40代子持ちのクルマ好きが、愛車のBMW 320dツーリングを評価するとともに、ちょっとだけ日々を楽しくするクルマのある生活の話題をお届けします。

BMWの隠れ機能的なパーキングライト。どう使うの?

BMW

この写真、スモールライトの球切れではありませんよ?取扱説明書って読んでいると色々と発見があって本当に楽しいですね。前回記事に続き、またも隠しコマンド的な機能、パーキングライトのご紹介です。

パーキングライトって?

えー、読んで字の如く「駐車灯」です(笑)。

いやいや、それだけで記事を終わらせるつもりはありません、もちろん。

今では特に道交法上の規定がなくなり、ハザードで代用される様になったので、パーキングライトがついているクルマ自体珍しいです。そして、こちらでご紹介するくらいですから、もちろんBMWには付いています。後、メルセデスにも付いていますね。ライトスイッチに、パーキングライトのポジションがあります。

国産車でも、昔はステアリングコラムの上に「P」と書いたボタンがありました。ご存知ですか?

でも、BMWにはステアリングコラムの上にボタンはありません。ライトスイッチを見ても「P」と書かれたポジションはなし。

これもお得意の隠しコマンドです。ワイパーを立てる方法といい、フォグライトの広配光機能といい、隠しコマンドが好きですね。これ、知っていないと絶対起動できません。

ちなみに、上手く起動できると、BMWではスモールライトとブレーキライトが片側のみ点灯します。

その隠しコマンドとは。

これがまあまあな儀式なんです。

  1. イグニッションをオフにします。
  2. 2秒待ったら、ウィンカーレバーを、車線変更時の「ちょん」ではなく、出し続ける時のポジションまで押し込み、2秒ほど保持します。
  3. ウィンカーレバーを上に押し込むと右側、下に押し込むと左側のライトとテールライトが点灯します。

こう書くと簡単な様に思いますよね。ですが、ここの一番のポイントは、実は1「イグニッションオフ」なんです。

多分殆どの方は車庫に入れてエンジンスタート/ストップを押してエンジンを切って、そのままドアを開けて外に出る、というパターンではないかと思います。

BMWは、各車によって若干の違いがありますが、実はエンジンを切っただけではイグニッションオフにはなっていません。まだ昔でいう「ACCESSORY」の位置なんです。

ですので、そこからもう一度エンジンスタート/ストップボタンを押す必要があります。

しかもこの時、ブレーキを踏んでいるとエンジンがかかってしまいますので、ブレーキを離してボタンを押さなければ、イグニッションオフには出来ません。

中々ややこしいですね。とはいえ、エンジンを切っただけの状態から運転席ドアを開けるだけでも、実はイグニッションオフになってはいるんですけどね。ドアを開けたままウィンカーレバーを操作して・・・というのも、どうもスマートじゃない気がします。

とか言いつつ、自分では時々そうしているんですが(笑)。

ちなみにこの方法で点灯させたパーキングライトを消すには、ウィンカーレバーをどちらかに軽くタッチすればいいです。あるいは、エンジンをかけても消えます。

どっち側を点灯させるの?

左か右かしか点灯しないとなると、どっちを点灯させればいいのかわからないですよね。

結論から言うと、「道路の左側に停止するときは右側、右側に停止する時は左側」を点灯させる様です。

と言うことは、日本では実質的に右側を点灯させる機会しかなさそうですよね。だって、右側停車って、それだけで違反ですから。

ここで思いませんでしたか?

「なんで片側だけ?だったらエンジンかけて、スモールライトを点灯させたままにしておけばいいよね?」

ごもっともです。先に申し上げましたが、今ではパーキングライトの役割はハザードランプに取って変わられています。ですが、こんな隠しコマンドを設定してまでパーキングライト機能を未だに残しているのには、BMWの母国、ドイツにおける事情があると思うんです。

ご存知の通り、ドイツは環境対応に非常に厳格な国です。今の様にやれPHEVだなんだと言う遥か昔から、アイドリングは絶対禁止でした。聞くところによると、ちょっと長くなりそうな踏切待ちでは手動でエンジンオフが常識だったそうです。

どのくらいならエンジンを切るのかということに明確な基準はありませんが、例えば上でもちょっと触れたワイパーを立てる操作を考えると面白いです。

ご存知の方も多いとおもいますが、BMWの、いえ、ドイツ車のワイパーはコンシールドワイパーと言って、ボンネット下に潜り込んで少しでも空気抵抗を減じる様になっていますので、そのままでは立てられません。これも、イグニッションオフの後にワイパーレバーを1回押し下げ続けて、直立位置でワイパーレバーを離すとそこで動きが止まり、立てられる様になります。

要するに、ワイパーを立てる→交換するか寒冷地での停止のため、という図式なので、いずれにしても長く停車するだろう、だったらエンジンをオフにしなさい、ということですね、

こういう思想だからこそのアイドリング・ストップなどの機能なのですが、このパーキングライトも、要するにちょっとでも長くなりそうな停車ならエンジンを完全に切る→だけど夜間は被視認性を確保しなければいけない→バッテリーに負担がかからない様、イグニッションはオフ→さらに片側だけ点灯、と言う、極めて合理的かつかの国の事情を反映したが故の、「隠しコマンド」的操作となっているのではないでしょうか?

ちなみにむかーし私が小さい頃家族で乗っていた日本車は、普通に両側のスモールライトとテールライトが点いていました。

私は、こう言うのは面白いと思う方です。こういう運転時の常識や習慣の違いだって、その国の文化や民族性を反映しています。

そういう細かい異文化体験、海外旅行に行かなくても味わえるんですから、楽しいと思いませんか?

では、今回はこの辺で失礼します。ありがとうございました。