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BMW M3 CSを販売開始!たった30台の限定ですが、これが「M」が本当に作りたかったクルマでは?

BMW

以前も当ブログでご紹介したM3 CSが日本でも発売になりました。F30系の究極系とも呼べるであろうこのモデル、なんだかMが本当に作りたかったクルマがこれなのではないか、と思えます。

M4 CSに続いての発表

以前、当ブログでもM3 CS発表のことはご紹介しました。東京モーターショーで見せてくれたっていいのに・・・という恨み節とともに(笑)。

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すでにM4 CSは発売されていましたのであまり新鮮味というものはないかもしれませんが、それでもやっぱり「1台で実用セダンにも本格スポーツカーにもなる」というのは訴求力があります。以前もご紹介しましたが、CSというのは「Club Sport」の略でして、休日にサーキットを走るような用途で使われるクルマのことです。ということは平日は通勤や買い物などに使うんですよね。そういうわけですので、CSといういスパルタンさを想像させるモデルでも実用性は大事だというわけです。その証拠に、M4だって、GTSはリアシートも取っ払ってましたが、M4 CSはリアシートはありましたからね。

M3 CSの商品力

BMWジャパンの公式HPでのM3 CSの紹介はこちらです。

BMW M3 CS

思う存分眺めましょう。CSではノーマルのM3に比べてエンジンが強化されていまして、460psの最高出力となっています。

これを聞いて「え!」と思ったあなた!あなたは今、アルファロメオ・ジュリアのクアドリフォリオを思い浮かべましたね?そうなんです。きっとこれからM3の最大のライバルとして比較されることが多くなるであろうクアドリフォリオは最高出力510psとM3の遥か上を行きます。まあ、最高出力が高いからいいというわけではありませんが、やはりこうした超高性能車の分野ではスペックも商品力のひとつと考えると、ちょっと物足りない気がする方もいらっしゃるかもしれません。

しかも、ジュリアの試乗記事でも申し上げましたが、ジュリアはクアドリフォリオが基本形として作られています。つまり、スーパーやヴェローチェ、はたまたベースモデルまでもがクアドリフォリオと基本は同じということ。翻ってMは、ノーマルの3シリーズとは構造材の太さからして違っているという噂もあるので、別物と思った方がいいでしょう。

直接乗り比べたわけでもないどころか、クアドリフォリオに乗ったことがあるわけでもないので私にもなんとも言えませんが、パワーに関してはM3/M4のノーマルモデルだって有り余るほどあって怖くて全開にできないくらいですし、構造まで手を入れてずるい!と言ってもあくまでも噂、でもその噂を信じたくなるほどボディは異様にガッチリとしていました。

こうした点を考えると、M3のスペックがいくらクアドリフォリオに見劣りするからと言って、実際の商品力では負けているとは思えませんし、やはりハンドリングや安定性、ストリートでの快適性とサーキットでの絶対性能との両立という点を考慮すると、若干M3の方が商品力が上なのかな?という気がします。大体、460psと510psの違いなんて、本格サーキットのホームストレートでの最高速、しかも200km/hオーバーの世界でしか感じ取れないのではないでしょうか?

そうは言っても気になるのは、3シリーズというプロダクト自体が末期モデルとみられていることです。もちろん、BMWファンであればBMWはモデルイヤー毎に改良を加えていて、見た目は変わらなくても初期モデルと末期モデルではもはや別物と言えるくらい中身が違うのはご存知かと思います。しかも、末期モデルと新型モデルって、今度は見た目はだいぶ違うことになりますが、乗り味という点では結構似通っていることも多いです。

つまり、BMWファンにとってはかなり商品力が高いわけです。

そして、M3 CSのお値段を考えると・・・これを買うのは、上記のように「わかっている」BMWファンの方ですよね。ですので、メディアや世間一般はクアドリフォリオと確かに比較するでしょうが、実は購入される方は眼中にないのかもしれませんね。

ところで、BMW公式のHPをみていて思うのですが・・・この形式のトランクスポイラー、流行りなんですね。この、真ん中がすっぽり抜けている感じなのですが、空力的に有利なのでしょうか?

サキール・オレンジがない!

また、公式HPにカラーバリエーションも紹介されていますが、私の大好きなサキール・オレンジがありません。これは私的には非常に残念です。いえ、買えませんけども。

ですが、トップ画像のボディカラー、下のカラーバリエーションで見る限り「ライムロック・グレー」というものでしょうが、なんとも言えない凄みがあっていいです。なんだか320iや320dのような「日が当たっている」ハンサム顔ではなく、ダークな印象を与えます。なんだか怖い顔つきで、迫力がありますね。

ですが私がこのボディカラーの中で選ぶとしたら、やはりサンマリノ・ブルーでしょうか。これはHPの写真では暗く見えますが、明るくて鮮やかなブルーですね。ただ、マット塗装であるフローズン・ダーク・ブルーも迫力があっていいです。うーん、迷いますねえ。いえ、買えないので迷う必要なんてこれっぽっちもないのですが、少し夢みさせてください(笑)。

限定30台の内の1台を手にするオーナーさんが羨ましい!

このM3 CSですが、M3だけでなく3シリーズ全体をみても究極の進化系と考えていいでしょう。非常に高い完成度を誇り、プロダクトとしては大成功を収めているF30系ではありますが、もうモデル末期と言っていい時期に来ていると思います。その時期に、このようなモデルを限定で投入する意味を考えると、商品へのテコ入れと言う面は確かにあるでしょうが、これが「M」が本当に作りたかったクルマなのではないかと思えてならないんです。

だって、考えてもみてください。Mはご存知の通り、超高性能なBMWを作っている会社です。この環境問題が叫ばれるご時世、こうしたスーパースポーツへの風当たりは強いものがあるでしょう。ですが、あくまでも純粋に「走り」を楽しむためのクルマ、サーキットでもストリートでも楽しめる二面性を持ち合わせるクルマというのは、「M」が世のクルマ好きに対して強いメッセージを発しているとは思えませんでしょうか?Mは駆け抜ける喜びを忘れてはいないし、これからも追い求めて行く、と。

こうしたメッセージが込められたM3 CSを手にすることができるオーナーさんが、本当に羨ましいですし、手に入れた暁には思う存分楽しんで欲しいと思いますね。

私自身はこうしたスーパーなクルマを購入したことがないのでわからないのですが、もし私が購入できる予算があるとしたら、購入しようかどうか迷っている時点で既に興味があるので、気になるところさえなければ購入しても後悔はしないでしょう。そう、私は予算さえあれば明日にでもお金を握りしめてToto BMWさんに走っていきます。「これください!」って言いに(笑)。

ですが現実にはそんなことは当然できません。限定30台というと少なそうですが、正直申し上げて価格も含めて考えると、そこまで需要が高いクルマではないはずです。私のように予算がないBMWファンにとっては、何年後かに中古車市場に出た時にチェックすべき対象が増えた、という感じですね。

私と同じように、興味はあるけれども到底新車で購入できる予算などないという方!私と一緒に忘れないようにしておきましょう。

では、今回はこの辺で失礼します。ありがとうございました。