BMWに乗って家族みんなでドライブ行こう!

BMWとトヨタの提携がこんなところにも。次期カローラにBMWエンジン搭載予定あり。

ご存知の通り、BMWとトヨタは提携していますが、どうも当初想像していたよりも緊密な提携関係のようですね。それを裏付けるニュースを今回はご紹介したいと思います。

BMWとトヨタの提携は「Win-Win」?

BMWとトヨタの提携が発表された時、大方の観測は「BMWはトヨタのハイブリッド、トヨタはBMWのディーゼルとダウンサイジングターボが狙い」というものでした。

確かにそうでしょう。日本の自動車メーカーはダウンサイジングターボとディーゼルで出遅れ、ヨーロッパメーカーはPHVでトヨタの後塵を拝していたわけですから。

そして、BMWとトヨタの兄弟車がいつ発表されるのかと思っていたところ、早速噂が出てきたのがBMWのZ5と兄弟車となる、次期スープラです。

BMW Z5の兄弟車?トヨタから出る次期スープラの概要

そして、もっと踏み込んだ提携関係を思わせるニュースが出てきました。それはトヨタが誇る量販車種たるカローラにBMWがエンジンを供給するというのです。

カローラに「BMW製エンジン」搭載の可能性!? 次期型のプロトタイプをキャッチ!

トヨタが世界に誇るベストセラー4ドアセダン「カローラ」次期型の初期プロトタイプをカメラが初めて捉えました。

「カローラ」は1966年から50年もの長期に渡って発売されており、現在では世界中で展開されているグローバルモデルとなっていますが、次期型では大きな転換期となりそうです。

カローラ生誕50年を記念して初代モデルを展示。台数限定の特別仕様車も

次期型では、新型プリウスと同じ「TNGA」(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)プラットフォームを採用し、最新のキーンルックデザインとなります。

パワートレインには、ブラッシュアップされる1.5リットル直列4気筒、1.2リットルダウンサイジングターボ及びハイブリッドがラインナップされる可能性が高いようです。

そしてハイライトは、BMW製パワーユニット搭載の可能性です。カローラ購買層の若返りを図るため、スポーツ力アップを狙って次期スープラ同様にBMW製エンジンの期待がかかります。

ワールドプレミアは2018年の予想です。

(APOLLO)

すでに日産はスカイラインにメルセデスの2L直列4気筒ターボを投入していますが、カローラにはBMWエンジンが乗るんですね。

これは個人的な予想ですと例の318iに搭載している1.5L直列3気筒ターボではないかと思いますが・・・どうでしょう?

個人的にはこの提携関係が逆のような気がして。

なんだかトヨタとメルセデス、日産とBMWの方がしっくりきませんか?どちらかというとスポーティイメージより旦那仕様の車が多いトヨタと、「上がり」のクルマとも言われるメルセデス。一方で、Zやスカイライン及びGTRが牽引するスポーティイメージが強い日産と、言わずと知れたスポーツセダンの代名詞3シリーズを擁するBMW。この組み合わせの方が馴染んで見えます。

まあ、だからどうしたと言われればそれまでなのですが、なんだか自動車メーカーの日独提携を見ていると、自動車の開発も厳しい時代になったんだなあ、と思わざるを得ません。

カローラにBMWエンジンが乗るとどうなる?

がっかりされる方もいるでしょう。

こう言ってはなんですが、カローラって日本では大衆車そのもののイメージで、特にかっこいいと思われるクルマではありません。ですが売れるにはそれなりに理由がありまして、まあ、乗って見て安いクルマなりに装備が充実している様はさすがだと思います。乗って見たことはありませんが、私は乗って見てもいいと思えるクルマですよ。

そんなカローラにBMWエンジンとくると、「BMWも落ちたな」と思う方もいるかもしれません。

ですが、私に言わせればそれは自動車メーカーの真のグローバル化を考えていない発言だと思います。思えば、トヨタは86/BRZの時から外部メーカーとの協業に積極的でした。BMWとの提携も、先に述べたようなパワープラントを補完しあう意図もあったのかもしれませんが、実際にはもっと先をみての提携だったと思います。つまり、自動車メーカーがこれから負担する莫大な開発研究費、それは主に自動運転とEV技術に関わる部分であると思いますが、このリスクは1社で負担するには重すぎるということなのでしょう。そして更に言えば、この流れからいくと、今までのサプライチェーンとは全く違う協業先を探さなければいけなくなってきます。それは、BMWの場合はIBMであったり、イスラエルのモービルアイであったりするわけです。

そう言えば、結構前のことになりますが、ダイムラー・ベンツとBMWがアップルとの提携交渉を中止したことをご紹介しましたよね・・・。あ、ありました。

自動運転に向けて、自動車メーカーの試練

だいぶ前の記事でお恥ずかしいのですが、このころから自動車メーカーの、日本語でいい表現が浮かばないのですが、「struggle」している様子が伝わってきますよね。アップルという自動車メーカーではない企業が、将来の自動車に関してイニシアティブを取ろうとしてきたわけですから。

結局、前回の記事でご紹介したようにBMWはIBMと提携して同社のワトソンを採用するようですが、これがすんなりと行ったのは、 IBMが自動車の世界にあまりしゃしゃり出てこなかったからだろうと思います。

自動車メーカー間のみならず、これからは「敵」が外にもいるわけです。こう考えると、利害を同じくする同業他社なんて、逆に頼もしい味方に見えてくるんでしょうね。

ですが、これはいい流れです。ヨーロッパメーカーと足並みを揃えることで日本車はCVTで陥ったガラパゴス化を防ぐこともできますからね。

と、「カローラにBMWエンジン」でここまで妄想してしまいました。もちろん、経営上の理由はまだまだあるのだと思いますが、根底にある危機感は遠からずとも当たっているのではないでしょうか?

BMWはどうやって高価格を正当化するのか?

これは心配というか、むしろ価格が下がればいいなあと思っているのですが・・・。

カローラはいくらBMWエンジンを搭載すると言っても、価格までBMWと一緒にするわけにはいきません。むしろかなり価格を抑えてこそ価値のあるクルマです。

そうすると、「実質同じエンジンなのにどうしてこうも値段が違うんだ!」という不満はどうしても出てきますよね。

確かに、BMWは日本よりもはるかに高速域をターゲットとしたクルマを作っているので、エンジンだけが高いのではありません。シャシー全体の開発と、手の込んだ作りがコストを押し上げる要因となっています。

ですので、まあそんな不満はBMWには一蹴されてしまいそうですが、せめて量産効果でエンジンのコストは下がって欲しいですよね。そうすればとめどない高価格化にも言っての歯止めがかかるのではないでしょうか?

BMWファンは、BMWエンジン搭載のカローラに乗るのか?

うーん、これは乗らないでしょうね(笑)。いくらBMWがエンジンに定評があると言っても、やっぱりBMWならではのハンドリングや安定性までは備えないでしょうから。大体、エンジンが同じでも吸排気系の取り回しだけで性格が変わっちゃいますから、BMWエンジン搭載のカローラに「駆け抜ける喜び」があるかというと、はっきりとないであろうと思います。

もしかしたら、一時期日本ではやった、ジェミニ・イルムシャーですとかデボネアAMGですとか、ハンドリングbyロータスみたいな形で特別な車種展開をすることがあるのであれば違うでしょうけどね。「カローラ tuned by BMW」とか(笑)。

決してカローラを軽く見ているわけではありません。それだけ同じエンジンでも別物だということを言いたいわけです。F1だって、チャンピオンチームと同じエンジンを積んでいるからと言って早いわけではないですよね?それと同じです。

まとめ

カローラにBMWエンジン、それでも心無い人は「BMW落ちたな(笑)」というでしょう。でもいいと思います。この画期的な提携と、カローラにBMWエンジンが搭載される意味は、この先の自動車の歩みがその重みを将来証明することになるでしょう。

それがどのような評価になるか、私にもわかりません。BMWとトヨタが勝ち組になれば、偉大なる転換点における画期的な出来事の一つとして記憶されるでしょうし、トヨタがBMWに搾り取られるだけ搾り取られて疲弊してしまうようなことになったら、逆にトヨタ凋落の転換点における象徴的な出来事として歴史に残るかもしれませんし、BMWが凋落したとしても同様です。

ただ、そう遠くない将来、自動車メーカーがEVの投入による技術力アピールを狙っている東京オリンピックの年である2020年には、もしかしたら少しは方向性が見えてくるかもしれません。

では、今回はこの辺で失礼します。ありがとうございました。

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