40代子持ちのクルマ好きが、愛車のBMW 320dツーリングを評価するとともに、ちょっとだけ日々を楽しくするクルマのある生活の話題をお届けします。

VWパサートヴァリアントとゴルフに試乗してきました!〜ゴルフ編

さて、前回はパサート・ヴァリアントの試乗のご報告のみで終わってしまいましたが、今回は引き続きゴルフの試乗のご報告をしたいと思います。

前編:パサート・ヴァリアントの試乗記事はこちら

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試乗車はゴルフTSI Highline Connect

パサートの試乗から戻って、パサートの周りをぐるぐる回りながら観察していると、セールスの方がささっとゴルフの試乗車を準備してくださいました。

ゴルフに乗るのは久しぶりです。いや、久しぶりどころか、学生の時の友人が購入した中古の2代目ゴルフのMT車以来。実質的に初めてといってもいいと思います。

とはいえ、私が学生の時に一緒につるんでモーターショーに、会期中に何度も行ったりしたクルマ好きの友人は私の他に二人いて、その二人がゴルフとジェッタに乗っていた(両方とも中古)ので、VWには実は結構馴染みが深いものを感じています。あ、ちなみに上記の友人のうち一人はジェミニ・ディーゼルで軽油凍結事件の時の友人です。

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私自身、一番最近VWに乗ったのは約5年ほど前になりますか、宅配業者さんがお隣さんの自転車を倒してしまって私のE90 323iの助手席ドアに大きな傷をつけた時に代車で提供されて以来です。なんとこの時の代車が驚きのビートル・カブリオ(笑)。これは私も笑うしかありませんでしたが、初めてのオープンでそれなりに楽しんだのを覚えています。

余談が過ぎました。早速ゴルフも荷室チェックです。

下手なセダンを凌ぐ広大な床面積ですね。容量は380Lとのことですが、やはりハッチバックということで使いやすそうです。

そして恒例のタイヤチェック。

これまたパサート・ヴァリアントと同じくかっこいいホイールを履いていますね。バイカラーです。タイヤサイズは225/45R17で、銘柄はブリジストンTURANZA001でした。これはメルセデスのCクラスに試乗した時と同じ銘柄ですね。

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あの時のCクラスの乗り心地と静粛性を考えると、結構期待できるかと、この時は思いました。

運転席はこんな感じです。中心部にアルカンタラがあしらわれていまして、なんだか本革シートよりも豪勢な雰囲気に見えます。

そしてまたポジションを大体合わせてからみた後席がこちら。

さすがにパサートと比べると狭いですね。パサートでは身長175cm(公称値)の私が乗り込んでも膝前に拳が縦に二つくらい入りましたが、ゴルフでは姿勢正しく座って手のひら1枚分といったところです。あ、どうでもいいですが私の手のひらは厚いので、想像されるよりは少し余裕があるかと思います。

運転席に乗り込むと、さすがに目の前にパサートのような眺めは広がっていませんでした。

ですが非常にシンプルで必要な情報をすぐに得られる表示ですよね。表示の内容は変更できますが、さすがにナビ表示にはなりません。それはそうですね。タコメーターとスピードメーターのリングがありますから。

そしてインパネはパサートと全く同じ。

非常にシンプルで好感が持てるのですが、エアコンのスイッチが下過ぎて遠いです。パサートでもそうでしたが、この辺が手足のリーチの長いドイツ人基準ですね。

では出発しましょう。

キビキビした動きが心地よい

パサートと全く同じルートで試乗できるので比較が容易です。

走り出してすぐに気づいたのが、身軽な動き!それはそうです。パサート・ヴァリアントと同じ1.4Lターボを搭載しているのですが、車重はパサート・ヴァリアントの1,510kgに対して1,240kg!と270kgも違うんです。しかもゴルフの方がホイールベースも短く、リアのオーバーハングも短いので、この1.4Lのダウンサイジングターボエンジンが2Lクラス以上に感じます。

そしてパサートと一番違うのは・・・乗り心地ではなく、室内の静粛性です。エンジン音の透過もさることながら、ロードノイズの侵入が大きいですね。乗り心地は若干リアがばたつきますが、直接的なショックは抑えられていて中々快適だっただけに惜しまれます。同じ銘柄を履いていたCクラス、しかもあちらはランフラットタイヤということを考えると、Cクラスの快適性にかけているコストというのは相当のものでしょうし、その努力は完全に実を結んでいると改めて感じました。さすがメルセデスですね。

ですが、ハンドリングは非常にいいです。ここは不思議なのですが、テイストというか、いわゆる「乗り味」といった部分では非常にパサート・ヴァリアントに似通っているにもかかわらず、明らかに軽快感を感じるんです。ノーズの反応もよく、リアの追随性も素直で変な癖がありません。

これは私としてはかなり好感を持ちました。

気筒休止システム作動!

幹線道路を流れに乗って流している時、メーターパネルに出ている表示にふと目をやると、驚くべき表示が出ていました。運転中でしたので写真はありませんが、「2シリンダー作動中」(正確な文言を忘れちゃいました・・・)みたいな表示が時々出てくるんです。

正直に告白すると、私はVWに気筒休止システムが当されていることを知りませんでした。そこで慌てて隣に乗るセールスさんに伺うと・・・なんと、パサート・ヴァリアントにも搭載されているそうです。

全然気付きませんでした(汗)。

ゴルフの気筒休止システムも、私が全く気付かなかったパサート・ヴァリアント同様に非常にシームレスな動作をします。メーターパネルを見ていないと、作動していることには全く気付きません。まるで、330eでEV走行中にエンジンがかかる時くらいの自然な作動です。

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これは高速道路でクルーズコントロールを作動さえている条件下では相当燃費の向上に寄与しそうですね。ゴルフのカタログ燃費はJC08モードで19.9km/Lを謳っていますが、高速燃費はもっと行くでしょう。ガソリンながら、単純な燃費だけで見ると我が愛車320dツーリングに匹敵すると思われます。逆に言えば、320dツーリングが1クラス下のゴルフと同等の燃費を誇っているということがスゴイのですが。

ゴルフはCセグメントのベンチマークであり続けるのか?

今回の試乗車はTSIでしたが、こんなおとなしいエンジンでもキビキビした動作などは好感が持てます。これはGTIが人気があるのも頷けますし、非常に楽しいクルマであろうことは容易に想像がつきます。私も是非GTIを試して見たくなりました。

ですが、ここでちょっと冷静に考えて見ますと・・・メルセデスのAクラスに乗ったことはありませんが、118dに乗った経験からすると、昨今のCセグメントの基準は大きく上がっていると感じます。118dの動力性能と、BMWファミリーに共通するFRならではの素直なハンドリングというのは非常にフィーリングがよく、このクラスでは貴重です。内装の質感もすでにモデル末期とはいえ1シリーズの方が圧倒的に「高級感」はあります。乗り心地もかなり上質感を感じるもので、タイヤのばたつきなどはありませんし、静粛性は段違いで118dが上です。

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となると、もし私だったら118dを選ぶと思うのですが、やはりネックはお値段ですよね。極端に言えば、ゴルフは200万円台から購入できますが、1シリーズは300万円台からのみ。そう考えると、俄然ゴルフのメリットが光ってくるわけです。

Cセグメントというクラスには豪華さは求められません。乗り心地・静粛性といったものにも高いレベルは求められないでしょう。そういう意味では、価格とのバランスにおいて、Cセグメントに求められるものを最も如実に表現しているのが、今回試乗したゴルフの中核モデルであるTSIなのであり、BMW1シリーズは、プレミアムブランドらしい静粛性と運動性能を付加価値として付け加えたが故の高価格、ということになるかと思います。

展示車で興味があるクルマが。

まずは特別仕様車、Polo with Beats。

もっと横から取ればよかったです・・・。ですがこれ、beatsの音響システムと、非常におしゃれなホイールも履いていてお値段控えめの239.9万円。セールスさんも、「これはお買い得です。」とオススメしていました。個人的にはVWはやはり小型車作りに長けていると思っていますし、所有しているbeatsのヘッドフォンStudio Wirelessの音が澄んだ音で気に入っているのもあり、欲しくなってしまいました。

そしてもう一つ、ゴルフRのヴァリアントがあったので荷室を見て見ました。

あーもっと写真撮ってくるんでした(泣)。荷室はこのようにパサートに負けず劣らず広大で容量は605Lを確保しています。その代わりにリアオーバーハングが30cmほど延長されているので、先ほど私が感じたゴルフの軽快感は若干スポイルされてしまいそうですね。

終わりに

以前も当ブログで申し上げましたが、このように他メーカーのクルマを時に試乗しないと、BMWがいいのか悪いのかの判断もつかなくなってきます。

試乗の帰り、VWと違った低い座面に閉口しつつも320dツーリングに乗り込んで見ると、適度にタイトな空間が広がっていました。この囲まれ感、このタイト感がBMWの運転席。そしてやっぱり落ち着きます。ここで初めて気がつきました。VWは座面が高くて乗り込みやすいですし、視界もすごく広いです。ですがその割にドアミラーが小さかったりと若干ちぐはぐな部分も見受けられ、運転環境全部をトータルで考えてプロデュースしていないような気がします。でも、やっぱりBMWのルームミラーは邪魔ですね(笑)。VWはアウディと同じ、フチなしルームミラーでしたので余計にそう感じます。

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そして帰路について見ると、キビキビ感は若干ゴルフに劣るものの、意思通りに反応する車体の動き、路駐車両を避けて走るために車線内でわずかにラインを変えたいと思う私の意思にもきちんと思う通りの反応を返すBMWのハンドリングに「やっぱりいいなあ」と、初めてE90の320iを試乗した時と同じ感銘を受けつつ帰ってきました。

不思議です。パサート・ヴァリアントに試乗した後は「これいいな!」ゴルフに乗れば「これはかなりいいな!」と思い、欲しい!とまで感じたのに後味で残っていないんですよね。ですが、それがVWの良いところなのかもしれません。普段の生活を邪魔しすぎず、移動手段として忠実に任務を全うする。あの、VWの真面目な優等生ぶりからすると、そのくらいの距離感がVWとのいい付き合い方なのかもしれません。

では、今回はこの辺で失礼します。ありがとうございました。