本国で7シリーズのディーゼルモデルが発表されました。現在M550d xDriveやX5 M50d xDriveなどに搭載されているトリプルターボのモンスターディーゼルがさらに進化し、クアッドターボとなるそうです。日本にも導入されるといいのですが。
750d xDrive
まずは以下の記事をご覧ください。
BMW 7シリーズ 新型に最強ディーゼル…4個のターボで過給
ドイツの高級車メーカー、BMWは5月17日、欧州向けの新型『7シリーズ』に、「750d xドライブ」グレードを設定すると発表した。
同グレードは2012年5月、欧州仕様の先代7シリーズに投入。パワフルなトリプルターボディーゼルを搭載していた。新型7シリーズの750d xドライブでは、ターボを1個増やし、合計4個のターボで過給する。
新型 BMW 7シリーズに試乗。ハイテクとぶれない哲学がそこにはある
新しい750d xドライブの心臓部には、3.0リットル直列6気筒ディーゼルエンジンが収まる。4個のターボチャージャーで過給され、最大出力400hp、最大トルク77.5kgmを引き出す。
先代の最大出力381hpに対して19hp、最大トルク75.5kgmに対して、2kgmの上乗せ。BMWによると、BMW史上、最もパワフルなディーゼルエンジンになるという。
トランスミッションは8速AT。駆動方式は4WDの「xドライブ」。強力なターボディーゼルを得た750d xドライブは、7シリーズの重量級ボディを、0-100km/h 4.6秒で加速させる。この数値は、先代比で0.3秒の短縮。
それでいて、欧州複合モード燃費は17.5km/リットル、CO2排出量は149g/km。パフォーマンスと環境性能を両立している。
(レスポンス 森脇稔)
出ました。モンスターディーゼルです。最大トルク77.5kgmというと、770Nmくらいですか。メルセデスAMGの6L V12も最大トルク1,000Nmという化け物エンジンですが、もうドライブシャフトがねじ切れてしまうのではないかと思うほどのトルクですね。ですのでxDrive、つまり4WDなのでしょう。
それにしてもすごい車ですね。加速力もさることながらこれだけのパフォーマンスを誇りながら燃費が素晴らしいです。欧州複合モードで17.5km/lということは、日本のJC08モードだと15km/lくらいになるのでしょうか?なぜこんなことが可能なのか、理解の範疇を超えています。
前のモデルの社名をご覧になってもわかるように、このエンジン、M(BMW Motorsport )の手が入っているんですね。今回、社名にMを冠さなかったのは、何か理由があるのでしょうか?単にラグジュアリーカーたる7シリーズとMのイメージがそぐわないと考えたんでしょうか?でも7シリーズにもM Sportがありますしねえ。よくわかりません。
日本導入はあるのか?
理屈から考えれば、今現在ヨーロッパで発売されるディーゼル車はすべてEURO6対応ですので日本のポスト新長期規制もクリアできるはずです。
前の世代のトリプルターボを搭載したM550d xDriveやX5 M50d xDriveといった、パフォーマンスと環境性能を両立したクルマが販売されていました。これらは当然、EURO5対応ですので日本にはそのまま導入されませんでしたが、ヨーロッパにおいても右ハンドル仕様が用意されず、イギリスでも発売されなかった経緯があります。
ディーゼルのハイパフォーマンスカーということで、ドイツではかなり人気があったとは思いますが、価格も高くて販売台数が見込めないクルマのローカライズは費用対効果の点でやはり無理があったのでしょう。特に日本では根深いディーゼルアレルギーがあり、フラッグシップたるディーゼルを日本導入しなかったのは十分納得できます。
ですが、今や日本でも十分環境対応車の一つの選択肢としてディーゼルは根付いてきたと言えます。カンパニーカーとしての需要も多いであろう7シリーズでディーゼルをラインアップすることは、コストダウンを図るためにももちろんですが、環境負荷を低減するという企業イメージを高めるのにも寄与するでしょう。
740eとともにラインアップされれば、そういう方面でも人気が出そうな気がしますが・・・。でも基本はこれだけのハイパフォーマンスを誇るからパーソナルカーとしての需要を見込んでいるんでしょうね。
全くそんなイメージのないマセラーティだって、今やディーゼルをラインナップする時代なんですから、入ってきてもおかしくはないと言えるでしょう。
まとめ 次世代に向けた徹底的な環境負荷の低減に聖域なし!
ここまで読んでこられた方でも、こうしたラグジュアリークラスでディーゼルなんて、とお思いの方もいらっしゃるかと思います。といいうか、大多数の方がそうお思いでしょう。
ですが、メルセデスはいち早くS300hを導入し、ディーゼル+HVの威力を見せつけてくれています。どのくらい売れているのかは未知数ですが、もし私が潤沢な予算を現時点で準備できるのであれば、S300hは間違いなく購入候補に入れるクルマの一つです。そんな私の方が少数派なのかもしれませんが、この750d xDriveはさらにハイパフォーマンスと言う付加価値もあることを考えると、日本でも受け入れられる土壌は十分にあると思います。
なにより、BMWの目指す、環境負荷の低減による持続可能なモビリティの実現のために、「ラグジュアリーカーだから」といったような従来の価値観をひっくり返すくらいのことをして環境対応車のマーケットリーダーたる態度を示してほしいですね。
そうは言っても依然として可能性は薄いですが、個人的には日本にも導入されることを強く願います。
では、今回はこの辺で失礼します。ありがとうございました。