40代子持ちのクルマ好きが、愛車のBMW 320dツーリングを評価するとともに、ちょっとだけ日々を楽しくするクルマのある生活の話題をお届けします。

1シリーズと2シリーズにもモジュラーエンジンの波が。

BMW

最近、BMWのニュースでよく見るので知ってはいたんですが、なんでそんなに大騒ぎしているんだろう?と思っていまして・・・迂闊にも気づいていませんでした。そういえば「120i」と「220i」のエンジンはモジュラーユニットではなかったんですよね。

120iと220iのエンジンも320iと同じモジュラーユニットに。

要するにそういうことですね。

今まで「120i」のエンジンは「118i」と同じ直列4気筒1.6L直噴ターボで、170ps/250Nmだったんですね。一方で220iは3シリーズと同じエンジンでした。

これが新型のいわゆる「B型」エンジンに切り替わって、120iに関しては出力がアップして184ps/270Nmに変わったわけですね。

1シリーズもモデル末期ですが細かく変更を加えて商品力を高めてくるあたりが中々小憎い演出ですね。

このモジュラーユニット、私は318i、330e、340iでそれぞれ3気筒・4気筒・6気筒を試したことになりますが、非常に上質で、「これぞBMW!」という繊細な回転フィールも持ち合わせた素晴らしいエンジンなんですよ。その後でメルセデスのCクラスやアウディA4という設計年次の新しい車に乗ったにも関わらず、やはりこのエンジンが一番イイ!と言える程素晴らしいものでした。

どう素晴らしいかというと、BMWでよく言われる「モーターのように吹け上がる」という特徴を、気筒数に関わらず見事に体現しているエンジンだったんです。

一方でディーゼルエンジンのモジュラー化は・・・

218dアクティブ/グランツアラーでデビューした直列4気筒2Lディーゼルエンジンが118dが半年ほど前に追加されたばかりで、かつX1にも最近追加されましたね。

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118dや218d、それにX1 xDrive18dに搭載されているエンジンは110kw(150ps)ですが最大トルクが微妙に違い、118dは320Nm、218dとX1は330Nm。もっというと、320dは140kw(190ps)/ 400Nmで、523dとX3は135kw(184ps)/ 380Nm。

なんで同じ直列4気筒2Lディーゼルでこんなに違うの?!と思うくらいのバリエーションですね。実はこれはエンジンの形式が違うんです。

最新の「B型」と呼ばれる、ガソリンエンジンとも基本構造を共有化する最新エンジンが搭載されているのは、118dと320d(B47D20A)。そして、1世代前ながらB型ユニットを搭載するのが218dとX1 xDrive18d(B47C20A)。そしてモジュラーユニットではないエンジンなのがX3 xDrive20dと523d(N47D20C)。私の320dツーリングは前期型ですので523dなどと同じN47D20Cユニットです。

B型エンジンのディーゼルはガソリンエンジンと同じポンプを使用したり、噴射圧を高めたり、1回の燃焼工程での噴射回数を増やしたりして燃費とパワーの改善を図ったエンジンでして、このB型のディーゼルエンジンもまたガソリンと同じく非常に上質な回転フィールを持ちます。

で、なぜここまで色々違うのかというと・・・ただ単に5シリーズやX3がモデル末期だからですね(笑)。今度新型に切り替わる時はエンジンもB型ユニットに変わるでしょう。

ドイツのBMWのサイトを見てもエンジン形式が書いていないので、325d/ 330d/ 335dそれぞれのエンジンがB型モジュラーユニットなのかはわかりませんでしたが、実はすでにガソリンエンジンとの基本構造の共有という点で、ディーゼルエンジンもモジュラー化の波に飲み込まれていたのでした。

この素晴らしいB型エンジンが短命に終わりませんように。

最近の当ブログでもご紹介している通り、ヨーロッパでは脱内燃機関の動きが始まっています。

BMWは内燃機関では燃費の向上に、EVでは航続距離の延長に寄与するのに重要なボディの軽量化に真っ向から取り組み、CLARプラットフォームを完成させて市販車に投入しています。

このCLARプラットフォームとB型ユニットの組み合わせ、まだ7シリーズでしか味わえませんが、できれば長くBMWの主力として頑張って欲しいです。すでに発表された5シリーズも、もっと言えば次期3シリーズをはじめとして次期X5や次期X3もCLARを採用するので、当然これにB型ユニットが搭載されてくるでしょうね。

ですが、脱内燃機関が加速すると、新車で買える期間は意外と短命に終わってしまう可能性もあります。すでにオランダでは2025年以降は内燃機関のクルマは新車では買えなくなる見込みであり、ノルウェーでも同時期までにEVしか購入できなくなる可能性も報じられています。ドイツでも連邦参議院が同様の法案を可決したばかりですね。まあ、これは法的拘束力はないものらしいですが。

となると、エンジン屋としてのBMWの内燃機関による車の歴史は、このCLAR+B型エンジンが最終形となるかもしれないんですよね。

最後の最後で基本構造にまで手を入れて大胆な改革を施し、来たる総EV化をも今から視野に入れているBMW。なんだか今までになく歴史の転換点にいる感覚が押し寄せてきて、無性にドキドキしています。

では、今回はこの辺で失礼します。ありがとうございました。