40代子持ちのクルマ好きが、愛車のBMW 320dツーリングを評価するとともに、ちょっとだけ日々を楽しくするクルマのある生活の話題をお届けします。

完全自動運転は地図が肝心。「HERE」という会社が最先端らしいですが・・・。

BMW

完全自動運転においては、カーナビの地図の精度や新鮮さが命となりますが、もちろん渋滞を避けた効率の良いルート検索も大事です。最近メディアでよく見る、「HERE」という会社をご紹介します。完全自動運転を視野に入れた開発を行なっているようですよ。

元はと言えばGoogle傘下らしいです。

HEREという会社はドイツの会社で、元はGoogle傘下だった地図の会社です。ここを、メルセデス・BMW・アウディが買収して、今に至っています。

この経歴から分かるように、地図の正確さは折り紙つき。この会社が、リアルタイム渋滞情報サービスを提供するというニュースを目にしたのが、私がここでご紹介しようと思ったきっかけです。

そのリアルタイム渋滞情報の元はと言えば・・・走行しているメルセデス・BMW・アウディ車です。

あれ?こういうのって、日本でも既にプローブ情報として実用化されていますよね?現に、私の愛用するカーナビタイムには、プローブ情報に基づく渋滞情報が、点線で表示されています。

なんでそんなに騒がれているのか?

実はこのHERE社、日本でのサービスはまだ展開しておりません。パイオニアの子会社、インクリメントP社と提携して、これからサービス展開の検討を始めていく、という段階なんです。

ただ、このHERE社は、完全自動運転を睨んで、以下のようなことが可能であることをアピールしています。

例えば、カメラが標識を捉えて、40km/hが制限速度だったとすると、今まで地図上で誤って60km/h制限だった場合に、すぐ書き換えられるとか。

或いは、道のない場所を走行した場合に、そこに道が自動的に書き加えられるとか。

いずれも、高精度のマップマッチング技術があってこそのことですが・・・大抵の日本人はこれを聞いても驚かないのではないのでしょうか?だって、速度制限の方はいざ知らず、道が書き加えられるのは日本のカーナビでもう既に実現されていませんでしたっけ?

つまり、私が思ったこと、この章のタイトルは、日本では既に驚くべきことではないことをかなり積極的にアピールし、発信しているなあということだったんです。

そういう意味では、日本のカーナビメーカーは、折角対抗できる技術を持ちながらも後塵を拝してしまっていることになりませんでしょうか?

もしかして、日本の製造業が大同団結すれば、より高度な完全自動運転車が短期間で作れるのでは?

そう、私が言いたいのはこれなんです。何も、「また日本は取り残されていく・・・」なんて悲観的なことを言いたいのではありません。

「完全自動運転」と聞くと、何もしなくても良さそうですが、さすがにドライバーの思っていることまでは汲み取ってくれませんよね(笑)。もし考えを読まれたらむしろ怖いです。

あ、そういうことではなく、要するに、ドライバーは出発に当たって、目的地は設定する必要があるんです。搭載されるであろう人工知能に、自分がどこへ行きたいのか教えてあげる儀式ですね。

その後はクルマがセンサーやカメラを駆使して自ら走行して行きます。この辺りは今回は詳しくは述べませんが、以前ご紹介した、BMWを筆頭とした企業連合のような集合体が作ることになります。

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日本車にないのはここなんです。業種の垣根を超えた企業同士の大同団結。ニッサンが、プロパイロットという非常に優れたシステムを開発し発表当時にかなり話題になりましたけど、逆にいうと、大同団結していなくてもこのくらいのものが作れるのであれば、BMWのような連合を組めば、もっとスゴいシステムができるのではないか?と期待してしまうんですよね。

気になるのは、「カーナビアプリ」

さて、私の期待はそれはそれであるとして、気になるのは、完全自動運転においては、カーナビはクルマの人工知能と連携する必要があるということです。

その場合には、結局クルマに搭載されている、いわゆる純正カーナビの方が優れているであろうことは容易に想像がつきます。

となると気になるのが、私のお気に入りのカーナビタイムを含めた、優れたアルゴリズムを持つ様々なカーナビアプリの行方です。

既にこうしたカーナビアプリをお使いの方はご存知かと思いますが、特に輸入車においては、純正カーナビよりも遥かに優れた道案内をしてくれるものの、クルマとの連携は全くありません。

今ではカーナビの情報に基づき、電制ダンパーの設定をカーブに備えて固めたりする機能もありますし、クルマの残燃料を認識して、ルート上で給油の提案をしてくれたりしてくれますよね。

こういったところは、現時点でもカーナビアプリが純正の据え付けカーナビに敵わないところです。

そして、完全自動運転では、クルマとの連携が出来ないことが致命傷になります。いくらカーナビアプリで行き先を設定しても、完全自動運転車は認識してくれませんから。

もちろん、そんなことはアプリの開発側も百も承知だと思いますし、なんらかの対策をしてくると期待しています。完全自動運転には全く対応できないが故に消えていくというのだけは避けて欲しいですよね。

個人的には、クルマ自体がPCの様になって、インストールするカーナビアプリを選べるようになるといいと思っていますが・・・しかも、割とすぐに実現して欲しいと思っています。

「カーナビタイム for BMW」みたいな感じで。

そういえば、「自動運転」を売りにしているあのテスラも、お抱えの地図会社があって、自前の純正カーナビを作って搭載しているんですよね。この事実からしても、完全自動運転にはカーナビとクルマの連携が重要だということ、カーナビアプリはなんらかの対応をしないと先細りになるであろうことは想像がつくというものです。

日本製カーナビならではの優れた機能を生かせ!

私は、日本のカーナビのルート選択と案内のアルゴリズムは世界で戦えると思っています。もちろん、日本の道路事情・交通事情を知り尽くしているからということもありますよね。

要するに、カーナビには「正確な地図」は絶対に必要ですが、それだけでは満足のいくカーナビはできないんです。

この辺のノウハウは、日本のカーナビメーカーに相当なアドバンテージがあると思います。だからこそ、輸入車を購入するとカーナビのショボさに我々はがっかりするわけですよね。日本製であるにも関わらず、メーカーとしてはこの程度でよしとしてしまったのか、と。

つまりは、我々が「この程度」と思うレベルが、そのまま本国におけるカーナビのレベルだと思っていいでしょう。

どうですか?こう考えると、あながち私が主張していることって大きく外してはいないと思うのですが・・・。

全世界が注目する完全自動運転に、「メイド・イン・ジャパン」の優れたカーナビが参加して、世界で戦って欲しいですよね。HEREに負けないで。

でも一つ気になるのが・・・完全自動運転が実現されたら、「気の向くままに目的地を定めないでドライブ」というのがやりにくくなりそうな気が。その時は自分で運転すればいいんでしょうけどね。

では、今回はこの辺で失礼します。ありがとうございました。