということはありませんが、そもそも買う前に値段の高さにびっくりします。

そしてこの道路税、ディーゼルの場合はガソリンエンジンの2倍くらいかかります。え?なんで?よほどエコなのに?と思いますが、そもそも年間の道路税も半端なく高いです。2L級のクルマを買うと、どうも四半期で€220くらい(自治体によって違うそうですが。)。つまり年間では11万円から12 万円くらいするということになります。

この辺はまだ私もよくわかっていないくて半信半疑なのですが、本当に?うそ?と思いたくなるような高さですよね。となると、ディーゼルとガソリンでは年間約10万円の税金差が発生します。こちらでは、この差を埋めるには年間30,000km、一説によると50,000kmは走らないと元は取れないとも言われています。

そして、こちらの人は年間50,000kmとか普通に走ってしまう人も多いようです。そしてこれは、中古車の走行距離の多さとなって後々また私を驚かせることとなるのですが・・・。

そう、この時点で「都市への入場に関する不安」「税金の高さ」にやられ、私のココロはすっかり「ガソリン車」に傾いています(笑)。そういえば、ヨーロッパでディーゼルが衰退しているといったような報道をよく目にしますが、街中を走るクルマを見ている限り正直そこまでとは思いませでした。特に営業車であるタクシーとバスは電気とディーゼルが圧倒的な主流です。当記事のトップ画像は、実は我が家近辺を走っている電気自動車のバスなんです。これはまた別記事でお伝えしますね。

実際に候補者を探し出すフェーズへ!

さて、そうと決まれば実際に候補者を見ていきましょう!・・・となるのですが、ここまででも随分と長くなってしまいましたし、これからも随分と長くなるので、次回に譲りたいと思います。

次回は、中古車探しにおける驚愕の実態をお伝えしようと思います。

では、今回はこの辺で失礼します。ありがとうございました。