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アルファロメオ ジュリアに試乗!(前編)〜 BMW3シリーズの強力なライバル登場!

今回の記事は、BMW3シリーズを仮想敵として開発されたライバル、あのアルファロメオの久々の後輪駆動車「ジュリア」に試乗したご報告をしたいと思います。満を辞してかつての名車「ジュリア」の名を与えられたイタリアのセダンは、非常に完成度の高くてクルマ好きの琴線に触れる、「これぞスポーティセダンのお手本!」と言いたくなるような素晴らしいクルマでした。

アルファロメオの伝統

アルファロメオって、「知っている人は知っている、知らない人は全く知らない」の最たるブランドだと思います。「知っている」方でも、「イタリアの情熱」「イタリアの熱い血」などという定型のフレーズしか思い浮かばない方も多いと思います。

実はアルファロメオは個人的に大好きなんです。初めてBMWを購入した時のことですが、ブランド名を伏せて姉にクルマを購入したことを話した時、こう言われました。

「絶対BMWかアルファでしょ?」

まあ、姉はそんなにクルマに詳しいわけではありません。若気の至りで、私が学生になってから、自動車雑誌から仕入れた蘊蓄をうるさいくらいにクルマに興味のない姉に吹き込んでいたために、私の趣味がバレていたんですね(笑)。まあ、興味もない人に蘊蓄を垂れるなんて、今思うとまさに若気の至りで恥ずかしいです。

まあそれはいいとして、アルファロメオの歴史や伝統に触れると当ブログでいくら記事を費やしても終わらないのでここでは詳しくは述べませんが、かのエンツォ・フェラーリが言っていた言葉「アルファロメオは母である」との言葉からもわかるように、古くはF1で名を馳せ、常にモータースポーツに熱心なブランドであったことはご存知かと思います。

私が曲がりなりにもクルマ好きの仲間入りをした時にはすでにアルファはFF車メーカーでした。学生時代に夢中になった車はアルファ155。ご存知ですかね?グレード名にもなっていた「ツインスパーク」という、1気筒あたりプラグを2つ搭載したエンジンを搭載したスポーツセダンがありました。

もうこれかE46のBMW3シリーズもしくはE30のM3が欲しくて欲しくてしょうがなかったですね。懐かしいです。

ですが、このころのアルファは、長い目で見るとアルファのファンにとってはいまいち不完全燃焼だった時代かもしれません。その理由は「FF」と「車名」。155の前の「75」が最後の後輪駆動車で、しかも車名に関してはこの75ですら不満だったかもしれません。まあ、FFのアルファに関しては「アルファスッド」という名車がありましたが、車名はやはり古き良き「ジュリア」「ジュリエッタ」を懐かしがるファンが多かったと思います。

今やアルファは「ジュリエッタ」がすでに復活しており、そこに今回「ジュリア」が復活したわけです。そしてDセグメントに属するこのジュリエッタ、ただDセグメントに復活するだけではアルファロメオの名が泣きます。そこでアルファの名にふさわしいセダンとは何か、となると、後輪駆動のスポーティセダンしかありえなかったのでしょうね。

そして試乗の結論から先に申し上げてしまいますが、この狙いは完全に成功し、今やDセグメントのベンチマークたるBMW3シリーズの座を脅かす存在になったと言えるでしょう。

ジュリアとご対面!

まずはヴェローチェをじっくりと。

私が愛車の320dツーリングでお世話になっているToto BMWさんは、系列で色々なクルマを取り扱ってらっしゃいます。それこそ、以前お伺いしたマセラティもそうです。

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以前から存じ上げてはいたのですが、フィアット・クライスラー系のクルマも取り扱っています。ですので、JEEPもありますし、フィアット・アルファロメオもあるわけです。

そしてジュリアに試乗したいと思っていた私ですが、試乗車が少ないという話を聞いて、半ば諦めていました。が、X3試乗にToto BMWさんに伺った時、図々しくも聞いてみたんです。いや、それこそストレートに「アルファのジュリアに試乗したいんですけど、ありますかね?」と(笑)。BMWディーラーでジュリアの試乗をお願いするというシュールな光景です(笑)。が、あっさり「あると思いますよ。多分ですけど。」とのお返事をいただき、勇気を出して後日電話してみましたんです。

するとなんと。なんと!試乗車があるというではありませんか!しかも「何がいいですか?」と聞かれ、(あれ?ジュリアって最初に行ったんだけどな?)と訝しむ私の気配を感じたのか、「スーパー・ヴェローチェ・クアドリフォリオのどれになさいますか?」と聞かれたんです!そう、なんと全グレードの試乗車があると!ですが、時間の関係で1台だけということでしたので、私は迷わずスーパーを選びました。

「そこはクワドリフォリオでしょ!」「いや、スポーティグレードのヴェローチェでしょ!」というツッコミを一斉にいただきそうですが、ベーシックかつ一番の量販グレードに乗ってこそクルマの素性ってよくわかると思うんです。パワーや豪華装備で糊塗できない部分が浮き彫りになりやすいですし、3シリーズオーナーさんが狙うとしたらスーパーかヴェローチェというのが現実的ですからね。

そして勇躍、ディーラーさんにお邪魔しました。伺ったのはこちら。

アルファロメオ青山

上のリンクからみていただいてお分かりのように、赤いです。もう全てが赤いです(笑)。ですが私は赤が一番好きですのでむしろ自然と笑みがこぼれます。このディーラーさんは珍しい営業形態でして、ビルの広い1階フロアを区切って営業しています。えっと、何を行っているのかわからないと思いますけど、要するに部屋として区切られたスペースではないんですよね。上を見上げると、大きなブースのように区切っているのがわかります。あ、モーターショーのブース的なスペースといえばお分かりになりますでしょうか?

そしていきなり展示していました、アルファ・レッドのジュリア ヴェローチェ!

これほど鮮烈な赤が似合うクルマも珍しいです。

これは左ハンドル仕様のヴェローチェでして、4輪駆動なんですよ。トランクの左のほうに「Q4」のエンブレムがありますよね。一方で、今の所、右ハンドル車は全て後輪駆動です。

「ああ、右ハンドルだとポジションが不自然だから左ハンドルがいいと思ってたら全部4輪駆動なのか」

と思われたあなた!ちょっとお待ちくださいね。後程お話ししますけど、右ハンドルでもポジションは自然なので、今回は右でもいいかもしれませんよ。

それはさておき、待っている間にこのヴェローチェを観察していました。だって、試乗車を前にしたら飛び乗っちゃって冷静に観察なんてできないですから(笑)。

ヴェローチェはジュリアの中でもスポーティモデルです。BMWでいうところのM Sportのポジションになりまして、それは外観からもよくわかります。上の外装写真を見ていただけるとお分かりになりますよね?ドア周りのモールディングはM Sportと同じハイグロス・ブラックです。これはあとで試乗したスーパーではシルバーのモールディングになっていたので気がつきました。

まずは運転席のドアを開けてみたところです。

ブラックでまとめられたスパルタンな内装です。シフトパドルが大きくてスポーティモデルであることを主張していますね。

運転席に座ってみました。

ちょっと全体が見えにくいですね。後席からみたインパネ全体はこんな感じです。

スイッチ類が非常にシンプルなのがお分かりになりますでしょうか?先に申し上げておきますと、実際にはiDriverと同じような感じで操作できて使いやすかったですね。

ちょっと脱線しますが、最近はインフォテインメント系をタッチパネルで操作するクルマが多くなってきています。モニターをみながらというならまだわかるのですが、最近その傾向が進みすぎて、ポルシェのパナメーラやカイエンのシフトレバー周りを見ると、ガラス板の感圧式になっているような感じです。

これは個人的にはあまりよろしくないのではないかと不安に思っています。クルマのインフォテインメント系を操作する時って、停止中でも周りに目を配りながらブラインドタッチでできた方がいいですよね。走行中の操作はよろしくないですが、止むに止まれぬ時などはやはりありますが、これはもう絶対的にブラインドタッチできた方がいいに決まっています。ですが、タッチパネルというのは必ずそこに視線を写さなければいけない、つまり運転中の視界から一旦目を切らなければいけなくなるんですよね。そういう意味では、ボタンやダイヤルを残しておいた方がいいのではないか、と思ってしまいます。

脱線しました。元に戻しましょう。

このヴェローチェ、運転席に座ってドライビングポジションを合わせてから後席に座ってみようと思ったのですが・・・運転s系ドアを開けた途端に「ウィ〜ン」とシートが下がってしまい、徒労に終わってしまいました(笑)。イージーエントリーが付いているわけですね。ドライビングポジションですが、これは非常に調整幅が大きいです。したがって、どんなポジションでも取れます、というか、ペダルの角度的には3シリーズと似ていますので、低めに座面をセットして調整していくのがいいかもしれません。要するに、3シリーズと同様のポジションが取れるんですよね。私は全く違和感がなかったので、BMWオーナーさんはいつものBMWと同様のポジションを取りやすいと思います。

で、後席です。イージーエントリーで下がった分を前に戻して撮影しました。

はっきり申し上げて、狭いです。ジュリアの全長は、スーパーで4,645mm。ん?なんか聞いたことある数値だな・・・と思ったあなた!正解です。これ、LCI後の3シリーズと、1mmの単位に到るまで全く同じ全長なんです。ちなみにヴェローチェは4,655mmと10mm長く、クアドリフォリオは4,635mmとなぜか10mm短いです。普通はエアロパーツとかで長くなるのではないかと思いますので、意外ですよね。

何が言いたいのかというと、後席に関してはBMW3シリーズの圧勝なんです。ここは残念ですね。実はこの後にも次々とわかるジュリアの3シリーズへのオマージュ、というか似せっぷりというか、を見ているとなんだかジュリアを応援したくなってきている自分がいまして、もうちょっと頑張って欲しかったな、と心の底から悔しがってしまいました(笑)。

そして気が付いたのが、インテリアのトリム。

すみません、ちょっとわかりにくいんですけどドアノブの周りのパネルの加飾です。これは同じものがATのシフトレバーの周りにも貼ってあるのですが、カタログによるとアルミだそうです。最初見たときは、チタンっぽい渋みのある色合いなので、チタンテクスチャーかなんかかと思いましたが、高級感を感じます。

トランクをチェックして見ましょう。

トランク容量は480L。これも聞いたことがありますよね。はい、3シリーズへのオマージュ、トランク容量も全く同じという・・・。ですがこれもちょっと残念なのが、3シリーズセダンよりも開口部がちょっと狭目なんです。いや、絶対的には広いと思いますし、形状もよく、奥行きもあって使いやすいと思います。ただ、比較の問題です。見た感じでは、3シリーズは床面積よりも高さで容量を稼いでいますが、ジュリアは高さではなく床面積で容量を稼いでいます。これが後席の狭さに繋がってしまったのでしょうかね。

ですが、この後席の狭さとトランクの関係、これでいいと思います。というか、両方とも増やそうと思ったら簡単です。そう、リアオーバーハングを伸ばしてそこにトランクスペースを移動させて、後席足元を広げればいいんですよね。それをしなかったのは、50:50の前後重量配分(BMWの話ではないですよ、アルファの話です。)やスタイリングの問題でしょう。個人的には安易なボディサイズの拡大を選択するよりも好ましいと思います。

そして私の大好物、トランク後端のダックテール。

これさえあれば、私にはかっこよく見えると言っても過言ではありません(笑)。

おっと、恒例のタイヤチェックです。今回は1枚です。

225/45R18のピレリCinturato P7でした。BMWでも純正で採用されていて、私もタイヤ選びの際に散々悩んだうちの一つですね。

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このジュリアではどのような性能を示すのか、ちょっと試して見たい気がします。

ところで、なぜ今回は1枚しかないのかというと、降臨も取ろうとしてサイズが同じだったので手が止まってしまったんです。それは驚きが大半でして、ジュリアを、BMWでいうならM Sport的なものと捉えていた私にとっては意表を突かれました。きっと、4輪駆動であるので前後輪の外径差が出ることを嫌ったに違いない、と思っていましたが、後ほどディーラーの肩に伺ったら案の定そうでした。後程ご紹介しますが、後輪駆動はちゃんと(?)前後異径です。この辺は320i xDrive M Sportは前後異径タイヤですので、コストがかかっていますね。

ちょっとだけクアドリフォリオ

店内にはクアドリフォリオも展示してありました。こちらはBMWで言う所のM3のポジションですね。

いやー、戦闘的な雰囲気を醸し出していますね。ブラックのホイールにフロントフェンダーに輝く四つ葉のクローバーマークがクアドリフォリオの証です。このエンブレムはアルファのトップモデルであるクアドリフォリオには伝統的に採用されているものです。エアロパーツ類もカーボンのパーツがそこかしこに採用されていて、M Performanceパーツを纏っているような錯覚に陥ります。が、これらは標準装備ということで、M3に比べるとちょっとトクな感じがします。でも、写真はとっていないのですが、流石にリアのディフューザーはカーボンではなかったのが個人的には残念です。

残念ながらクアドリフォリオは鍵がかかっていまして乗りこめませんでした。ですので、こっそりと窓にレンズを押し付けて車内を撮影しました。

大きくは変わりませんがスポーツシートのセンターがアルカンタラになっていたり、トリムがカーボンになるなどして雰囲気はだいぶ違います。リアも撮ろうと思ったのですが、窓が黒いのでどうしてもダメでした。見た限りではスペース的に大きな違いはなさそうに見えたのですが、ここでヴェローチェと比べると不思議なことがわかります。

字が小さくて申し訳ありません。上がヴェローチェ、下がクアドリフォリオなのですが、乗車定員が違うんです。ヴェローチェは5人、クアドリフォリオは4人となっています。後席の作りは一見同じように見えたのに、何故なんでしょうね。

そして恒例のタイヤチェックです。

前後245/35ZR19、285/30ZR19という、非常に薄いタイヤです。奥に覗くドリルど・ベンチレーテッドブレーキのディスクと赤いブレーキキャリパーがいいですね。

最後にちょっとだけ店内の様子

アルファグッズをおいたスペースの前にソファがあったので、そこに座って休んで見ました。そこからの眺めはこんな感じです。

実は全く触れていませんでしたが、MITOもあるんですよ。で、この手前の少しスペースが開いたところに、もう少し全体的に詰めてジュリエッタを展示する予定とのことでした。ジュリアの向こう側が入口になります。

振り返って見たらアルファグッズの棚。モデルカーもありましたが、私が目を引かれたのがこちら。

可愛いですね。ヘビですけど。ご存知の通り、アルファのエンブレムは人を飲むヘビが右半分に書かれています。流石にこのぬいぐるみはそんなシーンまでは再現されておりませんが。

次回予告!

さて、長い記事でしたがここまでお付き合いいただきありがとうございます。

では早速試乗記を!と行きたいのですが、あまりに長くなりすぎるので、次回記事に譲りたいと思います。

予告めいたことを申し上げますと、キーワードは「パワフルなエンジン」「高度運転支援機能」「基本がしっかりしている」などなど、完成度の高さを感じさせるものばかりでした。具体的にどうなのか?売れ線となりそうなスーパーを選ぶべきなのか?ヴェローチェにするべきなのか?個人的な意見ではありますが、クルマ雑誌的な自動車評論の視点ではなく、クルマ好きの1ユーザーとしての視点からジュリアの実像に迫って見たいと思います。

後編記事はこちら

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さて、話題のアルファのジュリア、実際に乗って見てどうだったのか、早速お伝えしましょう! 前編はこちらです。 [sitecard subtitle=関連記事 url=https://ponta01.net/alfaomeo-giu[…]

では、今回はこの辺で失礼します、ありがとうございました。

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