40代子持ちのクルマ好きが、愛車のBMW 320dツーリングを評価するとともに、ちょっとだけ日々を楽しくするクルマのある生活の話題をお届けします。

330eの弱点 〜 PHVは熱に弱い。

BMW NO IMAGE

今やBMWはフルラインディーゼルに続いてフルラインPHVを目指しているのではないかと思うほどPHVを充実させており、これは他のドイツメーカーも同じです。が、意外なところに弱点があることを非常に短い記事ですが端的に伝えている良い記事があったので御紹介します。

良記事。

以下の記事をご覧ください。

「BMW 330e」の本当の弱点とは?

clicccar 7月24日(日)13時0分配信

clicccar.com(クリッカー)

アウディの新型SUV「Q2」の国際試乗会から帰国し、そのままBMWのプラグインハイブリッド車「330e」で長野県・乗鞍までドライブ。
気が付けばこの日は3連休のド真ん中。渋滞が懸念されましたが、羽田からの道は首都高、山手トンネル、中央道と乗鞍までの道のりはどこも空いていて、ストレスフリー。これにはホッとしました。

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この日は約4時間半のロングドライブに備えて、その前に飛行機内で約12時間爆睡。
でも、飛行機の移動って、機内でいくら眠っても時差ボケ&気圧のせいか、現地に着いてからもなぜかしっかり眠くなるので、いつ眠くなるか心配ではありますが。

ちなみにこの日の移動距離は約300㎞。

今回の乗鞍へ行く目的は「JAPAN EV Rally 白馬~乗鞍~高山」というEV・PHVのイベントへの出演だったので、電気自動車かあるいはPHEVで行かねばなりません。

しかし、「BMW 330e」という選択は大正解。

プラグインハイブリッドなので、エンジン+電気モーターに加えて、外から充電して電気を蓄ることができるリチウムバッテリーが搭載されていますが、基本は「オートドライブモード」にしておけば、これらは自動で最適な効率いい状態で走ってくれます。電気が溜まっている場合には電気を使いますが、モーターとエンジンの切り替えが実に自然。加速もなかなか良いです。シートは決して柔らかいわけではありませんが、ロングドライブでは疲れ知らず。ハンドルもさすがBMW。全長4.650m、全幅1.8mながら最小回転半径5.4m。というか、想像以上にハンドルが切れるので、クルマがコンパクトに感じられます。もちろん、走りの楽しさもそのまま。うーん、BMWは動力源が変わっても「駆け抜ける歓び」というか、BMWフィーリングが同じなのは、本当に驚きます。
気になるのは、床下の音。車内が静かなせいもあるのか、ちょっと気になる。

そして、実は一度、ドキッとしたことが・・。
中央道でPAに入り少し休憩。その後で再び、走り始めた時に、まさかのパワーダウン。速度が上がりません。しかしすでに本線に合流するところだったのですが、その後も速度が20㎞ぐらいから上がらなくなり、その後…。クルマを道の端に寄せて停止。インジケーターには「注意して走行してください」との文字。しかし、エンジンスタートスイッチを一回切って、再度指導すると、エンジン再始動に成功。緊張の一瞬でした。原因はわかりませんが、やっぱり熱に弱いのでしょうか?この日は暑い日で、さらに湿度も高かったので。

ちなみに熱さといえば、今回の取材で私は海外帰りということもありますが、小型のキャスター付きトランクを2個+バッグをラゲッジルームに収納し、トランクの中に入スイス土産の「リンツ」のチョコレートを入れていたところ、チョコが溶けてドロドロに…。ショックです。ラゲッジ下のバッテリーが高温になるため、ラゲッジ内にはチョコレートはもちろん、PCなども置かないことをおすすめします。

ちなみに残念ながら時間が無くて、今回は途中充電せず、ガソリンだけで会場に向かいましたが、その時の燃費は15.3㎞/L。電費は53.8㎞/kwhでした。

(吉田 由美)

この約300kmの距離をどのくらいの燃料消費で走り、満充電までの電気代と含めてどのくらいの電気代がかかったかなどは書かれていませんが、きちんと伝えたいことにフォーカスして端的に伝えている良い記事だと思いませんか?

バッテリーは発熱する。

私もスマホで経験ありますが、リチウムイオンバッテリーって負荷をかけると結構発熱しますよね。以前使っていたXperia Z3 Compactは通話しているだけで端末が熱くなってきて、それを耳につけているものですから夏場は汗が出てきます。

330eはトランクルームの床下に高効率なリチウムイオンバッテリーを敷き詰めています。高効率であるがゆえにあの程度の量でも重くなった330eを力強く発進させ、さらにEV走行で30kmも走れるのですが、その代償は「トランクルーム内が熱くなる」ことのようです。

また、上の記事では明言はしていませんが、恐らくPAからの加速で加速が伸びなくなったのも、バッテリーの発熱を感知して何らかのセイフティが働いてパワーを絞ったのでしょう。

それにしても意外です。

今や海外の自動車メーカーは、ニューモデル開発の過酷なテストにおいて「北極圏での厳冬期の走行」や「赤道直下での長距離連続走行」などを行っているほか、「東京の真夏の渋滞」もテスト項目に入っていると聞いたことがあります。

ですので、だいぶ昔は「ガイシャはすぐオーバーヒートする」と言われていたものですが、昨今の輸入車で、お盆の時期の渋滞に巻き込まれてオーバーヒートするという話は聞かなくなりましたし、実際高速道路などで立ち往生しているのも見たことはありません。

当然330eもそうしたテストを経ているのかと思ったのですが、意外と音をあげてしまうことにびっくりです。もしかしたらこの試乗車自体がその直前の試乗で酷使されて本調子でなかったのかもしれませんが、記事だけからは分かりませんね。

できればBMWジャパンに症状を伝えて調査の結果まで乗せていただけると良かったのですが・・・。

逆に放熱のためにあえてそうしている可能性もあるかな?

JALの最新鋭機、ボーイング787でバッテリーから発火して重大なトラブルがありましたよね。あれも原因ははっきりしていませんが、リチウムイオンバッテリーの過熱が原因ではないかと言われています。件の787では、リチウムイオンバッテリーがケースに入れられていたというので、熱がこもってしまった可能性はありますよね。

他にも、卑近な例で恐縮ですが、先ほどのXperia Z3 Compactの例もあります。これは防水端末ですので気密性が高く熱がこもりやすいですよね。同じリチウムイオンバッテリーを使用しているにも関わらず、現在のiPhone SEはそこまで熱くはなりません。まあ、チップの問題もあるかもしれませんが。

何が言いたいのかというと、実はBMWはバッテリーの発熱問題を認識しており、さらにあえてトランクルームは熱くなるようにしているのではないか、ということです。要するに、バッテリーを密封すると発熱で危険なので、トランク内に放熱していると。

それはそれで賢明だと思います。ですがそこはそれで対策してほしかったですね。例えば通常の3シリーズよりも1段風量や冷却能力に優れるエアコンを用意して、その風をバッテリー周りに導いて冷やすとか、簡単にできそうじゃないですか?

まあ、できるだけバッテリーも節約したいのに逆にエアコンでバッテリーを使ってしまうという、本末転倒なことになってしまいますが・・・。

これからのPHV、さらにはEVにも、バッテリーの冷却対策は必須なのでは?

バッテリーが高効率を求めてリチウムイオンバッテリーになっていくのは、これからのPHV・EVの発展には欠かせないと思います。

ただ、このままリンツのチョコが溶けてしまうトランク内の温度が高いのは、スーパーで生鮮食料品を買った場合などを考えると実用上も問題があるとは思いますので、バッテリー側での技術革新と、自動車メーカー側でも冷却対策を行うという、両側からのアプローチで解決していく必要があると思います。

最近の技術の進展は早いですから、あと5年もすればこんなことは笑い話になっていくのではないかと思いますし、期待もしています。

330eにお乗りの方は、熱に弱いものを運ぶ際には当面室内に入れて運んだ方が良さそうですね。

では、今回はこの辺で失礼します。ありがとうございました。