40代子持ちのクルマ好きが、愛車のBMW 320dツーリングを評価するとともに、ちょっとだけ日々を楽しくするクルマのある生活の話題をお届けします。

i3の実用性〜超有能なシティコミューター

BMW

プログラムの書き換えで入院していた320dツーリングの代車としてToto BMWさんが貸してくださったi3。一つ前の記事で航続距離のお話をしましたが、今度は実用性を検証してみたお話をしてみたいと思います。

街中や細街路での取り回し

i3はちょっと視点が高く、フロントウィンドウ面積も多いため、良好な視界が得られます。

それに加えて小さなボディサイズ。全長×全幅×全高は4,010mm×1,775mm×1,550mmと、特に全長の短さが際立っていますね。全高もギリギリタワーパーキングに収まるサイズに抑えられています。

また、特筆すべきは最小回転半径。なんと4.6mです。

実は最初、この数値を知らずに運転していたのですが、自宅近くに戻ってきて狭い道を曲がるためにステアリングをフルロックまで切った時、フロントが横に並行移動するような感覚を覚えて、驚きました。そこで頂いたカタログで確認したところ、案の定、エラく最小回転半径が小さかったというわけです。

ホイールベースも2,570mmと短いので内輪差もさほど気にせずに曲がれます。

乗降性

運転席シートは、身長174cmの私が横に立った時に、そのままお尻を横にスライドするとちょうどその位置にシート座面があるので、前席はすごく乗り降りしやすいです。車両を返却しに行って我が愛車320dツーリングに乗り込んだ時に、思わず「うわー低い!」と声に出してしまった程、乗降性はいいです。

これはスカートを履いた女性にはかなり嬉しいのではないでしょうか?

そして、よく知られている観音開きの後席ドア。

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開いたところですが、意外と後席開口部も広くて乗り込みやすいです。

ただし。

横が広い時に限ります。狭い時を想像してみてください。実際、我が家の駐車場はお隣さんのクルマが隣に停まっているので狭いのですが、その時に巨大なフロントドアを少し開いて、観音開きのドアを開けて降り立つと・・・ドアを閉められません。ドアを閉める時の通り道に人が立ってしまうんですよね。

かといって後席ドアだけを開いても人が降りられるほどの開口部はありません。

これはなんともチグハグな感じがしますね。いっそのこと、ポルテのような大きなスライドドア1枚にすればいいのに、と思います。そうすると重量が嵩んで航続距離が落ち、かつ機構が複雑になってコストも上がるんでしょうけど、そうすればよりi3のシティコミューターとしての性格が際立つと思います。

せっかくトヨタと提携しているのですから、こういうところのノウハウを取り入れて改善して欲しいです。

ハンドリング

実は・・・お借りしてきた日の夜、1時間弱のショートドライブに行ってきました(笑)。まさに当ブログのタイトル通り、「家族みんなで」です。

ウチの息子がi3が大好きなんですよ。Toto BMWさんのショールームに行くと、iのコーナーにあるi3の運転席にずっと座って出てこないくらいです。

そんな息子が、遊びに行って帰ってきた時にi3を見つけたから大変です。

「すごい!電気自動車だ!これどうしたの?Uさんが貸してくれたの?僕乗りたいよ!」

というわけで晩御飯を食べて息子が宿題を終わらせたのち、夜の街へドライブに繰り出しました。

主に幹線道路を走って行き、帰りだけ首都高速を使う、というルートです。

そしてこれはToto BMWさんから帰宅する時に既に気づいていたのですが、このドライブで改めて確認しました。

ステアリングの重さの変動が激しいです。

静止時や車庫入れ・曲がり角くらいのスピードでは軽いのですが、ある程度スピードに乗って走り出すと、途端に重くなります。不自然ではないのですが、最初はちょっと戸惑いました。

そして、こんなコロッとしたボディの割に軽快です。一番の重量物であるバッテリーはすべて床下で、上屋はカーボンボディですごく軽いので、スポーツカーばりの低重心で、BMWらしいハンドリングが楽しめます。

快適性

これが実は私が一番戸惑いを禁じ得ないところです。

基本的には、BMWらしいフラット感を実現しています。ですが、ここで床下に重量物・軽い上屋という成り立ちが仇になっているような気がしました。

どういうことかというと、細かい凹凸は全く伝えませんが、路面がうねっている時の揺れの収束の仕方が激しすぎるんですよね。

前後ならぬ上下の重量バランスがこの収束の仕方に現れています。大げさではなく、最初は思わず「うあっ」と小さな声が出て、ハンドルがブレるほどでした。

以前、阿川弘之氏の名著「軍艦長門の生涯」を読んでいた時に出ていた、船の復元力の話を思い出しました。

重心が低すぎて、船が傾いた時にあまりにぴっ!と戻りすぎると具合が悪い、ゆったりと揺れが収束するように設計しなければいけない、そんな内容でした。

まさにi3に必要なのはこの考え方ですね。カーボンボディのおかげで車両重量は1,260kgという軽量さを誇りますが、そのうちのかなりの割合がバッテリーの重さでしょう。ということは、一番の重量物が床下に集中して低重心すぎるので、揺れの収束がビビッ!と激しいんですね。

バラスト代わりに一部のバッテリーをもう少し上部に持ってくるなどできないものでしょうかね?

充電

このように夜ドライブをしたおかげで、少々バッテリーを消耗しました。とはいえ、320dツーリングを受け取りに行く際に自宅を出る際に残りの航続距離は70km弱残っていたので、Toto BMWさんまでの距離くらいは余裕です。

ですが・・・なんか充電してみたくなりました(笑)。憧れていたんですよね、EVの専用スペースで充電するのに。

i3のiDriveナビには、充電可能な箇所を表示する機能があります。これは330eやi8にも同じくありましたね。

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甲州街道を走っています。自社マークのすぐ先左側にコンセントのマークが見えているのが充電スタンドです。

と軽く言っていますが、普段PHVやましてEVに乗ったことがない私は、実はスマホのアプリで事前に調べておきました。使用したのは「EV smart」というiPhoneのアプリです。Android版も提供されています。

これで急速充電ができる箇所を調べたところ、中央道調布IC付近のファミリーマートにCHAdeMO方式の急速充電スポットがありました。Toto BMWさんは青梅街道沿いなのに甲州街道を走っていたのはこういう理由があったんです。

で、到着して早速試してみます。会員登録をしていれば会員カードをかざしてすぐに充電が始められるのですが、私は当然会員ではないのでワンタイムパスワードを発行してもらって充電します。これ自体はすごく簡単でした。

i3のCHAdeMO充電口は、大抵のBMWの給油口と同じく右後ろです。

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ここのスタンドは1回につき30分が上限です。i3は30分で80%充電できることを謳っていますので十分ですね。おにぎりを買ってきてぱくついたり、ちょっと飲み物を飲んで、iPad mini 4でネットを見ていたりしたら30分なんてあっという間です。

実は充電開始時点でバッテリーは半分弱残っていたので、本当に30分で80%充電できるかはわかりません。

しかも一定の比率を超えると、バッテリー保護のために充電スピードが落ちるので、結局満タンまではいきませんでしたが、航続距離50kmから107kmまで回復しました。

終了すると、登録したメールアドレス宛にメールがきます。そこで驚いたのが、お値段なんと1,620円!1kmあたり約28円?!320dツーリングですと街中では10km/Lは走って、今現在軽油は大体90円/Lですので、1kmあたり9円です。

このように、1km辺りのコストを把握しておくと便利なのはこの記事でもご紹介した通りですね。

BMWは燃費がいい!長距離ドライブのススメ

恐るべし、急速充電。これでなぜi3に充電開始時間を設定する機能があるのかわかった気がしました。

停車後にすぐコンセントを差し込んでもその場では充電せず、安価な深夜時間帯の電力で充電するためなんですね。

後でToto BMWさんで伺ったら、イオンモールとか無料のところもあるんですよ、と教えてくれました。こういうのをうまく使わないといけませんね。

その他

ラゲッジスペースです。買い物に行くくらいの荷物は余裕で詰めますね。

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そして話題の細くて大径のタイヤ。サイズは155/70R19!です。細くして低燃費を狙っただけでなく、大径にすることでジャイロ効果も狙って低電費を追求しているそうです。i3専用品ですので、交換の時には高くつきそうな気がします。

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これ、欲しいです。ただし2台目として。

私の結論としては、タイトル通り。i3はシティコミューターとしてかなり使える、というものになります。やはりEVなので無音ですし、乗り心地も一部を除いて良好ですから。

ですが、長距離を走る私としては、やはりこれ1台では済ませられません。そうなると、やはり私にとっての理想的な解は、1台で済ますとなると「ディーゼル+PHV」ということになりますね。

でも、i3の乗っている間はなんだかよく通る道でも景色が違って見えるような、不思議な感覚に包まれて、本当に楽しい思いをしました。

最後になりましたが、非常に未来的な体験をする機会をご提供くださったToto BMWの方に改めて感謝して、まだまだ書き足りませんがi3のインプレッションを終了させていただきます。

では、今回はこの辺で失礼します。ありがとうございました。