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BMW X1や2シリーズアクティブツアラーの後席足元はなぜ広いのか?

BMWとしては初のFFとして鳴り物入りでデビューして人気を博している2シリーズアクティブツアラー、そしてFFベースに衣替えしてこれまた大人気を博しているX1。この2車種の人気は値段が比較的抑えられていることやスタイリングの良さ、手頃なボディサイズ、そしてやっぱりBMWという走りなど色々あるかと思います。今回は、後席足元にスポットを当てて見ました。

1シリーズよりも足元は広大!

X1や2シリーズのツアラー系の試乗記を読んでいるとよく「室内が広い」といっているのを目にします。その理由として、あげられているのが「FFだから」というのがお約束になっていますよね。

これ、本当です。X1も2シリーズツアラー系も、ボディサイズに似合わぬ広い室内を確保しています。それは、3シリーズに乗っている私が「3シリーズなみ」と形容してもいいほどです。

ですが、「FFだから」の一言で片付けるのは真実の一面しか伝えていなくて、私は反対です。それを言うなら、「全長が短い割に広い室内を確保している」とちゃんと言わないと、読んだ方が誤解してしまいます。私の手元にカタログがありませんので、室内長などの詳しいスペックはわかりませんが、全長がX1で4455mm、2シリーズアクティブツアラーで4350mmと、3シリーズの4645mmという全長を考えると不思議なくらい足元のスペースは不満がありません。

ちなみに、1シリーズは全長が4340mm。ちょうどアクティブツアラーと同じくらいですが、FRレイアウトのために室内長も犠牲になっていて、身長175cm(公称値)の私が適切なドライビングポジションを取って後席に座ると、膝は全席背面には触れませんが、余裕は手のひら1枚分といったところです。

ところが2シリーズアクティブツアラーやX1の後席に座っても膝周りの余裕は拳縦に一つ分はありますし、足元はもっと広いです。膝周りの余裕は確かにFF化によって得られた室内長の長さの恩恵でしょう。

では、足元は何が原因なのでしょうか?両方とも、私が後席に座っても足が伸ばせるんですよ。

その秘密は前後席共にアップライトなポジションを取ることにあった。

X1にしろ2シリーズアクティブツアラーにしろ、前後席とも3シリーズなどよりもかなりアップライトなポジションとなります。

「アップライトなポジション」というのは、つまり座面が高めということでして、必然的にシートバックも起こし気味になり、かつシート位置も前の方にずれます。

さて、これだけでも後席足元に十分な余裕ができますが、ここまではまだ膝周りの余裕です。では、以下の写真を見てください。まずはX1の後席足元です。

まだちょっとわかりにくいですかね。ではもう一つ、2シリーズアクティブツアラーの足元の写真です。

・・・これもちょっとわかりにくいですか?むしろX1の方がライトで照らされていて見えやすかったですね。

どういうことかというと、前席がそもそも高い位置に付いているんです。先ほど、「アップライトな姿勢」と申し上げましたが、そのためにはもちろんシート自体がが高くなります。

そして、前席というのは、大抵左右2本のシートレールに設置されています。そのシートレール自体が盛り上がった床に取り付けられていて、その間はえぐられて後席足元と同じ高さになっているんですよね。

もうおわかりですよね。ここに足を入れれば、後席にダラっとした姿勢で座って足を伸ばせるんです。

定番の工夫ですね。

クルマにお詳しい方はご存知かと思いますが、これって後席足元を広くするための定番の工夫です。

じゃあ、どの車もそうなっているかというと、必ずしもそうではありません。私の3シリーズツーリングでは、前席の下に足元は入りますが、伸ばせるほどではありません。これは座面の高さも関係ありますけどね。3シリーズの後席の座面もちょっと高めになっていますが、X1や2シリーズアクティブツアラーほどではありません。

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ところが、中には前席足元に足が入らないクルマもあるので注意が必要です。購入するときは必ず、「自分のドライビングポジションに合わせて後席に自分で座ってみる」ことをしないと、これに気づかず後悔することになるのでご注意ください。

ところで、私は過去記事で、「将来的には、クルマの形ってX1やX2などのコンパクトSUVもしくは2シリーズアクティブツアラーのような形になるのではないか?」と述べました。

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それは、アップライトな姿勢で座りつつもよじ登るほど高くはなく、低床化してシート取り付け位置が高いがために最小の路面占有面積で最大の居住性を得られるから」というのも理由の一つです。もちろん、なぜそうなるかというのは上で説明した通りですね。

これはおそらく、メルセデスのBクラスなどでもそうなっていると思います。あまり街中で見かけることはないのですが、こういうクルマの可能性ももっと注目されてもいいのではないかと個人的には思います。

ただ、もちろん全てのクルマがこのようになることを望んでいるわけではありません。そうすると、クルマとしてはかなりつまらなくなってしまいます。ミニバンと一部の人気HV車、そしてトールボーイの軽自動車に三極化した今の日本車の状況をご覧いただければ、私の言わんとしていることはおわかりいただけるかと思います。

今現在X1や2シリーズツアラー系をご検討中の方、ぜひ今度ご自分で後席に座ってみてください。また、ご家族に「中が狭そう」と言われても一度お乗りいただければわかっていただけると思います。

では、今回はこの辺で失礼します。ありがとうございました。

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