40代子持ちのクルマ好きが、愛車のBMW 320dツーリングを評価するとともに、ちょっとだけ日々を楽しくするクルマのある生活の話題をお届けします。

ヨーロッパの自動車メーカーは電気自動車に本気出してます。

i3の航続距離延長、X3やMINIをベースとしたEVの開発、そして次期3シリーズにもEVの噂・・・日本ではEVは日産リーフしかまだ実現していませんが、ヨーロッパでは本気出しています。その本気度合いがうかがえるニュースを発見しましたのでご紹介したいと思います。

充電ステーションの充実のための合従連衡

これは強力すぎる・・・と思わず戦慄すら覚えますので、以下の記事をご覧ください。

フォルクスワーゲングループ、BMWグループ、ダイムラー、フォードが欧州で充電ステーション設置の合弁事業を計画

Impress Watch12/1(木) 18:43配信

写真:Impress Watch

ポルシェ ジャパンは12月1日、ポルシェAGとアウディAGを含むフォルクスワーゲングループとBMWグループ、ダイムラーAG、フォード・モーター・カンパニーが、欧州で最高出力の充電ネットワークを新設する覚書に署名したと発表した。

計画ではバッテリーEV(BEV)による長距離走行を可能とするため、2017年にネットワークの構築を開始して、初期目標として欧州にある幹線道路や主要道路沿いに約400カ所の超高速充電施設を構築。さらに2020年までに数千カ所の高出力充電ステーションの利用が可能になり、マスマーケットにBEVの普及を促進する重要なステップになるとする。

このネットワークは「コンバインド・チャージング・システム(CCS)」標準テクノロジーに基づいたものとなり、充電ステーションでは超高速高出力充電となる350kWの出力レベルを採用予定。既存のBEVに向けたAC、DC充電の標準技術を大幅に上まわる出力レベルを用いることで、現在よりも大幅に短い時間での充電を可能にして、充電をガソリンスタンドで給油する作業と同じような簡易なものに進化させることを目指している。

Car Watch,編集部:佐久間 秀

いかがですか?かなり強力ですよね。だって、このグループだけでヨーロッパを走っている自動車の半分以上はカバーできるんじゃないでしょうか?いえ、下手をすると6〜7割以上かもしれません。

PHVからEVへの切り替わりも加速するかも。

昨今のヨーロッパ車の積極的なPHVやEVの開発スピードというか、市販車への投入スピードは目を見張るものがあります。

もちろん、一朝一夕にできるものではないはずですので、基礎研究を水面下でずっと続けていたに違いありませんが、それにしても一気に日本車を駆逐する勢いです。

ヨーロッパでディーゼルが盛り上がってきた頃、「日本はPHVやHVがあるから勝っている」「ゴーストップが多い日本ではディーゼルなんかよりPHVやHVの方が燃費がいい」という論調が支配的だったのを私はよく記憶しております。その頃からヨーロッパ車のディーゼルの日本導入を心待ちにしていた私にとっては雌伏の時でしたから(笑)。

ですがそうやってあぐらをかいていたのもつかの間、今や総HV化した感のある日本車と変わらぬHV車のポートフォリオをヨーロッパメーカーは極めて短期間に作り上げました。そして、ここにEVを加えるべく、まずはインフラの整備に着手したというわけですね。

EURO7の施行がこの原動力であることは疑いようもありません。

そうはいっても内燃機関のクルマが相当数残ることにも留意すべきかと。

EURO7は何も、排気ガスを出したらだめと言っているわけではありません。排出ガス量が一定量を超えると、超えた分に関して罰金がかかるというものですので、内燃機関の完全否定まではいっておりません。

BMWの車両価格の不思議。ディーゼルもPHVも量販モデルに比べて高くない理由とは?

ですが、オランダやドイツでは既に内燃機関の完全否定の潮流が始まっています。

オランダ自動車事情 ~ EV天国

これは予想したよりも早く、「クルマからエンジンが消える日」が来るかもしれませんね。実は私も、そうは言っても私が生きている間はそこまで行かないだろうとタカを括っていたクチです。

日本車メーカーはどう出る?

日本では早くからHVやPHVが登場して市販されていたにも関わらず、そこからの歩みは遅々としてあまり進んでいないように思います。今、日本車でフルEVは日産リーフだけですよね。

ヨーロッパメーカーのPHVやHVラインアップの充実とEV化への流れの加速には、日本車によるPHV・HV市場の一時的な独占状態がヨーロッパメーカーに刺激を与え、テスラの登場と成功により既存メーカーが本気になった、という背景があるものと勝手に推測しています。

さて、日本はこう言った動きに比べてどうかというと・・・特に目新しいニュースはないようです(笑)。個人的にはニュースになっていないだけで、水面下でこうした動きはあるのだと信じたい気持ちはあるのですが、トヨタ・日産・ホンダが提携するだけでもいいのに、そうした動きに先んじてヨーロッパにおいて危機感を露わにしたメーカー間の提携が報道されるのはちょっと悔しい気がしますね。

そういえば、ルノーが参加していませんね。せめてルノーがヨーロッパで参加していれば、日産がイニシアティブを取って日本でもこうした動きを始めることができそうなものなのですが。

懐古趣味ではないですが。

エンジン付きのクルマがどんどん少なくなっていくのは寂しいですね。そのうち、我々の孫世代に向かって、「おじいちゃんが若い頃はなー、クルマはエンジンで動いていたんだぞー」なんて話すようになったりするのでしょうか?

そしてその頃には内燃機関には高い自動車税が課されるようになっていることでしょう。中々厳しいことになりそうですが、仕方のないことですね。

私は結構楽しみだったりします。なんだか、アトムの世界のようにクルマは飛んでいないけど、ガンダムの世界のように電気自動車で走る世界は実現できそうですもんね。

最近お気に入りの大人気のドラマの「逃げるは恥だが役に立つ」の劇中CMで、日産ジュークを宣伝しています。そこで石田ゆり子さん扮する主人公・みくりの伯母の百合ちゃんが言っていた一言が私の心に突き刺さりました。そっくりそのままではないですが、

「クルマって、思ったよりずうっと遠くに行けるんだよ・・・」

クルマ好きの琴線に触れる、素晴らしい言葉だと思いませんか?

クルマはいつまでも魔法の絨毯のように私たちを遠くに連れて行って、日常から解放してくれる存在であって欲しいです。そんなクルマがいつまでも生き残れるように、自動車の電動化も楽しみに待ちたいですね。

では、今回はこの辺で失礼します。ありがとうございました。